蛇口屋

リフォーム業界のあれこれ

蛇口屋だけに蛇口の話…その①

2006-03-11 19:18:47 | Weblog
昨日のパッキンのお話の続きのような物になりますが、従来蛇口という物は、出すか、閉じるか、どっちかなんです。

当たり前だ、何を言っているんだ、蛇口屋は?

そうおっしゃる方が多いと思います。

でもね、これが実に大きな落とし穴なんですよ。もう、プロでもハマるどでかい穴なんです。

例えば、一番簡単な単水栓(横水栓)。

これは、スパウトという口から水をはき出す訳なんですが、止まっているのはコマパッキンが、蛇口の中で、水道管からやってくる水を押さえつけているからで、これを解放することが、蛇口を開いて水を出すという行動な訳です。

蛇口のハンドルを時計回しに回すことで、ハンドルから直結されているスピンドルの最下部に付いているコマパキンが、穴を塞いで水を止めている訳で、この時、スピンドルの軸は、蛇口の上の部分、ハンドルの真下、グランドパッキン、を貫いて、ハンドルにつながっています。これが、水を出している状態では、このグランドパキンまで水が回ってしまいますが、蛇口の口は滞ることなく水をはき出すので、この箇所に圧力がかかることなく事なきを得ます。

しかしこのとき、水をはき出す口を塞いでしまうとどうなるか?

そんな状況は無い! そう思われるかもしれまませんが、一般家庭にい置いて、結構この状況は生み出されているんです。

全自動洗濯機の給水栓はまさにこの状態で、食器洗い洗浄機も同じ状態です。

機器側の電磁弁(電動で開閉する蛇口みたいな物です)が閉じている状態では、蛇口内は開いているのに口から水が出ないで、開いている蛇口内部に圧力かかります。水は高い圧力から低い圧力へ向かって移動しようとしますので、老朽化や状態が悪いと、この蛇口の上の部分、一番弱いグランドパッキンから水が漏れてきてしまうのです。

しかし、これも、蛇口を閉じること、ハンドルを回してコマパッキンによって、この漏水は止めることが出来ます。

あわてずに、水を止めて、お近くの蛇口屋さんを呼んで修理して貰いましょう。

ただその前に、試してみて欲しいのが、ハンドルをマックスまで開ききる、という行為です。

ハンドルを逆時計回りに動かなくなるまで回すということです。

下にコマパッキンを押し付けていた様に、今度はスピンドルが上に向かって、グランドパッキンを押さえつけて、水が止まる様に作られているからです。

もちろん、原因がグランドパッキンの老朽化なら、この方法では水は止まりません。あきらめて、蛇口屋さんを呼びましょう。

給湯器付近、配管の途中に取り付けられている屋内止水と言う器具はまさにその様な構造になっています。
この屋内止水を使って水の流れる量を調整しようする設備さんや蛇口屋さん、水道屋さんが結構多いんですよ。
お客さんから、
「シャワーの勢いが強すぎる」
とか言われて、ここのハンドルをひねって調整して、その場は良くても、ある程度の時間の経過で漏水してきます。

鉄の管の漏水は、錆で止まることがありますが、蛇口を構成する砲金やゴム、樹脂や銅などの漏水は、徐々に大きくなることはあっても、自然に止まることはありません。

話は元に戻りますが、これが、中途半端に水を出すことが出来ない、蛇口は開いているか、閉じているか、どちらかのしか出来ない構造という話です。

完全に開けるか、完全に閉めるか、どっちか!
蛇口って意外に竹を割ったというか、潔いというか、そんなデジタルな奴なんです。

「じゃあ、気をつけて使わなきゃ…」

そう考えていただくのは、設備器具には無用です。
あくまで、ここに書いているのは、蛇口屋を含む、業者側の留意点で、普通の人には、こんな話もある、といった程度のまさにトリビヤなお話なんです。

しかもマニアック過ぎて、ネタにもなりません。

あくまで裏方のお話ですから。








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