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デジタル放送の特徴を確認し有効活用

2011-07-17 12:15:24 | 社会の動き
アナログ放送の終了がまじかになりました。岩手・宮城・福島以外は、2011年7月24日には現行の地上アナログ放送が完全に停止し、地上デジタル放送のみの放送になります。

また、東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島3県のアナログ放送についても、2012年3月で終了することになりました。

今回はデジタル放送の特徴を、整理してみましたので、参考にして下さい。なお、デジタル放送についての疑問は、下記の総務省のホームページを参照下さい。

 地上デジタルテレビ放送のご案内(総務省)
 http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/dtv/index.html


デジタル放送の一つの大きな特徴に、地域の有益な情報などを提供する「データ放送」があります。

このデータ放送を使い、各局が番組情報やニュース、天気予報などを掲載しています。電力会社の”電力使用状況”も、このデータ放送で見れる地域もあります。

データ放送は、テレビリモコンの「d」ボタンを押すと各局のデータ放送にアクセスできます。リモコンの十字ボタンと決定ボタン、カラーボタン(青、赤、緑、黄色の4色ボタン)だけで操作できます。ぜひ一度、各局独自の「データ放送」を見て下さい。

東日本大震災では、データ放送を使い安否確認や計画停電などの情報が配信されました。インターネットに接続できない高齢者世帯などに基本的な情報を提供することに役立ち、聴覚障害者向けにリアルタイムの字幕付与も行われました。


 asahi.com(朝日新聞社):【放送】東日本大震災で発揮されたテレビとラジオの「力」
 http://www.asahi.com/digital/mediareport/TKY201104070281.html


今後、TV各局は、デジタル放送の特徴を使った放送を提供してくると思います。

NHKは8月6、13日に放送する「双方向クイズ 天下統一」(総合テレビ)で、データ放送の双方向機能を使って、視聴者がスタジオの出演者とともに一緒にクイズ参加することを考えています。

TBSは、8月27日開幕の世界陸上(韓国)の中継で、視聴者の感想をツイッターで募りデータ放送画面で紹介し、競技の経過や選手の情報もデータ放送に盛り込む予定です。



■ デジタル放送とは


地上デジタルテレビ放送は、2003年12月東京・関西・名古屋の3大都市圏においてスタートし、2006年までに全国主要都市でデジタル放送が開始されました。

デジタル方式は、0と1の2種類の情報しか送りませんので、雑音で乱れても、ある程度まで元の状態に復元することが可能です。そのため、アナログ方式より電波が弱くても、きれいに受信することが可能です。

また、デジタルの場合は、情報圧縮と呼ばれる技術が応用できます。情報圧縮は、セーターや布団を小さく圧縮して収納する圧縮袋を考えると分かりやすいと思います。

この情報圧縮技術により、同じ周波数帯域幅で、アナログ方式より多くの情報を送ることができます。アナログ方式で、1番組しか放送できなかった帯域幅で、3番組の放送ができます。



■ デジタル放送の特徴


(1) 高画質・高音質
   高画質とCD並みの高音質の番組、雑音などの影響が少なく、きれいな映像で見ることが可能

(2) データ放送
   天気など暮らしに役立つデータを提供

(3) 一つのチャンネルで複数番組を放映できるマルチ放送機能
   主チャンネルでは番組表通りのドラマを放映し、副チャンネルでは野球の延長中継を放映

(4) 双方向性
   クイズ番組に参加したり、アンケートに答えたりする双方向サービス

(5) 電子番組表
   電子化されたテレビ番組表のことで、テレビ画面に番組表を表示

(6) 高齢者や障害者にやさしい
   TVの音声をゆっくり流す、点字サービス等、福祉サービスに充実した放送が可能

(7) 携帯で番組を視聴可能(ワンセグ放送)
   携帯端末でもTV番組をみることが可能、災害時の情報源としての重要な役割が可能

(8) 電車・バス等での移動体での受信が高品質
   電車やバス等に設置したテレビでも、きれいに受信・視聴することが可能



■ デジタル放送の特徴解説



特徴1:"高画質・高音質でワイドな画面"
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デジタル放送の最大の魅力と言えるのがこの高精細な画質です。

これまでのアナログのテレビ放送は、525本の走査線を使った縦横比4:3の画面で放映していましたが、地上デジタル放送では、最大1125本の走査線を使った縦横比16:9のハイビジョン画質がメインとなります。

