夢地蔵

田舎の映像作家の備忘録

新潟上越のお気に入りの田んぼ

2018-10-25 20:06:37 | Weblog
今年は新潟県上越の東頚城丘陵一帯を映像で記録しようと張り切っていたのですが、始めたのはいいけれどあの猛暑の夏。とてもじゃないけど炎天下での収録は無理でした。
映像は来年に期待するとして、まだあきらめがつかず奥方の実家へ新米を頂戴に行ったついでにせめてもと一部写真を撮ってきました。EOS20Dはバッテリーがダメになったので息子の元気なバッテリーを借用です。
当然ですが、稲刈りはとっくに終わって晩秋の情景。でも収穫はありました。

これはGoogleEarthであたりをつけたエリアAのベストポイントです。
午前は厚い雲越しの暗い雰囲気で、これはこれで「ありのまま」


午後、再び訪れて待つことしばし。傾いた日差しが雲の合間から差し込みました。

写真としてはこちらの方が私は好きですが、いつもこれで考えてしまいます。めぐり合った場所の、その時のその状況を撮るのがいいのかそれとも納得のいく情景を待っても撮るのがいいのか。カメラマンが幾日も待って撮れずに引き揚げる間際に素晴らしい状況になって、そのとき来た団体客がパチパチ撮っていたという話を聞いたことがあります。いったい写真って、何なんでしょう。

田んぼの中の道を少し進むとこんな丸い田んぼがあります。


いつもとちょっと撮影場所を変えてみました。


脇の高台から。いかにも晩秋ですねえ。


丘の反対側にもこんなすばらしい空間があります。


ここも午後は斜めの日差し。


視線を足元に移すとこんな花が咲いていました。



午前、実家へ行く前は薄曇りで写真的にイマイチだったので帰りにもう一度寄ったのは正解でした。晩秋の夕方の低い光で最高。
日頃思うのですが、写真を趣味にしている人たちはどうして定番のポイントで撮りたがるのでしょう。昔、戸隠の鏡池の紅葉を映像で撮ったときも夜明けと共にお決まりのポイントにカメラマンがひしめいて写真を撮っていましたが、戸隠山に朝日が当たる時間帯を過ぎると一斉に居なくなりました。あそこは夕方になると夕凪で湖面が朝と同じ鏡のような状況になるんですが。ビデオカメラで風景を撮っているとそんな状況に何度も遭遇しました。ついでに言わせてもらうとプロも含めた本気で写真を撮る人はカメラをセットしたらそのまま動きませんが考えの甘い人たちはあっちこっち駆け回って撮っているのが常。観察していると写真に対する姿勢が対照的です。

話を戻しましょう。この地方では山の田んぼは収穫の後水を張ります。学術的には天水田(てんすいでん)といい、溜池の水に頼らず自然の水で稲作をするものらしいのですが確かなことは知りません。地元の人は子のやり方が当たり前で「天水田」という言葉は無縁なんでしょうね。
この水を張った田んぼとはぜかけのための杉の木はこの地方の独特の素敵な風景を作り出しています。

この魅力的な風景を映像と写真で捉える作業は続きます。今から来年が楽しみです。
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