ゆいもあ亭【非】日常

映画や小説などのフィクション(非・日常)に関するブログ

本当に荒っぽいぞ、クォーターマスせんせい!!(その②)

2010-05-02 | 映画
宇宙からの侵略生物

これまたブライアン・ドンレヴィのクォーターマスせんせいが大活躍です。

本当にロケット工学が専門の教授なんでしょうか?
どなたかが、どこかで書いていらっしゃいましたが、ギャングの親分にしか見えない風貌で、プロの諜報部員も真っ青の潜入捜査を平気で実行しちゃうんだから驚きです。

冒頭偶然の出会いからそうとは知らず「隕石」(実は小型のロケットというか、大気圏突入カプセル)に「乗って」やってきた「侵略生物」が取り付いた男とその恋人に出会う(もちろん、その段階ではそんなこととはさすがの強運教授も知らないが)。そして、その事件の地、怪しい隕石を拾った街の名をクォーターマスせんせいは聞く。自分の研究所に戻ると折りも折、大量の隕石の落下を所員に報告される。その地域が先の恋人たちが事件に遭ったところ。クォーターマスせんせい、月基地計画を政府筋に反対されて腐っていたところだったが、さすが気○がい教授の面目躍如で異常を嗅ぎ付ける。訪れた件(くだん)の街外れにはせんせいのイメージ通りの「ドーム都市状月基地」が存在したのだ。何年かにわたって少しずつ宇宙空間から降下し、一部は人間を操り、大半は「ドーム」の中で巨大な群生生物と化していた侵略生物。人間が、月面では、宇宙服を必要とするように人間を身にまとい、「月基地」を必要とするように「ドーム」の中を自分の星の大気成分に調整していたのである!

そんな感じの話なのですが、せんせい、またまた無茶をやります。原子力エンジン搭載で実用的には大問題、有人ロケットとしては使えない開発途上のロケットを核ミサイル代わりに軌道上の侵略宇宙船に発射したりしちゃいます(研究所が襲撃され、瀕死の助手くんが死の寸前に発射するのですが)。

切れたら何やるかわからないパワフル主人公、しかしその無茶な行動が必ず効を奏すという点では、イギリス人ながら、後の「スター・トレック」のカーク艦長の大先輩というべきかも知れません、クォーターマス大せんせいは!

少しは成長したか、クォーターマスせんせい!!(その③)に続く。

惑星デントって、なんか元ネタあるのかな?

2010-05-02 | 映画
大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE

ウルトラ・シリーズ関連の全設定がてんこ盛り! どこかで読んだか聞いたかした気がするものの、元来のテレビ・シリーズでは統合し切れていないあれこれの設定を継ぎ接ぎにし、超豪華に映像化したお祭り大作です。

「ウルトラマン」のシリーズの続編であると同時に、実質的には外伝的要素の強い「ウルトラ・ギャラクシー 大怪獣バトル」及びその続編「ウルトラ・ギャラクシー 大怪獣バトル NEVER ENDING ODYSSEY(ネオ)」の続編になっている。

太古に宇宙に君臨したというレイブラッド星人の負の遺産たる怪獣コントロール装置「バトルナイザー」。それを用いてゴモラやリトラらとともに、レイブラッドの後継選びという運命に打ち勝ったはずの地球のレイオニクス(レイブラッドの遺伝子持つ、あるいは植えつけられた者)であるレイ。そして彼の仲間であるZAP SPACYのスペース・ペンドラゴン・チームが登場する以外は、ヒビノ・ミライ(彼は自らそう名乗る!)、ウルトラマン人間体(ハヤタとは名乗らない)、ウルトラセブン人間体(モロボシ・ダンとは名乗らない)の三人のM78星雲人の地球人体が登場するが、M78星雲人は光の巨人誕生の歴史(プラズマスパーク・タワーの建造と、その影響で皆が変身してしまうところ)の場面以外ではすべて「ウルトラマン」または「ウルトラウーマン」である。その他、本編で行方不明になったままだったウルトラマンダイナ=アスカ・シンが登場するが、これは元来光の国のウルトラマンとは違う時空の存在で、それこそ「ウルトラ・ギャラクシー」において異次元怪獣ブルトンが介在することにより崩壊したパラレル・ワールドの境界という設定のためである。

それでも、「ダイナ」最終回からアスカの帰りを待っていたリョウに、セリフだけとはいえ「お帰り!」と言わせしめた「超ウルトラ8兄弟」といい、本作といい、失踪という不遇なエンディングのアスカ・シンはそれゆえに作り手に二次創作的楽しみをもっとも提供しているといえそうだ。

そういう点ではハヤタの姿でウルトラマンがレイに礼を言うところは、テレビ・シリーズ「ウルトラギャラクシー大怪獣バトル」において石化した謎の巨人として彼にテレパシーコンタクトし、最終的には救われていながら、人間体では交わらなかったことから、やっと言えた2度(セブンの分も入れれば3度)目のお礼ということになり、こんな配慮も憎い。

ネーミングではM78星雲→獅子座L77星(ウルトラマンレオの出身星)という、Mが「メシエ星雲・星団目録」を編んだフランスの天文学者シャルル・メシエの名前の頭文字だということを無視した安易な変換をわざわざ踏襲、レオとゼロの修行場にK76星などという名前を与えたセンス、ウルトラの父・母の本名がケンとマリーだという突然の思いつきとしか思えない信じられない名づけも含めて楽しませてもらった。

ただ、惑星ボリス(ボリス・カーロフ)、ヴィンセント島(ヴィンセント・プライス)、ベラルゴ・シティ(ベラ・ルゴシ)、惑星ハマー(ハマー・フィルム・プロダクション)という具合に怪奇映画関連で続いてきた「ウルトラ・ギャラクシー」の名づけで、今度わずかな時間だが意味ありげに登場した惑星デント、デントってなんだぁ? 元ネタわからん。

と、まあ、楽しみましたが、

実写初のウルトラ大群衆劇、やっぱり「仮面ライダーDeCaDe」のライダー大戦の影響でしょうかね?