今日は。
拙ブログですが毎日200〜300名の方がご覧下さっています。
この数の多寡は分かりませんが私自身の励みになります。
改めて御礼申し上げます。
ゆくゆくは中古住宅を購入し、レア種を中心にブリードに専念する予定です。
その際はリクガメも飼育し、ミズガメ、リクガメともに最高のエサを作ることが私の夢です。
その日に向けて、知識と技術を蓄積して参ります。
さて、今日は水換えです。
お時間あればご覧下さい。(約4分)
https://mobile.suntory.co.jp/eco/forest/theater/
因みに飲料水として品質スコアが一番高い水は熊本県の水道水といわれています。
私は熊本の白川水源も山梨の白州工場も訪れましたが、どちらも素晴らしい生態系の中に位置しています。
こんな土地で湧水を存分に使えたらきっとコウホソもマルナガクビも上手に飼育できるはずです。
ミズガメ飼育には水換えがつきものです。
我が家のカメはブラジルヘビクビガメ、トゲモモヘビクビガメ、パーカーナガクビガメ、アッサムセダカガメ、ベニマワリセダカガメ、キマダラチズガメ、ワモンチズガメと総勢11匹です。
水換えは月1回です。
ミズガメ飼育者は驚かれると思います。
多くの方は週1回、夏は毎日の方もいらっしゃるのではないでしょうか?
おそらく皆様と違うのは水槽が大きいこと、エサの量が少ないことだと思います。
全ての飼育槽には濾過装置を備えています。
飼育水を濾過し、再利用して水換え頻度を下げています。
確認ですが、濾過機に水を綺麗にする能力はありません。
カメが死なない程度まで有害物質を減じる能力があるに過ぎません。
従って月1回の水換えを実施する訳です。
アクアホビーにおいてほぼ100%近くが生物濾過機でしょう。
ごく稀に強制濾過機をご使用の方がいらっしゃる程度だと思います。
我が家も生物濾過機ですが、現在のところ最高のパフォーマンスを発揮しているのがブラジルヘビクビガメの水質です。
下の写真は野生下のブラジルヘビクビガメです。
TDS値とは水の中にどれくらいの不純物が溶け込んでいるかを数値化した指標です。
まず水道水のTDS値は120近辺です。
水道局のHPでは176となっていますが地域差の範囲でしょう。
これをカルシウムとミネラルのみを残してRO水に浄水するとTDS値は50近辺に低下します。
ブラジルヘビクビの基礎データとして、PH7.2、TDS値50、GH6となります。
この状態で1ヵ月水を回すと数値は概ねPH6.7、TDS値100、GH6と変化します。
PHとTDS値に変化がみられます。
この変化はカメの糞尿、ガス交換による皮膚からのアンモニア排出による酸化還元によるものです。
アンモニアは亜硝酸に変わり、やがて硝酸塩となります。
この硝酸塩の蓄積分、TDS値が上がるのです。
そして硝酸塩化を通じてPHの低下がおきる訳です。
しかしTDS値が50しか上昇していないのは生物濾過がしっかり効いている証拠でしょう。
何しろひと月水換えなしでも水道水よりもTDS値が低いのですから。
やはりエーハイムの威力は特筆すべきです。
水の回転数とろ材のバランスが抜群だと思います。
自然界ではこの後、脱窒還元作用が働き、硝酸塩は窒素として大気中に気化しクリアな水に戻りますが現在、アクアホビーで脱窒還元まで実現できる濾過材は淡水ではありません。
水質に極めて高い要求のあるサンゴ界では昔から商品化されています。
私も以前使用してましたがデニボールという商品です。
脱窒菌のエサを混ぜた生分解性プラスチックですが、確かに効果はあるのですが、脱窒還元まで狙うのは趣味の域を超えて研究になるのでは?と感じます。
やはり素直に水換えで硝酸塩を除去するのがセオリーかと思います。
ただブラジルヘビクビの水質ですが、この硝酸塩が水換えをしてもじわりじわりと蓄積しているようです。
水換えをしても硝酸塩の値が50付近にあり、これでは渓流の水ではありません。
余談ですが皆様の飼育水、ちょうど水換え直前の飼育水を測定するとおそらくTDS値は測定不能となるはずです。
TDS値は3,000〜8,000でしょう。
私の測定機は1,000までしか測れないのです。
加えてPHは3〜4という非常に過酷な水質のはずです。
カメがバスキングするのは水が合わないときもあるので要観察です。
