遊爺雑記帳

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【農業改革】政府が耕作放棄地などを集約貸し出しの法案提出へ

2013-09-18 23:58:17 | 日本を復活させる
 政府は、新設する「農地中間管理機構」(仮称)を通じて、まとまった広さの農地を大規模農家や農業法人などに貸し出す仕組みの法案を来月提出するのだそうです。
 食管制度や土木工事、果ては民主党の戸別所得補償制度といった農業改革を逆行するばら撒き制度に至る、およそ改革とはかけ離れた政策が自民、民主と続けられてきたなかで、ようやく農業改革らしい法案が出来そうな雲行きですね。
 

休眠農地集約 貸し出し 来年度から 都道府県に仲介組織 (9/18 読売朝刊)

 
政府は2014年度から、耕作放棄地の有効活用を促すための、新たな制度を導入する。一定期間放置された農地を都道府県が利用できるようにする仕組みだ。各都道府県に新設する「農地中間管理機構」(仮称)を通じて、まとまった広さの農地を大規模農家や農業法人などに貸し出す。環太平洋経済連携協定(TPP)交渉をにらみ、農業の生産性向上を後押しする狙いで、企業の農業への参入促進などと合わせて農業改革を急ぐ。

 政府は、新制度を盛り込んだ農地法などの改正案を、来月に召集する臨時国会に提出する。
 現在、耕作放棄地の貸借に行政はほとんど関わっていない。新制度は主に都市部に住む人が相続した農地の活用を目指す。まず、市町村の農業委員会が所有者に農地利用の意向を聞く。農地を「貸す」と回答すれば、機構を通じて大規模農家などに貸し出す。「自分で耕す」「借り手を見つける」などと回答しながら、
農地が一定期間放置された場合は、所有者と協議する。その上で、知事の裁定で農地の利用権を機構が得ることができる
ようにする。
 所有権は所有者に残し、機構が農地を貸すことで得る賃料は所有者の収入となる。
 また、所有者がわからない耕作放棄地を、他の農家などに貸し出す場合の手続きも大幅に簡素化する。さらに、営農状況などを記録する農地基本台帳をデジタル化して地図で見ることができるようにすることで、耕作放棄地の所在を把握しやすくする。
 
国内の耕作放棄地は、この20年間で面積が倍増
し、滋賀県とほぼ同じ大きさの約40万ヘクタールに達している。政府は20年までに、12万ヘクタールを農地として復元することを目指している。
 ただ、耕作放棄地は農家の高齢化に加え、農地を相続しても耕作しない所有者が増えているため増加しており、
放棄地の半分近い18.2万ヘクタールは農家以外が持っている
。相続された農地が荒れる前に借り手を見つけたい考えだ。

TPPにらみ競争力強化
 政府が耕作放棄地対策の強化に乗り出すのは環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の妥結をにらみ、国内農業の競争力向上が急務となっているためだ。耕作放棄地は山間部など営農が困難な地域で多かったが、近年では都市部に住む非農家による農地の相続が増え、
優良農地も放棄地となるケースが出ている
。このため新たな対策が必要と判断した。
 政府は6月にまとめた成長戦略で、
農地を大規模農家や農業法人などに集約し、コメの生産コスト(60キロ・グラム当たり1万6000円)を4割下げる
目標を掲げた。今後、海外から輸入される安価な農産物に対抗するためだ。
 ただ、今回の対策だけで耕作放棄地の有効活用と農業の強化が実現するかどうかは見通せない。
 
農地の借り手が見つからなければ、農地中間管理機構が農地を抱えたまま賃料を貸し手に払い続けることになり、農地の維持管理費とともに財政負担が膨らみかねない。企業による農業への新規参入を後押しするなど借り手をどう確保するかが重要
となる。
 貸し手への対応も課題となる。
零細農家にも補助金を支払う現行制度を維持したままでは、農地の集約化が進まない恐れもあり、農業補助の見直しも欠かせない。国内農業の競争力を強化するためには、コメの生産調整(減反)を見直すことで、コメの価格競争力を高めるなど多角的な議論が求められる。 (経済部 池田晋一)

 農業が可能な土地は、限られた資源として世界で争奪戦が生じていました。
 
農地争奪に出遅れる日本 自給率UPだけで大丈夫? WEDGE Infinity(ウェッジ)

 日本はその競争に出遅れていただけでなく、その限られた資源の土地の耕作放棄が進んでいるのです。
 なんとまぬけな話でしょう。
 高齢化が進む農家、兼業農家、零細規模の農家の多い中、これらの農家から土地を借り集めてコストダウンを計ろうと積極経営を進めている専業農家は少なくありませんでしたが、民主党が政策というより政権奪取という政局優先で打ち出したばら撒きの戸別所得補償制度により、頓挫してしまいました。

 この積極経営を目指す農家を支援すると同時に、後継者がいない高齢化した農家、高コストでありながらばら撒き金頼りで細々と就労を続ける農家の農地を引き受けて活かす策としては、農地の集約を行い専業農家に土地を売るなり、貸すなりすることが必須でした。
 高齢化した農家、兼業農家、零細農家は貸すなり売るなりして、耕作放棄するのではなく、収入を得るのです。
 働けるうちは、貸したり売ったりした専業農家の株主兼従業員といった位置づけで働いてもいいのです。ばあいによっては、専業農家の位置が、農業に参画する企業であってもいい。

 専業農家にも、高齢化農家にも、兼業や零細農家にもメリットがあるとともに、無駄なばら撒きの財政支出削減にもつながりますし、民間企業の農業参画も促します。
 耕作放棄などしなくていいのです。

 これまで進められなかったのが不思議な(政局の票田を耕すことに血道をあげた不毛政治の結果)農業改革の柱のひとつが、積極経営を目指す農家への人と土地といった資源の集約です。
 政府がようやく法案提出に踏み切ったのは歓迎です。

 ただ気がかりなのが、「農地中間管理機構」が、貸し出す農家の土地を抱え込むというくだり。
 貸し出し先がなくても借りてしまうのでしょうか?金額の設定は市場原理が活かされない?次々と疑問がわく、ばら撒き以上の放漫管理の匂いがします。
 票獲得の為の農業改革ではなく、日本の農業の為、国益の為の農業改革としての「農地中韓管理機構」であることを願います。



 # 冒頭の画像は、ブルネイでのTPP交渉会合が閉幕し、記者会見する鶴岡公二首席交渉官




  この花の名前は、ムラサキツメクサ


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