チェイルチョアハヌン韓国ドラマ&韓国旅日記

韓国ドラマだ~いすき!
毎日韓国三昧な日々を過ごしています。
気ままな独り言におつきあいくださいませ。

創作「赤と黒」~新たなるラストシーンPart11~

2012-08-19 20:18:57 | 創作「赤と黒」
今回は 夏休みということもあって
ちょっと早いペースです。(^o^)



実際のドラマのラストシーンを利用して
創作でラストを考えてみました。
妄想の世界を
お楽しみ下さい。

******************************



「なんですって?キム室長どういうことなの?」
テソングループの本社。社長室でテラは思わず
席から立ち上がった。幸い部屋には誰もおらず
取り乱したテラの様子を見られることもない。
「すみません。昨日はいつもと変わりなく
 散歩をされたりリハビリをされたりして
 いらっしゃったのですが…。
 付き添いの看護士の話では昼食をお持ちした
 ときにはもういらっしゃらなかったとか…」
「何が言いたいの?」
「看護士の話では,ふつう散歩に行くにも
 ナースステーションの前を通りますから
 見逃すはずはないと…テソン様が
 ご自分で密かに出かけられたとしか
 考えられないと言うのです。」
テラは受話器を置くと,顔を覆って大きなため息をついた。
切ない慟哭にも似たため息だ。
(ゴヌクが…テソンが…また,消えた。)

ゴヌクの意識が戻ってから しばらくして
父とウン部長とでゴヌクを見舞った時のことを
思い出す。
父とゴヌクは抱き合って涙を流していた。
ウン部長もハンカチで涙をぬぐう。
これが血のつながりというのだろう。
ただ見つめ合い抱きしめ合いそれだけなのに
深く静かな時間が過ぎ,最後は二人とも
穏やかな笑みをかわしていた。
「テソン…許してやってくれ。
 モネを,テラを…
 みんな私が悪かったんだ。」
「…父さん…ごめん。」
多くは語り合わなくても分かり合える
これが親子の絆なのだ。
ウン部長に父を病室から連れ出してもらい
テラは一人ゴヌクに対面した。
「テソン…ごめんね。
 こんなことになって…。
 でも,私…あなたに惹かれたわけがようやく
 分かったの。初めてあなたが家に来たときから
 ずっと私は自分を欺いていたから…
 だから,けなげに振る舞うあなたに
 惹かれたのよ。幼いあなたに。
 あなたのように素直に自分を表して
 生きてみたいと思ったの。
 ありがとう…あなたのおかげで
 私の足枷ははずれたわ。今,私は
 生まれて初めて誰の意志でもなく
 自分の意志で人生を歩いている。」
ゴヌクは伏し目がちだった視線を
テラに向けた。
「…姉さん。」


テラの頬を涙が伝った。唇をぐっと結んで
泣き出さないよう我慢する。
「…ごめん…姉さん。」
「…テソン。」
許し合い姉と弟に戻れた瞬間だった。

事件の後3ヶ月が経った。ゴヌクの体は
ほぼ元通りになっていた。リハビリも
もう必要ないくらいだったが,テラは
この際,徹底的に体の悪いところを
治療するように医者に伝えていた。
無理なスタントのせいで体の至る所を
痛めていた。歩くときに体をわずかに
傾けることがあったのはそのせいだ。

(あと少しで退院という時になって
 いったいどこへ…)
テラは携帯を手に取った。
「…もしもし,カンさん。
 父に内緒で探してほしいの。
 テソンが…病院からいなくなったの。」

最新の画像もっと見る

コメントを投稿