ゆいもあ亭【非】日常

映画や小説などのフィクション(非・日常)に関するブログ

悲願達成寸前はよいけれど……。

2009-03-02 | 映画
九十九本目の生娘

聞きしに勝る、凄い映画でした。

差別的表現と偏見に満ちた秘境怪奇譚。

舞草一族の長と怪老婆の存在感に圧倒されるだけでも見る価値はある。

東京から来た女給をかどわかし、その生き血で刀を鍛えた上、鍛え損ねて、失敗したのは生娘じゃなかったからと、まあ乱暴な話で、

見りゃあわかりそうなもんだわいなぁ、と。

なかなかの人格者である白山神社宮司の弓削部先生の飄々とした態度と、舞草の娘あざみの幼く情熱的な恋情の、微妙な絡みもよいし、

警察官役の文太さん若いよ、と感動もして、

それにしても九十九本目の悲願ってなんだったんだろうと、

とにかく辻褄なんて考えちゃいけない映画です。

差別や偏見に満ちてみえますけれども、それはある意味日本の厳然たる一面でもあるのだし、(ここまで歪んでなくても、いまだに因襲はあるだろうかとも思うわけで。)

つまりは、正規版DVDのリリースを望みます。