1932年と現在とする平成とが ほぼ交互に描かれる
佐々木充(ささき みつる)と名乗る主人公は 自分の店を持つも経営に失敗し その多額な借金を返す為に 命の最期が近い人間が
高額な謝礼を支払っても食べたいと思う味の料理を作ることを仕事としている
その彼は中国人から奇妙な依頼をされる
行方不明のレシピを見つけろと
石川県出身の山形直太朗は妻の千鶴と共に満州に渡った
希望に溢れての始まりはー
後に彼の命を奪うこととなった
同じ麒麟の舌を持つ料理人
時代は違えど
しかしそれは偶然ではなかった
山形の死の謎
誰が殺したのか
山形なりの抵抗
自分が大切に思う人間を守ろうとした行為
祖父が遺した暗号を解いたのは孫息子
山形を恨みにも思い しかしその思いを超える敬愛
贖罪の気持ち
終盤 全ての謎が解け 依頼人である中国人の動機も分かる
著者の田中経一氏は「料理の鉄人」のディレクター
数多の料理人と出会ってきた方ーと金光修氏の解説にあります