遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

出生率減少 「中国の夢」は、夢のまた夢

2021-03-21 01:33:33 | 中国 全般
 中国にも団塊世代と団塊ジュニア世代が存在する。現在、団塊ジュニアは30~34歳になっており、まさに出産適齢期にある。それにもかかわらず出生数が減少し続けているのだそうです。
 出生率が同じで推移するとしても、10年後の出生数は現在より40%減少するのだそうですが、出生率も減少傾向。
 このまま出生率が減少し続ければ「中国の夢」などと称して、米国と覇権を争うことなど夢のまた夢になると、川島博之氏。

 中国の不動産バブルが崩壊すると言われて久しい。しかしバブルは一向に崩壊しなかった。
 1990年以降に日本が衰退し続けた理由を、中国政府は不動産バブル崩壊にあると考え、あらゆる手段を講じて、不動産バブルを崩壊させない政策を取り続けたからだと川島氏。
 しかしその政策が、破綻を迎える時がきて、出生率減、人口減を産んでいると。
 
バブル崩壊を防いだ中国の目の前に思わぬ伏兵 天網恢恢疎にして漏らさず、中国当局に「出生率急減」の“罰” | JBpress(Japan Business Press) 2021.3.20(土) 川島 博之:ベトナム・ビングループ、Martial Research & Management 主席経済顧問

 中国公安省は2020年の出生数が1004万人であったと発表した。これは2020年に戸籍登録した人数であり実際の出生数とは異なるが、前年の同じ統計より14.8%減少している。このことから2020年の実際の出生数は1250万人程度と推定される。

 中国の2019年の死亡者数は1004万人であったが、最近は高齢化により毎年10万人程度増加していることから、2020年は1014万人前後になると思われる。その結果、2020年の人口増加は236万人と計算される。増加率は0.16%である。

 
中国にも団塊世代と団塊ジュニア世代が存在する現在、団塊ジュニアは30~34歳になっており、まさに出産適齢期にある。それにもかかわらず出生数が減少し続けている彼らより10歳若い世代は団塊ジュニアよりも約40%少ないから、もし出生率が同じで推移するとしても、10年後の出生数は現在より40%減少することになる。

 これらの数字から、
2030年の出生数は750万人、死亡数は1150万人程度になると思われる。つまり1年間に人口が400万人も減ることになる。その状況は現在の日本にそっくりだ。

出生数が減り続けている原因
 一人っ子政策を緩和したにもかかわらず出生数が減り続けている。その
原因として誰もが不動産価格の高騰に思い至る。

 
中国では結婚する際に、男性側が住居を用意する習慣がある。多くの場合、息子は自分で住居を買えないから、親が用意することになる。しかし住居価格があまりに高騰してしまったために、よほどのお金持ちでない限り、親も住居を用意することができない。このことが婚姻率を低下させ、その結果として出生数を減少させている

 中国の不動産バブルが崩壊すると言われて久しい。しかしバブルは一向に崩壊しなかった。その理由は中国政府がバブルを崩壊させない政策を取り続けたからだ。
中国政府は1990年以降に日本が衰退し続けた理由を不動産バブル崩壊にあると考えた。そのために、あらゆる手段を講じて、不動産バブルを崩壊させないようにした

 
ここ数年、中国では大手不動産会社や地方銀行が経営危機に陥ったが、それらはなかなか倒産しない。一部は倒産したが、それでも1997年に日本で起こったような連鎖倒産が起きることはなかった。それは当局が裏で立ち回ることによって金融崩壊を防いでいるからだ。

 当局は潰れそうな不動産会社や金融機関にいろいろなルートを使って資金を供給し、倒産を防いでいる。それは多くのモラルハザードを伴っていると思われるが、野党やマスコミが存在しない中国では、それらを闇に葬り去ることができる。
中国の当局者は、日本のようなドジは踏まないと豪語している。

 だが、
いつになっても不動産バブルが崩壊しないことから、不動産価格は庶民がとても購入できない水準にまで高騰してしまった。中国政府が公表しているデータを用いて計算しても、2019年の北京の平均的な新築マンションの価格は日本円で約5700万円になる。現在、北京で新築マンションが多く作られているのは、中心部に通勤するのに2時間程度かかる地域である。そのような地域でもこの程度の価格になっている。中心部に数十分で行ける場所なら、ごく普通のマンションでも1億円は下らない。

 一方、政府の統計では、北京に住む人の1人当たりの可処分所得は日本円で110万円程度に留まる。この数字を元に計算すると、
平均的な新築マンションの価格は世帯収入の17.3倍になる。これでは遥か郊外に建てられたマンションでも、一般人が購入することは難しい。このような事実からも、中国のマンションは富裕層が蓄財用に購入するものであることが分かろう。

 同様の傾向は地方都市でも観察される。沿岸部の江蘇省、浙江省、福建省、広東省ではマンションの価格は平均所得の8倍程度になっている。そして恐ろしいことに、湖南省や貴州省など中国では田舎と思われている地域でも、住宅価格は世帯収入の5倍程度になっている。

