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福島第一原発事故を冷静に見るために- 放射線治療の専門家(東大病院放射線治療チーム)の解説紹介

2011-05-15 12:23:56 | 社会の動き
福島第一原発事故の放射能問題、マスコミの解説(特にTV関係)は、感覚的・感情的な面が強く出ており、不安をあおる言葉や、政府の対応を単に批判する評論家的な言葉が多く、原発問題をなかなか冷静に見ることができません。

福島第一原発事故の問題は、日本人である私たち一人一人が、今一度原点に戻り、電力問題、地球環境、ライフスタイル含め総合的に解決していかなければならない問題であると思います。

その為には、まずは、福島原発事故及び原発の現状については、政府・東電・原子力関係者に、正確で分かりやすい情報をタイムリーに提供してもらうことが大事だと考えています。その上で、私たち一人一人が、将来も含め、出来るだけ冷静に判断することが必要だと感じています。

なお、このような時に、役立つのが、組織の枠を越えた専門家の皆さんの善意の情報発信です。

その中でも、3月からTwitter・ブログで情報発信している、”東大病院放射線治療チーム(team_nakagawa)”の皆さんの情報は、難しい放射能の問題を専門的で分かりやすく紹介している点で、特に素晴らしい内容です。このチームの皆さんが言っているポイントは以下だと思います。

 (1) 地域住民とそれ以外の国民の意見の共有と連帯
 (2) 今私たち(特に大人)は、放射線を“正しく”怖がることが必要
 (3) 放射能への偏見や風評が広がることが被災地の復興・復旧に大きな影響を及ぼす

今回、”東大病院放射線治療チーム(team_nakagawa)”の皆さんが発信している情報の一部を紹介しますが、この内容だけでも、専門的ながら分かりやすく説明していることが理解頂けると思います。ぜひ、以下のTwitter・ブログも参照してください。

  東大病院放射線治療チーム
    ブログ   http://tnakagawa.exblog.jp/
    Twitter   http://twitter.com/#!/team_nakagawa


このブログの下記記事に次のような言葉もありました。これから必要なものは、まさに「国民の意見の共有と連帯」だと強く感じました。

  東大病院放射線治療チーム : 国際放射線防護委員レポート111号(ICRP111)
  http://tnakagawa.exblog.jp/15365406/


『福島第一原発事故において、現在、何が最適な(ベストな)方策か、判断することは極めて難しい課題です。例えば食品の消費者と生産者、地域住民とそれ以外の国民、それぞれの意見の共有と連帯が必要となります。』

『最適化方策は、“国民を放射線被ばくから防護する必要性”と、“地域の産物が市場に受け入れられ、地元経済が生き残る必要性”とのバランスを要します。このためには、繰り返しになりますが、地域住民とそれ以外の国民の意見の共有と連帯がとても大事になってくるでしょう。時として、国民一人一人が、一度エゴを捨てて、まとまる必要があると思います。』


(注)”東大病院放射線治療チーム(team_nakagawa)”は、東大病院で放射線治療を担当するチームで、医師の他、原子力工学、理論物理、医学物理の専門家がスクラムを組んで、今回の原発事故に関して正しい医学的知識を提供しています。


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放射能と放射線に関する本が無料!で公開されています。この本、一般の人が読むには、少し長い時間と辛抱が必要ですが、一読すれば、本の紹介にあるように、放射能と放射線に関する基本が理解できます。

少なくとも、マスコミ関係者には、この本を一読して頂き、感情的・感覚的でなく、より正確な情報を発信して欲しいと思います。

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  http://goo.gl/XidDp



★ なお、以下で紹介する内容は、個人の意見を避け、正確に理解して頂くため、
★ 東大病院放射線治療チームのホームページから、多くの部分を引用(『 』で囲んだ箇所)
★ しています。ご了解下さい。




■東大病院放射線治療チーム「福島訪問──その4 対策に対する提案」2011年05月13日

http://tnakagawa.exblog.jp/15529507/

『計画的避難区域には福島県葛尾村、浪江町、飯舘村、川俣町の一部及び南相馬市の一部(原発20km圏外地域の一部)が含まれます。今回の線量評価でもわれわれが訪問した浪江町、飯館村については屋外では5μSv/hを超える地域がほとんどでした。そのため環境放射線線量のみを考慮した場合、避難はやむを得ないと考えます。しかしそれらの地域でも同時にコンクリート建屋内では1μSv/h以下になることもわかりました。飯舘村の特別養護老人ホームの方々などは、避難する方が、リスクが高いと言えます』


