{人間はな 限られた命しかないのに あれこれ考えすぎるんや
世の中には考えてもどうしようもないこともある 開き直って動いたほうがいいこともあるんやで}
とセンセンちゃんは言った
ナナちゃんもセンセンちゃんも 悩んでばかりいる人間をなんとかしてやりたい
手助けしてやりたい
そんな思いでいっぱいになって・・・気がついたら話せるようになってたと
自分たちの声が聞こえる 姿が見える人間は また悩みを持ってる 何かで一押しされたい 助けてほしいという心を持ってもいるのだと
でも人はみんなそうだと思う
こう進んでいいのか 自分は間違っていはしないか そう思いながら生きているのだ
センセンちゃんは多少不恰好でも自分に新しい姿を与えてくれたまりいをシアワセにしてあげたいと思ってくれているらしい
「じゃアタシについていてもダメなんじゃないよ」
そう言うとセンセンちゃんは にまあああああ~~と笑った
夢の中でセンセンちゃんが にまにま笑いを繰り返す
センセンちゃんの顔で夢がいっぱいになる
仏像と飲んだのは初めての経験なので悪酔いしたのか 目覚めると寒気がして気持ちが悪かった
センセンちゃんは 普通の・・・形だけはヘンテコな仏像に戻っている
もしや仏像も眠るのだろうか
シャワーを浴び髭をあたり マッサージをしパックをする 指もクリームをたっぷりすりこむ
化粧ができる肌に整える
野菜を茹でて温野菜のサラダを作り ヨーグルトの中にバナナをスライスして入れる
作り置きのヒジキの煮物を冷蔵庫から取り出す
丸い食パンをスライスし二枚トーストする
と1枚にぱくりと・・センセンちゃんがくらいついた
「熱いお茶とコーヒーとどっちがいい」
{玄米茶がええわ}
木が材料の仏像なのに 食べたものは何処へ消えるのか 深く考えないようにしよう
誰かをシアワセにしたいと言うなら 不格好でも時間をかけて 今のセンセンちゃんの形を彫ったまりいにこそついていてやるべきではないだろうか
アタシの疑問にセンセンちゃんは 気付いたようだ
{心配せえへんでええ これは作戦やがな
女心は難しいもんや
ま なんやな 一番ええのんは食べ物や
うまいもん うまい酒や
まずはうまいもん知っとかなあかんわけや
ぶぉじょれぃにゅうぼうとかいうのんも解禁になったことやし}
多分 ボージョレー・ヌーボーのことなのだろう
センセンちゃんが固有名詞を出す時は 飲みたい・・食べたい・・・ことが多いのだと なんとなく分かってきた
ボージョレー買うことーと頭にメモする