島の夜は早く島の朝も早い。
島にいると地球と呼吸がピッタリ合う。
早起きして海へ。
岩陰から太陽が昇り、朝の海に足をつける。
雨は一滴も降らず阿嘉島のニシハマビーチで泳ぎ、もう一度橋を渡って慶留間島へ戻る。
島を去るまで後2時間。
自転車を止め大きな岩山を見上げる。
もうなんだか離れがたい気分になって、ひとりそこで過ごすことにした。
岩山の頂上まで登るルートを何度も何度も目で探しながら気持ちで登る。
頂上付近に差し掛かった時、蝶々が2頭飛んでいるのがはっきりわかった。
何度も何度も島にお辞儀をして港へ行った。
「ぼく来世は蝶々になって慶留間島で生きるわ。」
港で待ってくれていたさやかにそう言った。