遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

南極海の調査捕鯨 国際世論に逆らって強硬再開はいかがなものか

2014-09-24 23:58:58 | my notice
 日本の調査捕鯨については、3月にオーストラリアが提訴した国際司法裁判所で中止するよう判決がでていました。更に、今月18日のIWC(国際捕鯨委員会)で、日本の南極海での調査捕鯨開始を遅らせることを狙ったニュージーランドの決議案が採択されました。
 しかし日本は、法的拘束力がないことを根拠に、南極海の調査捕鯨の再会を強行することを表明しています。
 裁判の判決を無視し、国際世論に逆らってまで、日本が南極海の調査捕鯨を行わねばならない国益とは何なのでしょう。

 
調査捕鯨で日本敗訴 国際司法裁判所、中止命じる  :日本経済新聞
 IWC調査捕鯨先延ばし決議…日本従わない方針 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
 
調査捕鯨の強行を懸念する (9/24 日経 社説)

 国際捕鯨委員会(IWC)総会は、ニュージーランドが提出した調査捕鯨の計画評価などを厳しくする案を賛成多数で可決した。決議は調査捕鯨計画について2年に一度開く総会で検討することを求めており、日本の調査捕鯨再開は早くて2016年になる

 
政府はこの決議には法的拘束力はないとして、予定通り15年度から南極海での調査捕鯨を規模を縮小したうえで再開する方針
だ。
 ニュージーランドの提案は日本の調査捕鯨の再開を先延ばしする狙いがある。その手法に納得しにくい面はあるが、
国際会議での合意事項だ。おかしな部分があればまずはそれを各国に訴え、賛同を得るのが筋
ではないだろうか。
 南極海での日本の調査捕鯨が国際捕鯨取り締まり条約に違反するとして、
国際司法裁判所は3月末に中止を命じた
。実際の捕獲枠が設定した捕獲枠を大幅に下回ることなどを指摘し、科学調査目的とはいえないと断じた。
 今日まで、
政府は各国に調査の妥当性を十分に説明してきただろうか
。補助金で赤字を補填し、調査捕鯨の事業を継続するのであれば国民への説明も要る。
 捕鯨に対する国際世論は年々厳しさを増している。日本が決議を無視して調査捕鯨を強行すれば、国際世論は合意に反するとして反発を強め、捕鯨に対する理解はますます得にくくなる。
 1960年代に年20万トン以上あった国内の鯨肉消費量は、いまや5千トンに満たない。豚肉や牛肉などが手ごろな価格で供給されるようになったからだ。たとえ本格的に捕鯨を再開できたとしても、年600万トン近い食肉供給の中でどれだけ需要があるだろうか。
 捕鯨問題は、地域に残る食文化をどう維持するかを考えるべきだ。国内沿岸の捕鯨は、IWCの管轄対象から外れるツチクジラなどに頼らざるをえない。今回の総会で日本が求めた三陸沖などでのミンククジラの捕獲枠(計17頭)は否決された。
戦略を間違えれば地域文化も衰退してしまう。

 調査捕鯨の目的は、鯨だけの資源ではなく海の生態系の頂点に立つ鯨を調査することで海の生態系全体の資源調査をすることと、日本古来の食文化の継承の為です。
 
ニホンウナギ資源管理へ 調査捕鯨“先延ばしを” | サンデーモーニング | TVでた蔵

 しかし、これまでの調査捕鯨の実績での科学的な調査にNoを突き付けられたのが国際司法裁判所の判決。シーシェパードの妨害があるなどして十分な活動が出来なかったといった理由はあるとしても、下された判決には従うのが、法治国家の義務です。

 現状の日本の鯨肉の食文化につして、需要の大幅減と民間企業レベルの捕鯨体制維持について書かれているのが以下(少し古いですが)
 
食の未来は大丈夫か? / SAFETY JAPAN [特集] / 日経BP社

 捕鯨や鯨の加工をしただけで海外で不買運動が起きる。民間の捕鯨船団については、禁止前はマルハと日水が各3、極洋が1船団持っていたが、農水省は捕鯨を解禁しろと強硬に言っうが、需要が減っていて民間レベルでの商業捕鯨再開は困難な状況にあるのだそうです。
 
 海の生態系の調査目的は誰も異存はありません。今年に続いて来年も調査を中断するとデータ採りが出来ないということですが、裁判の判決も調査そのものを否定しているのではなく、現状の調査実態を否定しているのです。
 そこを、国際世論が納得できる形に修正しないで強硬再開しても、反発を買うばかりで、日本は国際法を無視する国家とのあらぬ汚名を被せられるだけでしょう。
 
 古来の食文化の継承に、南極海の捕鯨が必要なのでしょうか。古来をどの時代に定義するかですが、南極海で捕鯨を始めた時期が古来なのでしょうか。昔は日本沿岸の捕鯨だけだったはずです。
 日経社説が指摘するように、戦略を誤ると、この食文化の継承までもが閉ざされるのです。需要が減少している今日。日本近海の捕鯨の量で食文化を継承する戦略に転換するべきでしょう。

 世界の先進国の一翼を担う日本。EEZの面積ではトップクラスの海洋国日本。中国や韓国とは異なり、国際法は遵守する民主主義国家です。
 裁判の判決や、国際世論に逆らってでも、南極海の捕鯨を強行せねばならない国益がなになのか。遊爺には理解できません。
 調査捕鯨の、世界を説得できる科学的手法の再考と、食文化の継承をするための商業捕鯨のありかたの究明が求められるべきです。

 南極海の調査捕鯨 日本は再開表明 - 遊爺雑記帳



 # 冒頭の画像は、国際司法裁判所の判決に並ぶ関係者




  この花の名前は不明です。


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2 コメント

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Unknown (氷川丸)
2014-09-25 18:15:04
国際司法裁判で負けたわけですから南氷洋はやめるべきです。
しかしIWCが科学的ではなく、日本を敵にした感がありすぎですから、沿岸捕鯨と北氷洋にして商業捕鯨と伝統捕鯨はするべきかとは思います。

だからIWCは脱退するべきかと、更に科学的研究は、続ければ、小魚、鰯、秋刀魚、鯵、鯖、烏賊が大量に鯨の胃袋から出てくるとか。

これだと鮪の生態系も鯨に侵されてます。

日本が鯨を消費すれば、魚も復活します。

それをさせたくない 食糧メジャーが絡んでます。
返信する
Unknown (Unknown)
2014-11-08 05:34:17
IWC脱退などしたら日本が違法漁船を取り締まれなくなりますよ
捕鯨は世界的なルールの元やるべきなのは日本も一致してることなのです
今の捕鯨はあまりにも騒がれすぎですし、日本側の反論が科学調査じゃなくて伝統とまで言ってしまってるので矛盾を晒してしまっています
ここは日本が一度やめることができる物分りのいいところを見せれば、捕鯨規制もちゃんと行われるんだと反捕鯨国も納得するでしょう
これからは話し合いを続けて再開できる日を待つべきです
IWCは捕鯨に関する組織です
捕鯨賛成国がいる限り、IWCが潰れないし捕鯨が一生禁止になることはありません
返信する

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