くりぃーむソ~ダ

気まぐれな日記だよ。

狼おとこ(8)【2章 山】

2022-02-16 20:00:29 | 「狼おとこ」
         2 山
 鬱蒼とした白樺の林だった。山の涼風に吹かれ、たくさんの梢がさらさらとそよいでいた。まだ細い、高さもそれほどない木ばかりだった。力のある男なら、斧で簡単に切り倒せそうなものばかりだった。
 二人を乗せた馬車は、この林に来る途中、少しばかり広くなった道の最後で、引き返していった。その先は、人が一人楽に通れるほどの幅しかない、ただ、草を刈っただけの道しかなかった。
 道は、かなり奥まで延びていた。山の麓にあるせいか、ゆったりとした傾斜がついていた。慣れているオモラでさえ、うっすらと額に汗を浮かべていた。
 オモラの家は、白樺の林の中、突然のように光りがまぶしく射しこんでくる、大きく開けた場所にあった。レンガではなく、寄せ集めてきたような木で作られた、平屋だった。この家が建てられる以前は、それこそ立派な建物があったらしく、石造りの門柱、そして頑丈な土台が、草やコケに覆われながら残っていた。
「さあ、お入りよ」
 オモラは軋むドアを開け、中に入った。薄暗い部屋は、木のいぶったような匂いがしていた。
 少年は戸口のところで戸惑っているようだったが、ゆっくりと、恐る恐る様子をうかがうように入ってきた。オモラは少年を目の隅でとらえながら、そそくさとローソクに火を灯した。
「そこいらの椅子で休んどいとくれ」言いながら、窓を開けた。「山ん中は暗くてね。昼間でも明かりが必要なのさ
 あんた。グレイ、とか言ってたね。馬車の中では口ごもってたけど、どっから来たんだい――」
 グレイという名の少年は、黙ってうつむいたままだった。
「――なら、歳は?」
 十、三です。と、話したくないことを、無理矢理言わされたように言った。
「へぇー、いいこと教えてもらったね。あんた身なりだけでなく、頭も弱ってると思ってたけど、言ってる意味はちゃんとわかってるんだね」
 よしよし、とうなずいて、オモラは話を続けた。「あいにくこの家は見たとおりのぼろ屋で、ろくに部屋もないから、あんたは屋根裏を使っておくれ。
 けどね、ただで泊めてやるとは、あたしは約束しちゃいない。明日から、ちゃんと働いて、その稼ぎで宿代は払ってもらうよ。
 それで、いいだろうね」
 少年はあの戸惑ったような仕草を見せたが、こくんとうなずいた。そして、
「ありがとうございます」
 今にも泣き出しそうな顔で言った。
「お礼なんかいらないさ。あたしもちょうど、この腕の代わりが欲しくてね。歳のわりにはちびっこいあんたが、ちょうどいいのさ」
 グレイは目を赤くしながら、鼻を幾度もすすった。オモラはなにも言わず抱き寄せて、優しく頭をなでてやった。
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よもよも

2022-02-16 06:06:43 | Weblog
やれほれ。

北海道の知事が蔓延防止措置の延長に関する

記者会見ニュースで見て、

がっかりさせられたんだけど、

めずらしくスマホのレビュー目に入って、

なるほどなと思わず頷かされた。

飲食やらの制限継続するより、

テレワークを進めて、違反するところに制限かけた方がいいって

そんなように書かれてて、

正直そっちの方が感染者数減らせる気がする・・・。

飲食制限するって、なんとなく目について、

制限すると効果がありそうに思うからじゃないのかなあ??

これまで2年間も同じような症状に苦しまされて、

ワクチンしか普通の人を守る手段がない、

みたいな、もはや打つ手が無いみたいなやり方ってば、

無責任すぎるよね。。

それにまたぞろ北海道の鉄道は

もう利用しづらい乗り物になったね。

大雪の予報で、早くも運休だって・・・。

早めの告知は利用者のためになるけど、

逆に受け取れば、

鉄道は当てにならないんで利用はあきらめてくれって

そう言われてるような気がするわXXX

ウィルスも鉄道も、すぐに白旗を揚げるってのが、

最近の傾向みたい。。

あきらめたところからは、なにも生まれないよね。

チャレンジしていかなけりゃ、先には進めない。。


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