犬ですか?
先日、京浜東北線の社内での出来事だ。
空席に座って、おかあさんはいつものように少し膝を開いてその中にジャネットをすっぽりと座らせた。ジャネットは慣れているから、まるで機械仕掛けのようにおかあさんのテリトリー内に収まった。
すると、隣の初老の男性が声を掛けてきた。
「犬ですか?」
そこで困ってしまったのは犬のお巡りさんならぬ犬のおかあさんだ。
一瞬、二瞬 当頭の中は疑問のマークで一杯になってしまった又、聞いてきた。「犬ですか。」
おかあさんはどもりながら「盲導犬ですから犬ですよ。」すると、その方は口の中で言葉にならない音を発して、立ってどこかに行ってしまった。
ここでおかあさんの悩みは深くなった。どうみても犬だと思うが、あの方はあの質問を発して、おかあさんからどんな答えを引き出そうとしたのか。
とっさに考えたのは、もしかして 犬のアレルギーがあったのか
2.もしかして、ちょっと認知に問題があったのか
この二つがとっさに浮かんだものだ。
あとで考えてみたのは
③盲導犬ですかと聞きたかったのだろうか
④あまりに見事におかあさんの膝の中に納まったので、もしや、ロボット、いや 今話題のAIロボットと思ったのだろうか
⑤いや それとも 犬以外の何らかの動物かと思ったのか。
などである。
犬や猫 熊 いたちは元々一つの動物から派生してきたと言うが、それでは 犬ですかと問われ 黒いたちですと答えたら良かったかな。
何とも禅問答の午後であった。