ニッキ-通信 ~盲導犬ニッキ-のお母さんより~

盲導犬ニッキ-と私の日常。要援護者・障害者の防災について紹介します。

新しい東京駅のスレート瓦

2012年09月29日 | 日記
新しい東京駅のスレート瓦

東京駅の新しい易者の屋根のスレート瓦を石巻のおがつという街の瓦業者が請け負っていた。
 昨年の3.11の大震災で工場も瓦もみんな流されてしまった。
  しかし その内の7割の1万5千枚あまりを 関係者やボランティアが瓦礫の中から
見つけ出し  一枚一枚泥を洗って
納入したという。
全てが流されたというのに どうしてこの 多くのスレート瓦が残されたのか とても 不思議。
心がほかっと温かくなる話だ。

 さて 今日は ある視覚障害者の団体が防災のセミナーを開いたので参加してきた。
 今日の太陽はギラギラ。ものすごく暑い中を
ニッキーと出かけた。

 受付のくじで手回しのラジオが当たった。何と珍しい幸運。
 
 さて 今日のセミナーの中心は 視覚障害者の避難所における自分のあり方。
障害を明らかにするかどうか これが難しい点だそうだ。

 大震災から1年3ヶ月が過ぎた頃 日本放送では
視覚障害者が避難所などでいかに大変な思いをして暮らしていたかを世に問うドキュメンタリーを制作。安心して暮らせたかどうかをテーマの良い作品に仕上がっている。名前は名前を忘れたが 名誉ある賞を貰ったそうだ。
しかし 放送されたのは 何と真夜中 。これでは 誰が聞いたと言うのだろう。

 そこで改めて  この放送番組を皆で聴いて そこに提示された問題点を話し合った。
ニッポン放送の耳なじみのある報道番組のキャスターも参加された。ラジオで
論点はこうだ。

もう 腐るほど語られてきたこと。
 個人情報を守って欲しいと願う障害者と
 それを 盾に 個人情報を握って 開示しようとしない行政の姿勢だ。

東日本大震災でも 住民の個人情報を早く開示して 救助の役に立てた自治体と そうでない自治体があった。
視覚障害者の全国団体でも 懸命に視覚障害者の安否を調べようとしたが 団体に加入している人は1割くらいなので 調査は困難を極めたそうだ。
 そこで司会者は 情報を開示したとき 何か不都合が起こるであろうかと投げかけた。
 聞いた話だとして 振り込めさぎにあうかもしれないとか
白状を見て お金を取られたとかの伝聞が話された。
おかあさんは 開示することで かえって差別をうけるといいうことが無いとも限らないと想うが
実際は マイナス要因は少ないと考える。
内閣府は 命にかかわる災害などの場合 個人の承諾無く個人情報を開示しても良いとの見解を出した筈。

 いつまで こんな議論をやっているのだろうかと ちょっと うんざり。

しかし この段階を超えない限り 先に進めないのが現実だ。
 しかも 自分の障害を他人には知られたくない人が意外に多いと聞く。
避難所では杖を使わなくても良い弱視の方が杖を持つ全盲者よりもつらい避難生活になるとのこと。
周りの避難者に知ってもらって 協力を頼まないと避難所生活は出来ない。
 大災害になるほど 周りの人の力を借りなければ生き抜けないのだということを しっかりと自覚することが
成熟した人間の取る道だと想うおかあさん。
災害や防災に関して沢山勉強をして 健常者をリードできるくらいの視覚障害者になりまししょう。