不思議な話 恐ろしい話 いわゆる奇談的な物語
誰も信じてはくれないかもしれない けれど この胸に抱えているモノを想いを誰かに話すことで
何か心の荷物を下ろすことができる キリやケリをつけることができる人間もいるのだろうか
三島屋の黒白の間はそふいふ場所
これまでは三島屋の姪であるおちかがこの聞き手であった
けれど彼女は嫁ぎ
この場所での聞き手は 三島屋の次男の富次郎がつとめることに
絵心ある彼は この聞いても誰にも話さない
これらの物語の印象を絵にすることで 心の区切りをつけている
第一話 賽子と虻
今回の黒白の間に現れた人物は 笑い方を忘れてしまっている餅太郎
年齢も若いのか それとも老人なのか 見た目では見当がつかない
餅太郎が語ったことは・・・・・
貧しい暮しながらも幸せだった一家
餅太郎の姉に良縁が持ち込まれた
しかし相手の家と釣り合うようにと 姉はいったん養女に出て そこから嫁ぐことになる
花嫁としてのあれこれも養家で教わりつつ
それが・・・姉が呪われてしまった
虻の呪い
誰かが妬んで呪いをかけた
飲み物 食べ物 目にするものに虻がいる
姉は弱り 返されてきた
ただ弱っていく姉
餅太郎は 姉にかかる呪いを引き受けようと 姉が「虻がいる」というその水を飲んでしまった
体中に虻が溢れる
そして彼は大きな虻に捕らえられ・・・・・宙を飛んで異世界に連れていかれた
餅太郎の住まう場所の人々が崇める賽子の神様の神域
他人を呪う為に虻の神様の力を利用した者は虻になってしまうーという
餅太郎を攫った虻は 餅太郎の姉を呪った女の成れの果て
かつて餅太郎が自分で作り 賽子神様の神殿に備えた賽子のキリ次郎が この神域での暮らし方を教えてくれる
また餅太郎は 心だけ来てしまっている弥生様とも出会う
様々な神様たちの姿 言動
ところがこの神域での暮らしも唐突に終わりを迎える
人間たちの世界で起きたとんでもないことは この神域にも大きな影響を与えた
元の世界に戻れたけれど 暮らした場所は一変しており
彼は 違う場所へ逃れるしかなかった
話を聞き終えた富次郎は ちょっとした気づきを話す
商家の息子だからこそ言えた言葉
それは少しでも餅太郎の今後の希望になれただろうか
第二話 土鍋女房
船を操り 代々人々を渡す仕事をしている家がある
その家の男は短命だと言う
その家に生まれた娘も兄の仕事を手伝っていたが やはり兄も此の世から居なくなってしまった
妹が兄について語る話はー
次男が先に結婚し子供もできて
兄は嫁はとらない それでいいんだ
などと来る縁談も断っていた
不意に現れた土鍋
客の誰かが忘れていったのか
その土鍋はいつか無くなり・・・・
誰もいないはずなのに 「誰かと」話しているような兄の姿を妹は目にする
また現れた土鍋
蓋を開けると そこには・・・尋常でないモノがいた
それは自分は兄の女房なのだと
それは とうとう兄を自分の世界へ連れていってしまった
第三話 よって件のごとし
水の中で見つけてしまった死体
だがその死体は動き出し 人に噛みついた
首を落として・・・・・
その謎死体もどきの化け物の正体がわからぬ人々の前に 化け物が沈んでいた場所から出てきた娘は 自分たちが暮らす場所に現れる死体もどきについて語った
この不穏な死体もどきの化け物からそこに住む人々を救おうと向かった義侠心に富む勇気ある人々
死体もどき化け物に噛まれた人間も やはり人を襲う化け物になってしまう
救出に向かった人々は 覚悟していたとはいえ 恐ろしい光景を目にすることとなる
何故 化け物は地中から出現するのか
寒い季節
わらわらいる化け物たちとの死闘
嫁ぎ身ごもったおちかの近況
それから働いていた店から実家へ戻ってきた富次郎の兄の伊一郎についても描かれる
今後の三島屋さんからも 目が離せないようです
解説は若松英輔さん
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ごめんなさい