『放射性物質の濃度が高いことが推定される学校のグランドの場合、以下の手段が有効であると考えます。

1)校庭グランドの表層を削る。
2)学校敷地内の安全な場所に一時的に保管
3)国や県が主導となり、適切な保管場所に移送する

4月28日時点の郡山市の報告では、実際に表土除去を行った学校では、空間線量率の値が大幅に改善されています。』


『今回、われわれは地元住民の了解のもと、飯館村に生えている山菜をいくつか採取させていただきました。その値はセシウムの暫定規制値500Bq/kgを超えていました。カリウムを多く含む山野草では、セシウムもまた濃度が高くなる可能性があるので、注意が必要です。規制の掛からないこれらの食物は、決して食べないように注意を徹底することが大事です。』


■東大病院放射線治療チーム 「福島訪問──その2 空間線量率測定の結果について」2011年05月13日

http://tnakagawa.exblog.jp/15529167/

『空間線量率結果のまとめ
 私たちteam_nakagawaのモニタリング結果は、文科省のデータを良く再現いたしました。
 
(中略)

文科省や自治体の同一地点・高さでの経時的なモニタリングのデータ測定の積み重ねは、環境放射線量の変化や、原発から新たな放射性物質の放出がないことを確認する上でとても重要です。今後も継続していくこととともに、さらに広範囲に細かいデータ収集を行って欲しいと思います。

一方、測定目的・測定条件の提示や、測定の意図をわかりやすく説明する必要があります。こうした説明の欠如が、地域の皆様の不安や誤解を生む要因となるのではないでしょうか。放射線測定の専門家や学会・団体が、モニタリング活動を積極的に関与(援助)できる体制の早期構築を望みます。』


■東大病院放射線治療チーム 「舘村の特別養護老人ホームについての見解」2011年05月02日

http://tnakagawa.exblog.jp/15420108/

『福島県飯舘村は、福島第一原発事故の影響で「計画的避難区域」に指定され、5月下旬をめどに避難を求められています。

(中略)

妊婦、赤ちゃんについては避難することもやむをえないが、放射線積算推定量を見る限り、成人についての発がんリスクは、野菜不足や塩分のとりすぎより低く、極端に恐れる必要はないと思います。それより避難生活などによるストレスなどの方が心配』


『致死性の発がんの危険は、100ミリシーベルトで、最大1.05倍と見積もられますが、これは野菜不足によってがんになりやすくなるリスクとほぼ同程度です。塩分とりすぎは、約200ミリシーベルトの被ばくに相当しますし、運動不足や肥満は、400ミリシーベルト程度の被ばくと同じレベルの発がんリスクです。毎日3合お酒を飲んだり、タバコを吸ったりすれば、発がんのリスクは一気に1.6倍となりますが、放射線被ばくで言えば、2,000ミリシーベルト!に相当します。』


■東大病院放射線治療チーム 「放射能はうつるのか?」2011年04月15日

http://tnakagawa.exblog.jp/15272526/

『福島県から避難してきた子供たちが、避難先で偏見を持たれるケースが生じています。一時帰宅された方の受け入れを、避難所などで問題にするケースもあるようです。拒否された方々は、深い心の傷を負うことでしょう。また、心ない言葉をかけた方々のことを想像すると、その人々が、よくわからない放射能の不安から、過剰な反応をしてしまうことも理解できます。

放射線や放射性物質は目で見ることができず、一見影響も全く見えません。このことが不安を大きくしてしまう原因の一つであると思います。そして、放射能への偏見や風評が広がることが被災地の復興・復旧に大きな影響を及ぼします。今私たち(特に大人)は、放射線を“正しく”怖がることが必要です。』


『避難区域に長く滞在していたとしても、現在の内部被ばく量は、放射線治療に比べれば本当に“微々たるもの”です。それによって、周囲の方々が被ばくするようなことなど、決してないことがお分かりになると思います。(もちろん、避難されている方々の放射線による健康被害を考える必要はない、などと私たちが主張しているのではありません。)』



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