これを全換水し、TDS値120、PH7.0位に戻す訳ですが、アロワナでこれをやればPHショックで即死します。
ですからミズガメの換水頻度は毎日30%、これが水質の数値変動を少なく飼うコツだと思います。
大きな水槽であれば毎日10%でもいいと思います。
また新水は汲み置き水をお勧めします。
ただでさえ薬品処理された水道水です。
24時間汲み置きするだけで驚くほどマイルドな水になり、カメに優しい水換えとなります。
これをやるだけで相当カメの調子は上がるはずです。
こうして水を診る癖がつくとエサの量も水質変化をみながら調整することとなり減ってくると思います。
ベビーはともかくヤングからは少ない給餌で充分です。
水槽飼育は狭く外敵もいないので圧倒的に運動量が少ないのですから。
アンモニアを元から絶つことになりカメもより健康になるので一石二鳥です。
冒頭はマーフィードさんの企業理念ですが私はこの水への妥協のないこだわりを好感を持って迎えています。
多分これからも面白くないが本質的な話は続きます。
わたくしも熱帯魚から亀その他水生生物を何種も飼育してきたことから、この水に対する洞察や研究は常につきまとってきた課題でしたから、大変勉強になります。
以前は南米アフリカ豪州の我が国の亀の常識では違和感満載の南半球の亀たちも飼育してきましたが、現在は北米五大湖周辺に生息するモリイシガメ一頭のみ飼育しています。
しかし、何を飼うにもテーマは大事です。
それは時に飼育環境の改善や毎回の餌、生息域のリサーチ、人間との関わり、そして水換えや水作りと、自分独自の飽くなき努力が最大の興味となってエキゾチックアニマル飼育があると思っています。
というのはたとえ飼育法が完全に確立している種であっても、独自のテーマで何かを探ろうとする行為に最大の魅力が詰まっていると信じているからです。
その為に私は蛇を飼育していた時はマウスを繁殖し、餌となるマウスの栄養を考えたり、蛇の体色を作り変える為の食材を研究したり、雑食トカゲならば自然の生息地でしか手に入らない食材に健康面や繁殖のキーになるものが含まれると思ったらそれを我が国でどう入手したり代用物を得るか探したり、亀ならわざわざ泥や砂利まで付けて食べさせてみたり、蟻の卵を探してきたり…。テーマに沿ってあらゆることを試すことが楽しかった。
実験的な飼育法が必ずしもいつも成功するわけもなく、他人にとってはそれが虐待だなんて思う方もいらっしゃるかもしれないけれど、性格上レプトミンだけ喰わせて、水道の水ジャーッと入れ替えて終了みたいな飼い方は何の魅力も感じません。特に飼育法が確立されてないエキゾチックアニマルにおいては正解などないに等しい。
水作りにおいては熱帯魚や古代魚に対してはエーハイムを代表とする外部フィルターよりは、昔ながらの上部にこだわりました。とはいえメンテのやりにくさ、設置の煩わしさ、水漏れなどのアクシデントなどで外部は避けていましたが、初期はよく使用し、その性能も認めています。
外部には普通にマットは置かず、砂利を敷いてポトスなどの植物を水耕栽培し、植物と魚との関係をテーマにしつつ、濾過に努めました。
飼育の為に仏教における五大元素「地」「水」「火」「風」「空」を詰め込むテーマを掲げたことも。地すなわち土とか砂利、水は活きた水、火は火山灰や火山岩、風は通気、空は紫外線などでしょうか。
なんだっていいんですが、自分でテーマを作って、飼育生物もハッピーハッピーだとこちらもやった甲斐があるし愉しいし、勉強になります。
時にキチガ○じみたテーマであっても、わたくしは良いと思います。
飼育法に正解はない。エキゾチックアニマルを飼うことの醍醐味はそこにあるし、何事も学ぶ姿勢は大事であると思います。
もちろん、これは亀にではなく、古代魚や熱帯魚に対してです。
亀なら底面をひっくり返される恐れもありますから。
まあ、しかし亀の濾過も飼育槽のスケールと設置の工夫さえあれば可能。
実際、キマダラチズガメなど水量が多く、泳ぎ上手で警戒心が強い亀飼育においては、上部+底面
連結で、上部に植物の水耕栽培などを植えて、隠れ家的ビオトープっぽい雰囲気で飼ってたこともありました。
数値はあえて測らないんですよ。
あまり気にしすぎると良くない。水の輝きと個体の状態で判断します。
まあ、ブラジルヘビクビなどハードルがとてつもない亀ならそうしなきゃならないかもしれませんね。^_^