また、ノイズにも強い仕組みも持っています。地上放送では、画像が左右方向にだぶって見える「ゴースト障害」がありますが、デジタル方式は、このような事が発生しないような仕組みが組み込まれています。

画質ばかりでなく、音声もCDなみの音質に向上します。音声データはAAC(Advanced Audio Codec)という圧縮形式が採用されています。例えば、これまでの2カ国語放送は、左右のチャンネルにそれぞれの言語が割り振られ、それぞれをモノラルでしか聴くことができませんでしたが、デジタル放送では、それぞれの言語をステレオで楽しめます。


特徴2:"データ放送サービス"
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デジタル放送では、データ放送も同時に楽しめます。データ放送とは、放送局が番組の映像・音声とともに文字やイラストなどのデータを提供するサービスです。

番組案内やニュース、市町村ごとの天気予報・災害情報、番組に連動したクイズなどをテレビ画面に表示します。視聴者が番組を見ながら買い物をしたり、クイズに回答したり、意見を送ったりする双方向機能も持ちます。

データ放送は、リモコンの「dボタン」を押せば見ることができます。番組の内容とは関係なくニュースや天気予報が送られてくる独立型のサービスと、今見ている番組に関連したデータが送られてくる連動型のサービスがあります。


特徴3:"複数番組を同時放送するマルチ放送"
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デジタル放送では、一つのチャンネルでアナログ放送と同じ標準画質の番組を一度に2~3番組同時に放送することができます。これをマルチ放送と呼んでいます。

例えばスポーツ中継で試合が予定通りに終了しなかった場合など、次の番組を放送しながら、引き続き同じチャンネルから延長戦の中継を放送、さらに臨時ニュースを割り込ませるなど、1つのチャンネルで3番組まで同時放送することができます。

デジタル放送では、1チャンネルを14等分して(一つの単位は「セグメント」)利用します。標準画質はこのうちの4個のセグメントで一つの番組を放映し、3つの標準画質の番組を放映することが可能です。また、12個のセグメントを使って1つのハイビジョン映像を放映します。

また、携帯端末向けに、1個のセグメントを使ってよりデータ量の少ない番組を放映しています(ワンセグメント放送)。


特徴4:双方向性
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日常会話で話しをする時お互いに話しのやり取り、つまり一般に言うところの会話をしますが、この様なやり取りが出来るのを「双方向性がある」と言います。

従来のテレビは視聴者は画面からの情報をただ一方的に受け入れるだけでした。しかし、デジタル放送の場合は、例えばテレビのクイズ番組に自分が直接答えたり、討論番組などで出演者に自分の疑問点を問い掛けたりする事も可能になります。


特徴5:"録画方式の変更"
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デジタル放送ではハイビジョンなどの高画質の番組が大きな特徴のひとつですが、しかし重要なことは「番組の著作権」です。

録画した番組を個人で楽しむ限りは問題ありませんが、録画した番組を許可なくダビングして他人に配ることは法律に違反します。また不正にダビングしたテープが出回るようなことになれば、番組の制作者や出演者などの権利が著しく侵害され、良質な番組の提供に支障をきたすことになります。

デジタル放送の場合、デジタルがゆえに劣化のないコピーが簡単に行え、番組の不正コピーが高画質のまま大量に出回る恐れがあり、そうした事態を防ぐため、地上デジタル放送はコピー制御の仕組みが導入されています。


≪補足≫ 地上デジタル放送の仕組みとワンセグ(ワンセグメント)

地上デジタル放送は、1チャンネル(6MHz)の帯域幅を14等分して活用します。この14等分の一つを「セグメント」と言い、13個の「セグメント」を使って放送し、残り1つを隣のチャンネルとの混信用として利用します。

なお、13個の「セグメント」の内、12個は通常の放送に使われます。

標準画質であれば4個のセグメントで十分で、4個ずつのセグメントを使って、3つの番組を放映できます。なお、ハイビジョン映像は、標準画質の3番組分、12個のセグメントを使って放映します。

残りの1個のセグメントを使って、よりデータ量の少ない番組を、携帯等のモバイル向けに放送します。このため、「1セグメント部分受信サービス(呼称:ワンセグ)」と言われます。



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