いつも見に来てくださってありがとうございます。
いよいよ創作「赤と黒」クライマックスへ
突入です。^0^
***************************
ジェインは,ふうっとため息をついた。
久しぶりに仕事に全力投球し
今日が日程の最終日だ。
今回の展示は自分でも自信があった。
国内外の現代美術をそのテーマ性に沿って
展示したのだ。来場者数も上々で
クライアントも大満足だった。
その日程も後数時間で終わろうとしていた。
今回の美術館は,さほど広くはなかったが
中央に大きな吹き抜けがあり上部の天窓からは
日が差し込んで幻想的な空間になっている。
この期間中 ここがジェインのもっとも好きな場所に
なっていた。
雪のたくさん降った翌日
仕事から帰ってきたジェインを待ちわびていたように
ウォニンが部屋から飛び出してきた。
「お姉ちゃん!見つけたよ!」
突然のことでジェインは何のことか分からなかった。
「おじさんだよ。今日あたし,見たんだ。
バスの停留所で…」
ジェインはかすかに震える体を支えるように
ドアノブをぎゅうっと握りしめた。
「急いで追いかけたんだけど…見失なっちゃって…
でも,間違いなくおじさんだった…」
予期せず涙があふれ出した。
「…お…姉ちゃん…」
いつのまにかジェインはウォニンを抱きしめていた。
そして涙が溢れるのに任せた。
ゴヌクがいなくなってから
思い切り泣くのを我慢していたのだ。
(ゴヌク…生きててくれてありがとう。)
あの日からゴヌクを探すのを
いったんやめることにした。
生きているのが分かったのだ。
それにゴヌクはこのソウルにいる。
また,ふと訪ねてくるかもしれない。
そう,こんな日差しの暖かな場所。
きらいじゃなかったはず…
物思いにふけっていたジェインは
ふと視線を吹き抜けの先にある
2階の展示室のバルコニーにやった。
ひとつの人影が展示室から
出てきた。なつかしい影。
その影の主は吹き抜けの上部,
日差しの入ってくる天窓をまぶしそうに
見た。そして,日差しを追うように
視線を一階に落とした。
ジェインと目が合う。
ゴヌクだった。
いよいよ創作「赤と黒」クライマックスへ
突入です。^0^
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ジェインは,ふうっとため息をついた。
久しぶりに仕事に全力投球し
今日が日程の最終日だ。
今回の展示は自分でも自信があった。
国内外の現代美術をそのテーマ性に沿って
展示したのだ。来場者数も上々で
クライアントも大満足だった。
その日程も後数時間で終わろうとしていた。
今回の美術館は,さほど広くはなかったが
中央に大きな吹き抜けがあり上部の天窓からは
日が差し込んで幻想的な空間になっている。
この期間中 ここがジェインのもっとも好きな場所に
なっていた。
雪のたくさん降った翌日
仕事から帰ってきたジェインを待ちわびていたように
ウォニンが部屋から飛び出してきた。
「お姉ちゃん!見つけたよ!」
突然のことでジェインは何のことか分からなかった。
「おじさんだよ。今日あたし,見たんだ。
バスの停留所で…」
ジェインはかすかに震える体を支えるように
ドアノブをぎゅうっと握りしめた。
「急いで追いかけたんだけど…見失なっちゃって…
でも,間違いなくおじさんだった…」
予期せず涙があふれ出した。
「…お…姉ちゃん…」
いつのまにかジェインはウォニンを抱きしめていた。
そして涙が溢れるのに任せた。
ゴヌクがいなくなってから
思い切り泣くのを我慢していたのだ。
(ゴヌク…生きててくれてありがとう。)
あの日からゴヌクを探すのを
いったんやめることにした。
生きているのが分かったのだ。
それにゴヌクはこのソウルにいる。
また,ふと訪ねてくるかもしれない。
そう,こんな日差しの暖かな場所。
きらいじゃなかったはず…
物思いにふけっていたジェインは
ふと視線を吹き抜けの先にある
2階の展示室のバルコニーにやった。
ひとつの人影が展示室から
出てきた。なつかしい影。
その影の主は吹き抜けの上部,
日差しの入ってくる天窓をまぶしそうに
見た。そして,日差しを追うように
視線を一階に落とした。
ジェインと目が合う。
ゴヌクだった。