チェイルチョアハヌン韓国ドラマ&韓国旅日記

韓国ドラマだ~いすき!
毎日韓国三昧な日々を過ごしています。
気ままな独り言におつきあいくださいませ。

創作「赤と黒」~新たなるラストシーンPart6~

2012-04-29 15:12:51 | 創作「赤と黒」

実際のドラマのラストシーンを利用して
創作でラストを考えてみました。
妄想の世界を
お楽しみ下さい。

 今回は 昏睡状態のゴヌクです。



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夢の中だった。
夢だということはよく分かっていた。
いや,途中までは夢だと分からず現実だと思っていた。
頭もしっかり働いていたし,
何より冷静だった。途中までは…





テラを落とすのに 甘い言葉を囁いたり 
キスしたりするのは なんの抵抗もなかった。
しかし,ジェインに責められたときは心が揺れた。
自分とテラのキスを モネとジェインが目撃したときも
モネに見られたことよりもジェインに見られたことの方が
まずいと思った。何に焦ったのか分からないが
とにかく話さなければと思い追いかけた。
だが,面と向かうと言い訳の言葉は口からは出てこなかった。
心のない愛のささやきはいくらでも言えたのに
心から何か伝えようとすると喉がくっついてしまったように
何も言えなかった。こんなことは初めてだった。
あの時に似ていた。
ソニョンが「もう生きていけない。」といったときと…
考え直すんだといくら言っても ソニョンは聞かなかった。
絶望していた。今までやさしくしてくれていたテソンが
家族のあからさまな反対にあって 手のひらを返したように
冷たくなったと…。結婚すると言っていたのに。
もう愛していないと言われたと。
遊びだったのに気づかなかったのかと。
すべてを捧げたテソンからの別れの言葉は
ソニョンにとっては 致命傷だった。
そして,自ら死を選んだ。
やめろと言う自分の数メートル先で
後ろ向きに彼女は言った。
「来ないでテソン。
 貴方をテソンと呼ぶのも
 つらいの。」
「死んじゃだめだ。ヌナ。」
 説得の言葉が思い浮かばない。
 近寄ろうとすると 後ろに下がった。
「やめて来ないで。死なせてちょうだい。」
力なく笑い,さらに後ずさる。
踏み外す足。消えるソニョンの影。
慌てて手を伸ばす。かろうじて掴んだ指先。
「ヌナ…。」
「放して…テソン。愛してたわ。」
自分に声を掛けたのか…恋人テソンのまぼろしに
声を掛けたのか。
それっきり 指先からソニョンの感覚は
なくなってしまった。
もっとしっかり俺がつかまえていれば…。
そうだ。ジェインは手放したくなかった。
突き放しても避けても
なぜだかまた会いたくなった。
また話したくなった。
また寄りかかりたくなった。
心が安らいだ。
ジェインと一緒に見るものの色合いは
どれも懐かしい気がした。道ばたの木々も
道行く人々も街角の路地や塀も。
口にするものも懐かしい味がした。
口の中いっぱいに広がる味。
何の味だろう。涙?
そう涙だ。俺は泣いてるのか?
誰かの顔のような影が浮かぶ。
ジェインの顔だ。
いや ソニョンか?影が揺らいだ。
違う モネだ。俺の妹。
テラの顔に変わる。ヌナ。ごめん。
テラが笑う。
またソニョンの顔になる。
ヌナ。
ソニョンが笑う。
涙が口の中いっぱいに溢れる。
顔が変わった。
…母さん。
笑っている。やさしい母さんの顔。
「テソガ…何しているの?
 泣かないで。貴方には待ってる人が
 いるでしょ。」
母さんが俺の後ろを指さす。
後ろを向くと,ジェインがいた。
ジェインが悲しそうな顔でビルの屋上を向こうの方へと
歩いていく。危ないジェイン。行くな。
ジェインは歩みを止めない。
行くな。ジェイン。早まるな。
君まで失ったら俺はどうしたらいいんだ。
ジェイン。ジェイン。ジェイン。


目が覚めた。
目に映ったのは白い天井だった。


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勝手気ままに妄想していますが
できるだけ ドラマのラストシーンを
生かして行こうと考えています。

次回をお楽しみに~(^_^)

創作「赤と黒」~新たなるラストシーンPart5~

2012-04-08 22:55:16 | 創作「赤と黒」
実際のドラマのラストシーンを利用して
創作でラストを考えてみました。
妄想の世界を
お楽しみ下さい。



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テラは迷っていた。
ゴヌクいやテソンが生きていると 電話を受けてから半日以上が過ぎた。
ショックが大きかったのだろう
昨夜の電話を受けてから急に父ホン会長の具合が悪くなった。
今朝早くから 主治医に来てもらい
つい先ほどようやく容態が安定した。
しかし 用心に看護婦が常駐することとなった。

「お嬢様 少しお休み下さい。」
ウン部長が用意してくれた食事さえほとんど喉を通らなかった。
「モネ様にはご伝言いたしました。しばらく別荘にいるようにと。」
ウン部長はいつも冷静だ。ホン会長が倒れたときでさえ
いち早く救急車を手配し 慌てる家族に落ち着くよう役割を
与えてくれた。あの母でさえ あのときはその指示に従ったのだ。

「ウンさん ありがとう。」

ウン部長はテラの迷いを察したかのように
再び口を開いた。

「テソン坊ちゃまは大丈夫です。何かあればキム室長から
 連絡が入ってくることになっています。
 まずは 会長と お嬢様がしっかりしなくては…。」

「ウンさん…。」

ウン部長はまっすぐテラを見つめている。
幼い頃からずっと見守ってくれた人だ。
母よりもずっと辛抱強く。

「ウンさん。テソンをお願い。
 私には テソンに会いに行く準備が
 まだできないみたい。」

「はい お嬢様。」

ウン部長は力強く頷いた。




ヘシングループの系列病院に ゴヌクを密かに運んだキム室長は
廊下の椅子に力なく座り込んでいた。
運転手のカンは明洞に置いてきたホン家の車を取りに戻った。
手術室の赤いランプをぼんやりと見つめながら
キム室長は最後にテソンに会ったときのことを思い出していた。
シン夫人のしたことを告げたときの
テソンの哀しみと怒りの交錯した表情を。

あの時 シン夫人の企みのすべてを知っていたら…
いつもシン夫人が前のテソンのことを話すとき
なぜか釈然としない違和感を感じていた。
夫が外に作った子であることを恨んでいるからだと思っていた。
そして,実際 長い間 前のテソンは問題ばかり起こしていたのだ。
今から思えばどちらのテソンも不幸な人生を
送ってきたことになる。誰からも愛されることのない寂しい人生を。

自動ドアが開く音に 我に返った。
手術中のランプがいつの間にか消えていた。
医師が出てくる。
キム室長は立ち上がった。

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勝手気ままに妄想していますが
できるだけ ドラマのラストシーンを
生かして行こうと考えています。

次回をお楽しみに~(^_^)