遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

TPP交渉参加 全ての関税撤廃をあらかじめ約束するよう求めない

2013-02-23 22:29:44 | 日本を復活させる
 安倍、オバマ両首脳の初めての会談が昼食を含め約2時間行われました。昼食を含めたのは日本の要求に答えたものだそうですが、日本側の日米同盟復活をアピールしたい強い熱意に対し、冷めた姿勢の米国との前評判で、会談後の両首脳が揃っての共同会見は最初から予定されていませんでした。
 課題が山積のなか、最大の注目点は安倍首相がさかんに言っていた、TPP交渉参加での聖域の感触確認でした。事前交渉を続けた事務方も詰めきれず、最後は両首脳会談次第との声が報道されていましたが、なんと、「共同声明」が出ました。大方の予想を超えた成果で、米国が踏み込んだ分、日本の交渉参加は避けられなくなったとの評価です。
 「聖域なき交渉」ではないことを確認する証拠を得た安倍首相にすれば、描いた筋書き以上の成果といえるでしょう。
 しかし、そこは米国、交渉参加から逃れられない縛りの他にも、共同声明の中に自国の主張もしっかり盛り込んでいます。外交交渉では当然のことですが、日本の事務方も、民主党政権時代とはことなり、やる気を出して取り組んだ跡が観られますね。
 

TPP参加 日米、双方の主張に配慮  :日本経済新聞

 【ワシントン=原田逸策】環太平洋経済連携協定(TPP)に関する日米の共同声明は、膠着する日本の交渉参加問題を打開するため双方の主張に配慮した。「全ての物品が交渉の対象」という米国が譲れない主張を盛り込んだ。一方で、米側も自民党が衆院選で掲げた「聖域なき関税撤廃を前提とする限り交渉参加に反対」との公約に反しない中身にした。
 TPPは「関税の原則撤廃」を掲げる。これまで日本が結んできた自由貿易協定(FTA)は関税ゼロの比率が80~90%にとどまり、コメなど農産品を中心に高い関税を残している。農協などがTPPに強く反対するのはこのためだ。
 共同声明は冒頭段落に米国側の主張を記した。「全ての物品が交渉の対象とされること」というくだりで、コメなど交渉対象の例外品目を認めないことを意味する。カナダも乳製品を交渉対象とすることで参加を認められた。FTAでは当然の交渉方法だが、日本の民主党政権で政府がこうした中身を公言することすら難しかった。
 もう一つは
「日本が包括的で高い水準の協定を達成していく」という点だ。関税撤廃の例外品目を残す可能性はあるが、あくまで少数にとどまるとクギを刺した
格好。日本はコメなど農産品を中心に約840品目で関税を撤廃したことがない。こうした品目の相当部分が市場開放を迫られる可能性が高い。
 一方、共同声明の次の段落では
米国が日本に配慮した。「(関税をなくすかどうか)最終的な結果は交渉の中で決まっていく」と記し、関税撤廃の例外がありうると認めた
。「日本には一定の農産品」と具体的に言及したうえで「両国ともに2国間貿易上のセンシティビティ(重要品目)が存在する」とした。
 交渉参加に慎重な農林水産省は日米首脳会談で米側から「センシティビティ」という言葉を引き出せるかどうかに注目していた。農林関係議員らに説明する有力な材料となり、日本には交渉参加に向けた成果となる。いずれも自民党公約の「聖域なき」という部分を意識して盛り込んだもので、農業関係者の反発を和らげる効果がありそうだ。
 
もう一つの米国側の日本への配慮「一方的に全ての関税を撤廃することをあらかじめ約束することを求められるものではない」とのくだりだ。自民党の反対してきた「聖域なき関税撤廃」が、交渉参加の前提条件にならないことを確認
した。TPP交渉参加に反対論が根強い自民党内に理解を求めた格好だ。
 
米国は日本に配慮するばかりでなく「見返り」も求めた。共同声明の最後の段落に交渉参加に向けた日米の事前協議について「自動車部門や保険部門に関する残された懸案事項に対処する」と明記
。首相同行筋は「米国にとって重要な部分だ」とする。
 日本のTPP交渉参加に米自動車業界の反対論がくすぶっていることを念頭に、自動車分野などで譲歩するよう日本側に迫ったものだ。交渉参加に向け、今後の日米協議で火種になる可能性も残った。


 TPP「すべての品目が交渉対象」 日米共同声明の全文  :日本経済新聞

 安倍氏は、内外記者の記者会見(と言っても、国内と海外各2社だけ)で、帰国後、自民党役員会と公明党に説明し、交渉参加については、首相一任を依頼するとしていました。
 自民党内では、「TPP交渉"反対"」ではなく、「TPP交渉"阻止"」を唱える議員も多く、共同声明という確たる証拠を得たとしても、党内の説得と一本化が難関となります。
 気がかりなのは、あの少数幹部による密室政治の民主党政府でもそこまでの上から目線で押さえつける発言はしなかったのですが、高市氏の高圧的な態度と発言です。断固阻止派をどう説得するのか、お手並み拝見です。(高市氏は説得役ではない?)
 
TPP、政権公約の肝を確認…高市政調会長(読売新聞) - goo ニュース

 橋下市長は、今朝の「ウェーアップ! プラス」で、交渉参加した上で国益に沿って判断するのは当然の流れとし、安倍首相が手順をふんで進めていることは評価し、国益にかなうことは協力するとしていましたね。

 これで、TPP交渉参加への流れが動き出します。
 アベノミクスの成否を決める、3本目の矢の成長戦略で、大きな力となる自由貿易による、少子高齢化で縮小する国内市場の拡大が可能となります。
 安倍政権は「農業改革」と「TPP」を農業の成長戦略の車の両輪に位置付けるとしています。TPP交渉以上の速さで「農業改革」成案も進め、TPP交渉を進める時に何をどう交渉するのかの戦略を確立することが急がれます。
 TPP交渉参加の為のお座なりの「農業改革」ではなく、高齢化で担い手がなくなる農業をどう変えるのかという観点からの「農業改革」でなくてはなりません。
 
安倍政権 農業の成長戦略は「農業改革」と「TPP」 - 遊爺雑記帳

 余談ですが、安倍首相、オバマ大統領の会談中、ニュースの映像だけですが、オバマ大統領の視線がほとんど安倍首相の方を見ていない様に見とれました。韓国系米国人による慰安婦問題の誤宣伝が先入観として入っているからとの声が聞こえてきますが、気のせいであることを願っています。




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