夏のエコー

海3回、琵琶湖3回。


最高の夏でした。



ぼくは、がんが治ってからの方がつらいことが多くて、元通りにならないこと、うまくいかないことがある度に、


「ハァァァアアア〜〜〜。」と長いため息が出て、「なんで助かってしまったんやろ？」と思ってはいけないことを思うことも多く、それを超える「生きててよかった。」のためにこのような夏にしました。



ブラボー。ただ遊んだだけやけど、そこにはとても勇気が必要なこともあったので、よくがんばったと思う。


ブラボー。

質素

もうぼくのセックスの話は全米があきれてると思うけど。


セックスできなくなるかもしれないことを友達にグチグチと愚痴り、「もうほんまにたのしい人生やったからそろそろ死にたい。」と友達に言うと、


「みんな質素なセックスでも満足してんねんで！」と言われて泣いた。


質素なセックスって、何？


包装は地味やけどおいしい饅頭、みたいな感じがする。


包装も、それが入ってる缶缶もキラキラしてるのがぼくはすきなのーーー！！



「でもきっとあっちゃんは乗り越えるんやわ。」と最後に言われてそんな気もしてきた。信じてくれる人がぼくにはいることに感謝したい。



で結局、質素なセックスって、何？

明け方

寝られへんようになってきた。


夜中にハッと目が覚めてもうセックス出来ないかも知れないことを思い出して愕然とし、「夢ならいいのに・・・。」と思ってそのまま朝を迎える。


がん患者がかなり初期に迎えるような状況が今になってやって来た。ほんまぼく、はじめは何にもなかったもんなあ。『遅れてやってきた青春』ってとこか。


ああ〜、別に女になりたいわけでは全然ないのに穴が足りないがばかりに性転換せなあかんようになるかも。


と、午前中からお客さんに「ぼくにとってどれだけセックスが大切か」をせつせつと語ってしまった。


すまん。今夜は寝れそう。



ご清聴ありがとうございました。

あきらめたくない

やっぱりあきらめないことにした。



昨晩はあきらめる方向で気持ちを整理し、残り２つの『お』、特に音楽に邁進することに決めて寝た。そもそも「性欲さえなければもっと音楽がんばれるのになあ〜。」とずっと思ってきたじゃないか、と思って寝た。



朝起きたら死にたくなってた。


まだあきらめる必要なんてないわ。クリップがどんな形状なのかさえまだ聞いてない。


なんで先回りしてあきらめようとするんだろう？


深く傷つきたくないからやろうと思うけど、その時はその時で深く傷つく方がいいわ。



せっかくやし、音楽は音楽で邁進していきまあす。

絶望

ぼくはずっと絶望したことがなくて。


でも、絶望したことのある人はいっぱいぼくに話してくれて。


なにかひとつでも勇気になれたことがあるのかな。


きっと明るいことばかり言って傷つけてばかりだったのかも知れない。


ポジティブって鋭い刃物の時がある。

ほんとうは

セックスに関して、


「出来ないかも知れない。」


と言われました。



「そうですか・・・。」と元気になったぼくが言うわけもなく、「やってみなきゃわかんないですよね？」的な質問をしたら金属が入ってるらしい。



めちゃくちゃショックだった。



切った腸をつなげる時にホッチキスみたいなものを使ってるらしい。自分ならともかく、相手が傷つく恐れがあるならセックスなんて出来るわけがない。


手術をした時は仏になってたし性欲などもなく、なんにも考えてなかったけど、手術の説明に付き添ってくれたのが親じゃなく友達だったら仏のぼくなど無視して、


「先生、セックスの方はどうなるんでしょうか？」


って聞いてくれた気がしてならない。



こんなこと書くと、


「命が助かってんからいいとせな。」


と言われるかも知れないけど、それはいま一番傷つく言葉で、いずれ自分も受け入れていくだろうけど、そのタイミングを他人が早めることなどできない。



ひとつだけ、右斜め上から光が見えていて、かすかで強い光だけど、それについては明日書けたら書きます。

春待ち

病院行ってきました。


再発なし。マーカーも前回より下がってた。よかった。



今回はついに、おセックスについて聞いた。


いつもははっきり言ってくれる先生なのに、「ちょっと・・・ぼくにはわかりませんけど。」とウブっぽいことを言われ、こちらとしては、


「どんなにつらいリハビリでも耐えますから。」


ってくらいの気持ちやったけど、「どんなにつらいリハビリでも耐えますか？」とも言われなかった。



とりあえず3カ月後に内視鏡してから、と言うことに。



すべては春。春よ、我にしあわせを。

起点

今日は年に一度、お世話になった人に誕生日プレゼントを届ける日。


自転車で片道30分の旅。


昨年の今頃はもうしんどくて、クリニックに通ってたけど何かわからなくて、「なんか分からんけどすごいしんどい。」っていう日々を送ってた。一年前の今日、夜道を自転車で走りながら後ろから付いてくる人のことを「通り魔なんじゃないか。」とすごく気になり、普段そういう心配は全くしないのでそんな心配をする自分が自分じゃないみたいで怖かった。今思うともう精神もカラッカラに疲れ切ってた気がする。


一年前と比べたら全てがよくなってる。そもそも今はしんどくない。出来ることも日々増えていく。世の中の雰囲気も一年前はもっと閉塞感があった気がするのはぼくの気持ちのせいなのか。


ここが起点だ。



毎年この日から冬が始まる。

市民講座

行ってきました。


ほぼ満席！先生のスーツ姿見たさに！



松下記念病院の『がん市民セミナー』。



とてもわかりやすかった。ロボット手術についてはなんでも聞いて〜。


手術支援ロボット【ダヴィンチ】で、お米粒に『松』『下』と書く映像の他に、『ま　つ　し　た』と書いた上を通常の腹腔鏡手術の器具でなぞる場合とダヴィンチでなぞる場合の対比の映像があり、「うぉ〜！ロボット手術受けれてよかった〜！」って思った。


松下記念病院では今年1月から始まり、ぼくは院内4例目だったのでほんのちょっと早ければ受けれてなかったのでラッキー。



ダヴィンチは今のところ直腸がん一番の適性で、他の部位のがんの場合では、推奨される場合とされない場合とあるらしいです。



途中で若めの先生が出てきてみんな立って運動の時間があったりと、ぼくもすっかりお婆さんになった気分。



来週予約してる美容院のカラーは紫にするわ。

なつ竹城

「ど〜んと来い。」って気持ちにまたなってきた。


でも、生きても死んでもどっちでもいい、って言うのはぼくをすきでいてくれる人にあまりにも失礼だとわかり、ちゃんと『生きる』と決めて前向きに行こうと思う。でも、


「ちゃんと『生きる』と決めて前向きに行こうとした矢先のことでした・・・。」ってなっても困るからこう言うのはほんと難しい。まあ自然にしてるしかない。


今朝もエロい夢見たし大丈夫と思う。顔も一時は「コレどうしよう・・・？」って思ってたけどちょっとずつ戻ってきてる気がするし。「ちょっとずつ戻ってきてる気がした矢先の・・・。」それいちいち言うのんやめて！




そんなことより夜はまた涼しいよ。夏の終わり。音楽家はみんなこの季節がだいすきでみんなたくさん曲を書いた。もうすぐスズムシ鳴いたり。ぜんぶ貴重。うれしい。