Chance is with the music

音楽を糧にしつつ、日々を過ごしてます(家主:yucca)

GRAPEVINE@なんばHatch

2007-05-27 23:46:32 | LIVE
その音の良さは奇跡。そんな評判まで耳にするなんばHatchで、どのバンドよりその音に酔いしれたいと思うバインのライブを観ることは、私にとって叶えたい夢のひとつでありました。なので、今ツアーでHatchが日曜の日程と判明したときは、ほとんど迷うことなく遠征を決意。幸い、バイン相方のTさんも意を共にしてくれたので、大変心強い大阪行きとなったのでありました。

朝から大阪をうろうろした後、開場時間にあわせてHatchに到着。そしてわくわくしながら入場しフロアに足を踏み入れた瞬間、その独特のつくりに驚かされました。天井がとても高くて、壁はまるでホールのよう。思ったより広すぎないので後ろでもステージが近い。すっかり舞い上がり状態の中、Hatch経験者のTさんに導かれて位置どったのはフロア後方の一段上がったところの2列目・もちろん上手側。この部分がまた、他のライブハウスより「一段」の高低差が高いからステージがよく見える。すごい、これはすごいぞHatch!

開演時間を5分ほどオーバーしたところで、いよいよメンバー登場。もうすっかり聴きなれたはずの出囃子の音にも、今日ばかりは心躍らずにはいられません。さあ、今夜はどんな音が聴けるのか。そして始まった、ランチェロ’58。

・・・うわあああ、確かに音が違う!音が前から来るんじゃなくて、ハコ全体から聴こえてくる。いや聴こえるというよりむしろ音に包まれる感覚。それでいて余計に響くことがない。これはもはやハコではなくホールに近い感覚というべきか。あの空に突き抜けるようなランチェロの音が、いっそう心地よく耳から体に染み渡っていくじゃありませんか。やばい、あっさり鳥肌立ちすぎだ自分。

そして続くスレドニ。ここでは一転してギターの音がいつも以上に強烈に刺さってくる。これもハコのせいなのか、それとも西川さんのプレイのせいなのか。たぶん両方なんだけども、とにかく一音一音聞き逃したくないと本気で思わされました。ここまで2曲、あまりにも音に意識を持っていかれすぎたせいで、ステージ上をじっくり眺める精神的余裕はほとんど無し。

で、シスターあたりでやっと5人をゆっくり見渡すゆとりが生まれたと思ったら、4曲目のYellowでまた「うわあああ!」と面食らわされましたよ。間奏明けでサビに入るところの、いつもなら西川さんのリフを一発入れるあの場面で、なんとリフを入れずに全員でセッション風につないでから、さらりとサビに入るという。あまりの憎いアレンジに、完全にやられてしまいました。いやあYellowは何がどうなっても間違いなく最強曲のひとつだなあと、改めて実感。

最初のMCでは、田中氏から「大阪880万人の食いだおれ野郎どもよ!」と今日もありがたいお言葉を頂戴しました。人形焼き野郎より食いだおれ野郎と呼ばれるほうがうれしいです、なんとなく。

そして今日いちばんのハプニングは、いきなり序盤に訪れました。ナツノヒカリ→放浪フリークの後にはじまった南行きの冒頭にて、あのカッコいいイントロのギターに酔いしれて、さあ歌が始まるぞーと思ったそのとき。田中が突如2番の歌詞を口走ったかと思うと、そのままもごもごもごもご。それだけならまあ良しとして。そこで笑いの起きたフロアに向かって、田中がひとこと「あほおっ!」ですよ!自分が間違えたくせに、歌詞を思い出す前にお客にあほとか言うな、どあほー!(←暴言)

そんなわけで完全に1コーラスぶんの歌詞を飛ばした後も、南行きの間はさすがに集中切れていたかなーという感じの田中氏でありました。いや、あれはあれで面白かったしレアな場面だったと思うのですが、やっぱりカッコいい南行きを聴きたかったかなー。

AXや横浜と比べセットリストではっきり変わったのは2点。GraveyardをカットしたこととEverymanを追加したことでした。しかし細かいアレンジとか変えてきた曲は多数。なんつーか全体的に、これまで中途半端だった部分を、押し出すにしろ引っ込めるにしろより明確にしたような印象というか。それゆえ、各自のプレイも今回はめちゃめちゃ堪能させてもらいましたよ。特に亀ちゃんは、今回相当ドラム大変なんじゃないかと思うんですが、めちゃめちゃいい仕事してますね。

西川さんは一体どれだけ頭と手足を駆使すればあんなプレイができるのですか。今回もソロの場面で4回ほど殺されかけました。いつか本気で殺されるような気がしますが、いいです本望です。

しかし演奏は鉄壁だったのに、田中ボーカルが微妙に本調子ではなかったのは悔やまれます。いや、ある程度のレベル以上の歌はがっちり聴かせてもらえたのだけど、特に序盤は高音にずいぶん苦労していたりして、3、4年前の田中氏を思い出してしまいました。やっぱりここにきて長旅の疲れが影響しているのではないでしょうか、ちょっと心配。

FORGE MASTERから指先に入るところで、フロアから物音ひとつしなかったのは素晴らしかったです。あの空気で指先が聴けて本当に良かった。これまでどの会場で聴いた指先より、この日がいちばん心身に染み渡ったような気がします。

で、指先が終わり余韻に浸っていたそのとき、田中氏から思いがけないひとことが。「今日はメンバーにもしゃべってもらおうと思います。まずは、アニキから!」ええええ!?今回どっかの会場で1度しゃべったとは耳にしていたけど、まさか今夜またその機会が巡ってくるとは。やーもううれしいんですけど!つーか西川さん、何しゃべるの西川さーん!?

