チェイルチョアハヌン韓国ドラマ&韓国旅日記

韓国ドラマだ~いすき!
毎日韓国三昧な日々を過ごしています。
気ままな独り言におつきあいくださいませ。

創作「赤と黒」~新たなるラストシーンPart17~

2012-12-29 23:28:09 | 創作「赤と黒」
お越しいただきありがとうございます。(^-^)

今年も あとわずかになりました。
大掃除もあと少し。ラストスパートをかけねば…
それでは,妄想の世界を お楽しみ下さい。

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3日間 その家に 通い詰めたが
結局 ゴヌクには 会えずじまいだった。
どこかへ 出かけているのか
もしかしたら 別な場所へ
居所を移してしまったのかもしれない。

3日目に 農作業帰りの近所の男が
声を掛けてきた。
さずがに 3日も 通い詰めていたので
気の毒に思ってくれたようだ。
「あんたもソウルから来たのに
 大変だな。この家の息子は,
 一月ほど前かな? 
 いやそんなには 経ってないか? 
 ある日ふらっと 戻ってきたのさ。」
「あの…何か 言ってませんでしたか?
 何で戻ってきたとか…」
男は持っていた籠を地面に置きながら言った。
「いや。口数の少ないやつでな。
 特別なことは なんも言わんかったさ。
 ただ 長いこと家を空けていて申し訳なかったと
 言ってたな。両親の墓も世話できなかったことを
 悔やんでいたみたいだったが…。」
「ご両親のお墓って どこにあるんですか?」

ジェインは男に教えたもらった
ゴヌクの両親の墓へと向かった。
ゴヌクの両親の墓は 開けた小高い丘に
こぢんまりとたたずんでいた。
きれいに草も刈り込まれていた。
ゴヌクが手入れしたのだろうか。
ジェインは 墓の前に来ると
静かにゴヌクの両親に挨拶をした。
そして 墓の前に座ると
墓に向かって話しかけた。
「テソンさんの お父様お母様。
 私 ジェインと言います。
 お父様もお母様も 空から
 見られていたでしょう。
 心を痛められたことでしょうね。
 でも,テソンさんはもっと
 苦しんでいます。もう 許してあげてください。
 これ以上 苦しむことがないよう
 見守ってあげてくださいませんか?
 生きているのに この世が地獄だなんて
 暗闇の中を生きているだなんて
 むごすぎます。彼にとって この世が
 この先もずっとそんな場所だなんて…」
いつしか ジェインの瞳からは 大粒の涙が
流れていた。拭いても拭いても 溢れてきた。
真っ暗闇の中を一人さまよっているゴヌクをテソンを
想うとやるせない気持ちでいっぱいになった。
『夜は辺り一面真っ暗闇で
 どこが空で どこが地か
 光っているのが
 明かりなのか 星なのか
 区別がつかない。
 俺はどこに 向かっているんだ。
 天国か地獄か』
手紙に書かれていた文章が
頭の中で何度も繰り返される。
「お父様お母様。ゴヌクをいえテソンさんを
 救ってください。私,どんなことでもしますから
 お願いです。」
ジェインは地面に額をこすりつけるように
深々と頭を下げ続けた。


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 勝手気ままに妄想していますが
できるだけ ドラマのラストシーンを
生かして行こうと考えています。

 来年も お楽しみに~(^_^)

創作「赤と黒」~新たなるラストシーンPart16~

2012-12-23 23:42:45 | 創作「赤と黒」


お越しいただきありがとうございます。(^-^)

創作でラストを考えてみました。
妄想の世界を
お楽しみ下さい。

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タクシーに乗り 運転手にメモの
住所を告げた。

市街地を抜け 少し山の方へ
登っていく。小一時間ほど走っただろうか。
風景はすっかり田舎の田園風景だ。

住所はこの近くだが 家は特定できないと言って
運転手は車を止めた。ジェインは車を
降りると車一台がやっと通れるくらいの
細い道をさらに登り始めた。
秋の午後の穏やかな風景が
広がっている。家はまばらで 
道から少し入ったところに
ぽつんぽつんとある。

田畑のわきでススキが秋風に
揺れている。小鳥たちが何か
話しかけるかのようにさえづっている。

ここで ゴヌクは育ったのね。
ホン・テラが昨日の電話で
そう言っていたのを思い出す。

「密陽には ゴヌクが育った
 養父の家があるの。
 キム室長から住所を聞いたの。
 今メモしてもらったのが
 その家の住所。」
「テラさん…」
「ジェインさん。お願い。
 生きてていてくれさえすればいい。
 他には 何も望まないから…
 勝手なお願いだけど あなたにしか
 頼めないの。」

生きててくれさえすればいい…。
私の願いでもあるの。
ゴヌク どこにいるの?

