遊爺雑記帳

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ギリシャ国内最大のピレウス港の国営運営会社が中国の国有企業へ売却

2016-01-16 23:58:58 | 中国 全般
 ギリシャで、国内最大のピレウス港の国営運営会社が中国の国有企業に売却される見通しとなったのだそうです。
 ギリシャ政府は、EUから総額860億ユーロの融資を受ける条件として課せられた約500億ユーロ相当の国有・公有施設の売却や民営化を急いでおり、同港の国営運営会社の株式67%の売却を進めているなか、唯一、中国国有の海運会社「中国遠洋運輸(コスコ)」が名乗りをあげたのだそうです。
 中国は、アジアと欧州を陸海のシルクロードで結ぶ経済圏構想「一帯一路」の要衝として、ピレウス港を重視しているのだそうで、中国海軍の中東や地中海への進出の拠点とする狙いも見え隠れしています。
 

ギリシャ最大港 中国買収へ 「一帯一路」要衝 軍補給拠点にも (1/16 読売朝刊)

 【ローマ=青木佐知子、北京=鎌田秀男】財政再建中のギリシャで、国内最大のピレウス港の国営運営会社が中国の国有企業に売却される見通しとなった。中国政府は、アジアと欧州を陸海のシルクロードで結ぶ経済圏構想「一帯一路」の要衝として、ピレウス港を重視している。中国海軍による利用拡大の可能性も指摘されている


 ギリシャ政府は、同港の国営運営会社の株式67%の売却を進めている。国有資産の売却を管理する「ギリシャ資産開発基金」は12日、買収に名乗りを上げたのは、中国国有の海運会社「中国遠洋運輸(コスコ)」だけだったと発表した。今後、提案内容を精査するという。
 金額は公表されていないが、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、今後5年の設備投資も含めて約7億ユーロ,(約895億円)と報じた。同基金は、コスコに対し、買収金額の引き上げを求めている。
 
ギリシャ政府は、欧州連合(EU)から総額860億ユーロの融資を受ける条件として課せられた約500億ユーロ相当の国有・公有施設の売却や民営化を急いでおり、コスコによる買収が実現する公算が大きい

 
コスコは2009年、ピレウス港内の二つのコンテナふ頭の運営権を35年契約で取得済みだ。今回の買収が実現すれば、港湾全体の運営権を握る
ことになる。
 中国政府は、スエズ運河を経て地中海に入るピレウス港へのルートを
「アジアと欧州を結ぶ最短航路」(李克強首相)として重要視
している。中国にとってEUは最大の貿易相手。中国メディアなどによると、欧州向け貨物の8割は海上輸送に頼る。ピレウス港経由のルートなら、他の欧州の港に比べ、輸送時間を7~11日短縮できるという。
 国際港湾協会によると、コスコがコンテナふ頭の運営権を取得した09年から4年間で、ピレウス港の貨物取扱量は約5倍に増え、欧州8位となった。
中国は、欧州最大の貿易港・ロッテルダムをしのぐ港湾に育てたい考え
だ。
 
ギリシャのチプラス政権も、中国との関係強化に前向きだ。昨年2月には、中国海軍の軍艦の同港への寄港を認め、チプラス首相自ら艦上での式典に出席した。中国政府としては、中東や北アフリカなどに海軍の活動範囲を広げることを念頭に、補給拠点を確保する狙い
もあるとみられている。

AIIBきょう開業
 【北京=鎌田秀男】中国主導の新しい国際金融機関「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」が16日、北京市内で開業式典を開催し、業務を正式にスタートさせる。
 式典には、習近平国家主席が出席し、演説する予定だ。
 AIIBは、米欧や日本が中心となって運営してきた既存の国際金融機関に代わり、アジア地域のインフラ投資を資金面でバックアップする目的で、習氏が2013年に設立構想を発表した。中国と欧州を陸と海の現代版シルクロードで結び、巨大経済圏の構築を目指す
中国の「一帯一路構想」を補完する役割
もあるとみられている。
 AIIBの創設メンバーの57か国には、主な融資対象となるアジア各国のほか、中国と関係が深いロシアやインドに加え、英国やフランス、ドイツなど先進国が名を連ねた。初代総裁には、元中国財務次官の金立群氏が就任する予定で、17日に記者会見する。


 太平洋を米国と二分割して管理しようと米国に交渉を持ちかける習近平。東シナ海では、日本とのEEZ境界線のガス田共同開発の協議は中断したまま勝手に開発を進め、尖閣の領海に「海監」を度々侵入させ、中国の領海だと主張し、最近では軍艦を接近させ圧力を増しています。南シナ海では人口島建設を進め、力による現状変更を進め、領有権を主張し、緊張を高めています。
 更に、インド洋では、インドを包囲する「首飾り」作戦で、拠点の港湾確保を進めてきました。
 昨年は、地中海で2回目のロシアと共同軍事演習をするに至り、海洋覇権拡大を、地中海にも広げ始めていました。
 
専門家が読み解く中国海軍の地中海軍事演習--人民網日本語版--人民日報

 内需に行き詰まった中国経済は、外需を求めて「一帯一路」構想で、欧州に至る陸海路の開拓を進めると同時に、習近平は「中華の夢」を唱え、覇権拡大に努めていますが、欧州での橋頭保を確保できることになったのですね。

 「一帯一路」構想の資金調達用に設立した、AIIBが今日開業しました。
 格付け不適格とされたAIIBの債券。どうやって資金調達するのでしょう?SDR入りを果たした人民元を印刷しまくるのでしょうか。韓国が引き受ける話もありましたが、その韓国は、厚かましくも、日本に通貨スワップの再開の打診をしていましたね。
 
 
中国AIIB、発足直前の異常事態 「無格付け」で債券発行 「ジャンク債」以下 - 政治・社会 - ZAKZAK
 政府、日韓通貨スワップ再開に前向き=関係筋 | Reuters
 韓国経済副首相「韓日通貨スワップ、先に要請する状況ではない」 | Joongang Ilbo | 中央日報

 AIIBへ参加した欧州の国々。中国の衣の下の鎧が、そろそろ見え始め、中国が西太平洋から、東・南シナ海、インド洋で繰り広げている海洋覇権拡大を実感していただける時が近づいている様です。一日も早く覚醒されることを願います。


 # 冒頭の画像は、地中海での露中共同演習の開幕を宣言する、中国海軍のドゥ・ジンチェン副司令官(左から2人目)とロシア海軍のアレクサンドル・フェドチェンコフ副司令官(右から2人目) 2015年5月




  この花の名前は、イワタバコ




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ソ連が満洲に侵攻した夏 (文春文庫)




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