大学を出たばかりの会社員神谷芳雄はカフェアフロディテに通い詰めていた
そこで働く弘子に心寄せていたからだ
だが その弘子に妙な客がちょっかいをかけてきた
異様な風貌の男が気になり 神谷は後をつけ 彼が犬をむごたらしく殺すのを見る
弘子が行方不明になった時 神谷はすぐあの男の仕業と思いあたった
探し当て救いに飛び込んだ神谷は逆に捕らわれる
隙間から彼は 弘子の悲惨な最期を見る
何とか逃げ出し助けを呼ぶが その家は燃えていた
時は流れ 神谷は新しい恋をしていた
弘子の面影宿す女優 江川蘭子
だが 何ということだろう
蘭子もまた 人間豹と呼ばれる恩田に殺されてしまうのだ
人間豹は神谷が相談した名探偵 明智の美しい妻文代にまでも魔手をのばすのだった
異形の男 恩田
熊の毛皮を着せられた文代夫人に猛獣が襲いかかる
さて ここからはネタバレもしてしまう感想です
すわりが良くない話です
人間豹と呼ばれる男は異形の存在のまま姿を消し生死も明らかにされません
女性が 恋人が欲しかったのか
殺したかったのか
人間豹と父親の関係も 父子というだけ
詳しい説明はありません
これが横溝正史であれば 思い入れたっぷりに因縁話
高木彬光ならば理路整然と切って捨てる
いっそ続編ある話ならば すっきりするのですが
推理小説ではありません
扇情小説的読み物です