そして以下、メンバーMC。

西川「えーこんばんわー・・・特に長々としゃべることもないので、亀ちゃんお願いします。」

亀井「ツアーも残すところあと2本となってしまいました・・・えー頑張っていきたいと思います。」

金戸「大阪イエー!(客席からイエー!)・・・大阪イエー!(もう1度イエー!)」

・・・ええと、マジで3人でこの程度しか喋りませんでした(爆笑)あなた方は朝礼の挨拶をめんどくさがる日直の中学生か!(←意味不明)

で、最後に田中氏が背中を向けている高野さんに向かって「イサオせんせーい?」と呼びかけると。高野さんは返事代わりに、あのノイズなのかなんなのかわからない例の音をシンセで鳴らして。そしてそのままI must be high!なんですかこの計算された憎い演出はもう。こういうのってたぶん、長いツアーだからこそ生まれてくるものなのでしょうねきっと。ああ、ロングツアーさまさま(と言っても20本ちょいですが)。

あとはいつもの終盤の曲順を一気に。Scareは、Aメロでの田中氏の上半身の動きが大好きです。思わず同じ動きをしたくなります(←馬鹿)。そうだ、終盤で印象深かったのがFLYですよ。今までより気持ちBPMが早くなっていて、少し軽めの音になっていたのですが、これがScare→FLY→その未来、の流れに乗っけると実に良い感じで、なんだか目からウロコでした。兄さんたちってば、ツアー中にどれだけ進化してるんだろうかとつくづく思わされた瞬間。

本編ラストのSmalltownを堪能し、メンバーがステージを去ったところでTさんと一旦退却。最終の新幹線に乗るためにあまり時間に余裕がないとわかっていたので、とりあえずロッカーから荷物を出し、アンコールは一番後ろで見ようと決めていたのです。ものすごく視界良好な位置にいたので未練はありましたが、これだけ堪能したのだから贅沢言っちゃいけませんよね。

そしてアンコール1曲目なのですが。今日はいつも以上に口の悪い田中氏からの「お前らにこの曲をくれてやる!死ねこれで!」という非道MCからは、予想もつかなかったまさかのイントロ。え・・・Good by my worldじゃないっすか!きゃーーーー。

Good by my worldは個人的に大好きな1曲。いくらHatchといえど最後方はずいぶん音も視界も悪かったので、冷静に目を閉じて音に聞き入ることができましたが、本編で位置どっていたあの場所で聴いてたら、本気で泣いてしまっていたかもしれません私。ああ良かった、後ろに下がってて。無事に東京に帰れなくなるところだったかもしれなかったから。

で、君を待つ間をはさんでラストは・・・きたきたきた、HEAD!やったあ、アレが今日も聴けますよ!というわけで間奏のソロコーナーに胸躍らせることしばし、そして田中が今日も叫ぶ。「さあ今日は誰行ってようかなあ、誰行ってみようかなあ・・・大阪やから、オレー!」またか、またオレなのか(笑)大阪だからという意味がわかりませんが、面白いからOKです。で次は?「次は誰行こうかなあ、もういっぺんオレーー!」

・・・田中氏、やりたい放題(爆笑)いやあ今日の田中は男前というより、ひさびさに愛すべきバカモードでしたね。何だかんだ言ってもロックスターのはしくれですもの、たまにはこうでなくっちゃ。

そんな感じで、最後に大いに笑わせてもらってついにライブ終了。しかし余韻に浸ってるヒマは我々にはありません。何せ最終の新幹線に間に合わなければおおごとなので。というわけでTさんとすみやかにフロアを脱出すると、いざ地下鉄へ!と小走りになったその時、目に飛び込んできた物販横の貼り紙を見て、絶叫。

じゅ、10周年アニバーサリーライブ!?大阪城野音、9月29日!?きゃーーーーー!

小走りのままで慌ててチラシをスタッフさんからいただき、そのまま騒ぎながら地下鉄に乗り込むと、Tさんと「こんなのMCで発表しなさいよ田中!」「どこまであまのじゃくなんだ!」と毒を吐きつつ、もちろん大阪城野音に参戦を即決したのでありました。

というわけでいろいろあったけど、Hatchまで遠征した甲斐はじゅうぶんすぎるほどあった、素晴らしいライブでした。また次回以降のツアーでHatchでやることがあれば、かなり前向きに遠征を検討しようと思います。やばい、バイン大阪遠征ってくせになりそうだ。「アリガット、オオサッカ!」はやはり生で聴くに限るということでしょうか、ふふふ。

さあ、残るはツアーファイナル@新木場COASTですよー!東京でお帰りをお待ちしてますからね兄さんたち。当日はもう煮るなり焼くなり好きにしてください、よろしくお願いします。

コメント (2)
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