くりぃーむソ~ダ

気まぐれな日記だよ。

狼おとこ(17)

2022-02-25 21:52:50 | 「狼おとこ」
 トーマスは、泣きながら歩き去るダイアナに、なにひとつかける言葉もないまま、ほかの三人と共に、しばらくその場に立ちつくしていた。


 夜、仕事を終えたアリエナの父、ケントは、グリフォン亭の一角にある居間にいた。食堂の喧噪も嘘のようにかき消え、泊まり客と使用人をのぞき、ゆったりと落ち着いた時間を乱す要因は、なにひとつなかった。
 ビロード張りの椅子に深々と腰をかけ、じっくりと、味わうようにブドウ酒を飲んでいた。
 そこへ、目を赤く腫れあがらせたアリエナが、燭台を手にしながら、ゆっくりと近づいてきた。
「おや、アリエナ、まだ寝てなかったのか。夕食にひと口も手をつけていなかったが、なにかあったのか」
 アリエナは、ケントの後ろにある赤々と燃える暖炉の前に立つと、言った。
「お父さん。あたし、友達から聞いたの――」
 グラスを運ぶケントの手が止まった。
「お父さん。エレナさんと、再婚するんですってね」
「おまえ、それを誰に――」
 アリエナは暖炉の上、小さな額に入れてある写真を手に取ると、燭台の炎をかざした。
 写真には、にっこりと微笑む女の人が写っていた。明るいその眼差しは、アリエナの眼差しとそっくりだった。
「お母さん……」
 アリエナは思わず声を洩らした。その声は、はっきりとした悲しみを含んでいた。
「アリエナ、すまん。もう少し時間がたってから、言おうと思っていたんだ
 おまえ――」を傷つけるつもりはなかったんだ、と言いかけたところへ、アリエナがきつい口調で切り出した。
「お父さんて、いつもそう。もう決めてしまっているのに、もうわかっているくせに、その時がくる直前まで、なにも教えちゃくれない」
「悪かった。許してくれ。そんなつもりじゃなかったんだ」
 ケントはグラスを置くと、アリエナのそばに寄って来て言った。許してくれ、とつぶやきながら、そっと両手を広げた。抱き寄せようとしたその手をすり抜け、アリエナは抗議の色をたたえた目で父親を見た。

「いくら謝ったって、お母さんは帰って来やしないわ」

 アリエナは居間を飛び出すと、力まかせにドアを閉めた。
 ケントはなすすべもなく、ただぼう然と、喉がからからに乾くのを感じながら、立ちつくしていた。
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よもよも

2022-02-25 06:00:34 | Weblog
やれほれ。

ヨーロッパが大変なことになってるっていうのに、

デジタルに変える前に使ってた

アナログの電話ソーラー腕時計。

外に出しときゃいいだろ。

思って使わないまんま引き出しの上に置きっぱだったんだけど

何気なく目に付いたんでひさびさ見てみると、

??

秒針は動いてるけどぜんぜん違う時刻を指してる・・・。

10年は経ってないけど、しばらく使ってたからそろそろ寿命か??

思ってはみたけどそんな簡単に壊れんだろ??

使い方説明書探しても見つからないし、やっとこネットで見つけて

時刻合わせ試してみたけど、

ボタンまでおかしくなったのか1ミリも動かない。

しばらくあれやこれやいじり倒して、

そのうち意味の無いアラームが鳴り出して止めるのにまたひと汗かいたりして、

結局、カーテンの向こうの窓枠のスペースに日中置きっぱにしといたら、

復活してた・・・。

思わず頭の中でLISAの曲が流れてたもんな・・・。

日の呼吸はやっぱ最強だわ。
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