 現在、中国では農民戸籍の人も含めて全ての若者が都市に住みたいと考えている。ただ、戸籍制度の縛りが厳しい中国では、普通の人が北京や上海に移り住むことは難しい。それでも多くの若者は、最低でも生まれた省の省都程度には移り住みたいと考えている。しかし、ここに示した数字からもわかるように、
地方都市であっても普通の人が不動産を手に入れるのは難しい多くの若者は地方都市に移り住んでも、借りたアパートに友人と一緒に暮らすことになる田舎に戻れば家はあるが、そこに戻っても結婚してくれる女性はいない。若い女性が田舎暮らしを嫌うことは、アジアにおいて普遍的に見られる現象である。

 
中国政府は不動産バブルを崩壊させることなく、上手に政策運営したつもりであったが、出生率の急激な低下という伏兵に遭遇してしまった。人口が減少する時代が続けば、必然的に住宅需要は激減する。そうなればいくら当局が上手く立ち回っても、不動産バブルは崩壊する。

“天”は見ていた
「天網恢恢疎にして漏らさず」という言葉がある。これは老子の一節であり、天の網は荒いように見えても、悪事をすれば必ず天罰が下るという意味だ。

 欲に目が眩んだ不動産会社や金融機関が無理な開発や融資を行い、その結果として倒産の危機に瀕しても、彼らが共産党と親密な関係を有していれば、中国政府は闇で不明朗な資金を流すことによってそれらを救済してきた。野党もマスコミもないから、誰にも文句を言われることはない。だからモラルハザード(つまり悪事)を永遠に隠し通せると思っていた。しかし“天”はちゃんと見ていた。そして出生率の急減という形で、当局に罰を与えようとしている。

 このまま
出生率が減少し続ければ「中国の夢」などと称して、米国と覇権を争うことなど夢のまた夢になる。だが、少子化を解消しようと思ってマンション価格を下げれば、不動産バブル崩壊が金融危機を招いた1990年代の日本のような事態に陥ってしまう

 出生数の急減に対して
中国政府はこれといったコメントを出していない。だが、内心は思わぬ伏兵に遭遇して、その対処に困り果てているものと思われる

 老子は中国が生み出した偉大な古典である。中国政府の当局者、特に金融関係者には自国の古典をもう一度よく読むことを勧めたいと思う。

 一人っ子政策を緩和したにもかかわらず出生数が減り続けている中国。その原因として誰もが不動産価格の高騰に思い至ると川島氏。
 中国では結婚する際に、男性側が住居を用意する習慣がある。しかし住居価格があまりに高騰してしまったために、よほどのお金持ちでない限り、住居を用意することができない。このことが婚姻率を低下させ、その結果として出生数を減少させているのだと。
 
 中国の不動産バブルが崩壊すると言われて久しい。しかしバブルは一向に崩壊しなかった。その理由は中国政府がバブルを崩壊させない政策を取り続けたから。1997年に日本で起こったような連鎖倒産が起きることはなかった。それは当局が裏で立ち回ることによって金融崩壊を防いでいるからなのだそうです。
 中国の当局者は、日本のようなドジは踏まないと豪語し、潰れそうな不動産会社や金融機関にいろいろなルートを使って資金を供給し、倒産を防いでいる。そこには、余禄としてモラルハザードも。

 だが、いつになっても不動産バブルが崩壊しないことから、不動産価格は庶民がとても購入できない水準にまで高騰してしまった。平均的な新築マンションの価格は世帯収入の17.3倍に達しているのだそうです。
 中国のマンションは富裕層の投資対象となり、一般人が購入することは難しい状況に。
 地方都市であっても普通の人が不動産を手に入れるのは難しい。多くの若者は地方都市に移り住んでも、借りたアパートに友人と一緒に暮らすことになるのだそうです。
 田舎に戻れば家はあるが、そこに戻っても、若い女性は田舎暮らしを嫌うため、結婚してくれる女性はいない。

 このまま出生率が減少し続ければ「中国の夢」などと称して、米国と覇権を争うことなど夢のまた夢になる。だが、少子化を解消しようと思ってマンション価格を下げれば、不動産バブル崩壊が金融危機を招いた1990年代の日本のような事態に陥ってしまうと川島氏。
 中国政府は、思わぬ伏兵に遭遇して、その対処に困り果てているものと思われると。

 少子高齢化の人口減は、日本も抱える国家の存亡(経済でも社会福祉でも)に繋がる重大かつ長期政策ですね。
 
 AIの進化で、人手要る労働力が大幅に減少するとはいえ、一般の労働者の雇用や収入も減ることになり、投資家等の富裕層はますます豊かになるという社会も想定されます。
 これは、世界共通の課題。
 
 フランスが人口減対策に成功した先進国と言われます。
 国民性の違い(婚姻にはこだわらない等)があり、まるまる導入は出来ませんが学ぶところは大きい。
 北欧諸国の様な、高税高福祉での子育て環境受実策も選択肢ですが、日本では抵抗感が強い。

 4,世界で少子化対策に成功した実例集 〜フランス〜 - 海老沢由紀
 「高福祉・高負担」で有名な北欧三国の税事情から見る日本の現状と未来 | Webマガジン ミライ資産

 長期間でしか成果が見えない少子化・人口減対策。目の前の成果に追われる政治のなかでは、取り組みが、付け焼刃的で、基本的なものは後回しになっているのが現状。
 しかし、国民生活や、国家の存亡に直結する重要な課題。後世の為に政策に取り組む政治家や政権の出現を願っています。





  寒桜


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