そう思いながら歩いていると
道の向こうから かごと鍬を持った
男の人がやってくるのが見えた。
「すみません。」
近づいて声を掛ける。
「この住所に行きたいんですけど…」
男はメモを手に取り ジェインの顔と
交互に眺めながら言った。
「ああ 息子が20年ぶりに
 戻ってきた家だな。
 あんたも ソウルの人かい?
 だけど 今はいるかどうか
 わからんよ。よく留守にしているからな。
 でも まあ 行ってみてごらん。
 ここから 見える あの 垣根の
 向こうの家だよ。」

教えてもらった家は 確かに
最近誰かが住み始めた様子が
見てとれた。
窓や縁側はかなり痛んでいるが
戸口のところだけ妙に新しい
木が打ち付け修繕してある。

「ごめんください。
 誰か いませんか?」
声を掛けてみるが 辺りは
しんと静まりかえり 家の中には
人の気配がなかった。

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 勝手気ままに妄想していますが
できるだけ ドラマのラストシーンを
生かして行こうと考えています。

次回をお楽しみに~(^_^)

創作「赤と黒」~新たなるラストシーンPart15~

2012-12-22 00:14:57 | 創作「赤と黒」


お越しいただきありがとうございます。(^-^)

忙しさにかまけて ついつい 遅くなりがちなこの物語。
秋の設定が 季節の方が追い越し 先に冬になってしまいましたが…。
創作の物語の中はまだ秋のままです。
秋の余韻とともに 妄想の世界を
お楽しみ下さい。

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秋の風が 緑の風景を 吹き過ぎている。
ソウルから KTXに乗り 2時間半弱。
車窓には 地方ののどかな山川,田畑が 続いている。
ジェインは その風景を眺めながら
1年前に訪れた 日本の風景を 思い出していた。
あの時の 車窓の風景と とても よく似ている。
懐かしい声が 聞こえてきそうだ。

密陽駅は そんなのどかな場所にあった。
駅の前は小さな広場になっていて 道の向こうに
交番が見えた。
ジェインは ポケットから小さなメモを
取り出した。
KTXの車内でも何度となく
取り出しては 見ていたので
昨日書いたばかりのメモが
もう くしゃくしゃになっていた。
それにメモを見なくても
そこに書いてある住所は
覚えてしまっている。
しかし,それでも,ジェインは
再び確かめるようにメモの
住所に目をこらした。

ゴヌク…待っていて
あなたが いるところが
天国でも地獄でも。
必ず見つけ出すわ。
見つけ出して 私の目で
あなたの世界を見てあげるから。
…ねぇ,私に聞いてよ。
『どんなふうに見える?』って。
ほら,私の膝ならいつでも貸して
あげるから…。

昨日 ホン・テラから 電話をもらったときには
本当に驚いた。まさか,新しい職場をホン・テラが
知っているとは思わなかったのだ。
「ジェインさん。今から私が言う住所をメモしてくださる?」
ホン・テラは何の前置きもなくそう言った。
1年前は一言一言に嫉妬が見え隠れし
鋭かった口調がうそのように穏やかで
ジェインは少しとまどった。
「テラさん なんのことでしょうか?」
「ジェインさん お願い 黙ってメモして。
 私のとっても あなたにとっても
 大事なことだと思うの。
 それに これは あなたにしか
 できないことだから。」
どこか意味深な口調にジェインは
黙って言われるままに住所をメモした。
「密陽?」
たしか大邱の近くのはずだ。
「テソンがそこにいるわ。」
「…え?」
「テソンに…いえ…ゴヌクに会いに行ってほしいの。」
「テラさん…」
テラは受話器の向こうで
深呼吸した。そして震える声で
こう付け足した。
「ゴヌクを迎えに行ってほしいの。
 今,彼を闇の中から救えるのは 
 あなたしかいないの。
 ジェインさん お願い。
 ゴヌクを…私の弟 テソンを
 助けて…お願い。」
最後はまるですすり泣くような声だった。
「テラさん……。
 ありがとうございます。…大丈夫です。
 私 会いに行きます。」
ジェインの答えを聞いてテラも答える。
「ありがとう。ジェインさん。
 頼みます。」

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勝手気ままに妄想していますが
できるだけ ドラマのラストシーンを
生かして行こうと考えています。

次回をお楽しみに~(^_^)