一般前売りではチケットが買えず、無理して探してゲットできたチケットの期日が、ナント今期最悪の厳冬日11日(木)。完全防寒にマスク姿で行って来ました。チケットは完売だとかで連日立見席目当ての列が出来るこの公演。さぞや客席は熱気ムンムンと思いきやそれ程でもない。でもいつもより圧倒的に女性、特に原作者「萩尾望都」さん時代の愛読者世代だと思われる40‐50代が目立った。
ジジは少女コミックなるものは一度も読んだ事もないし、劇画とも縁が無い世代。今までも「るろうに剣心」や「ルパン3世」&「ベルばら」なんかの舞台は見ていません。でも今はコノブログに書きたい一心で今回初めて観ました。
ウーンなんて言ったらいいのか。現宝塚一番の作者で演出家、小池修一郎さんが入団以来いつかはと温め続けてきたコノ題材をどのように2幕35場の大作に展開するのかと言う興味が先行。それと現時点で最適役と言われる「明日海りお」さんがどう演じるのかと言う興味とで何となく落ち着かない気分で1Fセンターの見やすい席につきました。
梗概は「宝塚公式HP」から拝借したものをごらんください。と言っても1972年から始まり最近も最新作が出たと言う、永遠の命を繋ぐバンパネラ(吸血鬼の一種か?)のポー一族の膨大な長ーい物語。2時間30分に纏めるのは大変だし、数ある場面の何処を取り上げるか課題が一杯あった事と推察します。
永遠の時を生きる主人公のエドガー(明日海りお)とエドガーにバンパネラの一族に引き入れられるアラン(柚香光)が年を取らないバンパネラとして生き続けるまでの物語は恐らく連載物として多くのエピソードが綴られているのであろう。
そのせいか取り上げられた部分だけではコミックを一度も読んでない人々には全体像が判りずらいし、又歴史や社会の変化に伴う山場がこれと言って見当たらないから、何だかもう一つピンとこなかった。
主演の明日海りおさんは確かにビジュアル的にはピッタリで演技歌唱とも適役だったし、柚香光さんにも同じ事がいえる。座付き作者らしく多くの配役で生徒を生かしていたが、これでもかと主役だけを見せるのではなく、男爵役の「瀬戸かずや」さん、その夫人役の「仙名彩世」さん、医師役の「鳳月 杏」さんも見せ場たっぷりで活躍。
ポー一族の長老役「一樹千尋」さんの存在感が大きくバンパネラがあたかも実在したかの感を抱かせる演技で流石。ベテランの高翔、飛鳥、花野さん達の支え、若手の水美、華、和海、天真、優波、飛龍さん達の溌剌とした演技、それ以外にも役の付いた生徒さん達熱演アリガト。今回作曲の太田健さん、素晴らしい楽曲で感銘を受けました。それと音響効果が特によかった。生徒の皆さんお風邪を召さないように!
只前述した様に大きな物語の山場が無いので、強いて言えば大きなクレーンに乗り天空の彼方か、次世代にかへ天かけるエドガーとアランの場面でThe endにした方が判りやすいと思う。永遠に年を取らず若いままの姿を見せるための「ケルン」の場面は蛇足。
ミュージカル・ゴシック 『ポーの一族』(宝塚公式HPより)
原作/萩尾 望都「ポーの一族」(小学館フラワーコミックス)脚本・演出/小池 修一郎
永遠に年を取らず生き永らえていくバンパネラ“ポーの一族”。
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