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風評被害とそれを避ける方法について

2011-05-05 16:49:20 | 社会の動き
最近話題になっている「風評被害」、その意味は様々あると思いますが、簡単に ”風の噂(評判)で、根拠無く受ける被害” と考えたらいいと思います。

今回は、何故、風評被害が発生するのか、その原因を考えてみたいと思います。風評被害を出来るだけ少なくし、地震・津波・原発事故・風評被害で四重苦の、福島の皆さんを、同じ日本人として応援したいと思います。


なお、東京大学大学院 関谷直也さんによると、風評被害の定義は、以下になっています。

「風評被害とは、ある事件・事故・環境汚染・災害が大々的に報道されることによって、本来『安全』とされる食品・商品・土地を人々が危険視し、消費や観光をやめることによって引き起こされる経済的被害」

 「風評被害」の社会心理―「風評被害」の実態とそのメカニズム―
   (東京大学大学院 関谷直也)
    http://goo.gl/TpEzu   http://goo.gl/872b2
 *過去の大きな事件をもとに、風評被害を分析しています。


福島第一原発の事故により、「比較的原発に近い」というだけで、放射線値に問題がない茨城県産などの野菜にも、影響がでています。

風評被害の対象は農産物にとどまらず、東北や北関東に工場を持つメーカーの精密機器など、一部工業製品にまで及んでいます。

インターネットが普及した今、あいまいな情報が増え風評被害を増長するようにも感じますが、逆に、専門家の情報も、今まで以上に、簡単に発信したり入手することも可能になりました。

風評被害に巻き込まれるか、防ぐことができるかは、インターネットの活用方法でも大きく変わります。できれば、インターネットを有効に活用したいものです。

なお、今回のような大震災・原発問題のような、社会的に大きな事件の場合には、インターネットで情報発信時、あいまいな情報を発信しないように、十分注意することも大事ですね。


《補足》あいまいな情報をブログ・Twitterで発信し大変な事に!!

参考情報asahi.com(朝日新聞社): http://goo.gl/eDV1n

「自衛隊は支援物資を受け付けています。県庁が窓口です」

震災翌日の12日朝、関東に住む20代の会社員男性は自宅でブログにそう書き込んだ。

自衛隊員を家族に持つ知人からの「各自治体で受け付けている」と返信があったからで、「役立つ情報を出したい」という一心での情報発信。

普段は数十の訪問者数が2万超に膨れあがった。ツイッターでも発信。2時間後、ツイッター上で「これは公式発表ですか?」と指摘を受ける。

県庁に確認の電話を入れると「受け付けていない」ということで、ブログを訂正したが、情報はあちこちに転載され、この時には、すでに遅し。

社会的に重要な問題に関しては、インターネットの発言には、十分注意したいものです。



■ 風評被害を避けるためには


まず、風評被害の大きさは、アメリカの心理学者の考察から、次の式で表されるそうです。

   「 風評被害 = 重要性×曖昧さ 」

 *風評被害は主に「噂」によって引き起こされるそうです。この噂について、
  アメリカの心理学者オルポートとポストマンが下記の公式を発表しています。

   「 噂の総量=あいまいさ×重要性 」

物事が、「原子力、ダイオキシン、環境中の水銀、0-157など病原菌」などのように重要で、入ってくる情報があいまい、そして、理解することが困難なものほど、「風評被害」が多く生じます


(1) 原子力などの重要な事項については、国・政府・企業・大学・専門家などから、正確で分かりやすい情報を、国内・国外に迅速に提供する。

(2) 安全でない地域・品物がどのようなものであるか具体的に知り、実際以上に大きな地域を危険視する「恐怖の同心円」を避ける。

(3) 原子力のような風評被害が起きやすい事項については、専門家の意見や信頼のおけるメディアからの情報を入手し”判断能力”を高める。

(4) 社会的に重要な事項については、信頼のおけるニュース源を参考に、事実に基づき、具体性のある公正な情報を発信する。また、”事実と予測、意見を明確に区別”して情報発信する。

(5) インターネットの記事については、「事実・予測・意見」を区別して判断する。ブログ・Twitter・SNSの内容には、根拠が希薄な記事や、単に自分の感覚を書いたものも多数あるので、これらに惑わされない。


『群衆の行動や心理について詳しい新潟青陵大大学院の碓井真史教授(社会心理学)は「現在、自分が普段と違う心理状態だと自覚する必要がある」としたうえで、こうアドバイスする。

 「一部の極端な行動で多くの人が脅かされる。そういうことを皆が理解し、協力しようとすれば、パニックは避けられる」
』 (出典: ITmedia News - http://goo.gl/QUUdt



■ 福島と言うだけで危険視される、まさに「風評被害」


福島第一原発の事故で風評被害、被災地周辺の野菜や牛乳が敬遠され、がれきの受け入れで苦情が殺到、子どもへの差別的な言動も報告されました。

例えば、以下のような事例が報告されています。福島原発問題から、単に「福島」というだけで、被害を受けています。

(1) 福島原発の問題で、群馬県へ避難した小学生の女子児童は、「福島県から来た」とクラスの子供から避けられたり、陰口を言われたりして不登校になった。

(2) 福島市の和菓子店の人が、「福島」というだけで「体は大丈夫なの? お店は平気?」と危険と思われた。

(3) 福島県いわき市の運送会社は、「放射能の問題があるので、いわきナンバーで来ないでほしい」と言われた。

(4) 茨城県沖で獲れた水産物が千葉県下の地方卸売市場で取扱拒否された。

 参考情報:
  YOMIURI ONLINE(読売新聞):福島ナンバー拒否、教室で陰口
  http://goo.gl/12Dxd



■ 風評被害の大きさは「あいまいさ」×「重要さ」


参考情報:
放射能汚染でモノが売れない?~風評被害対策には、初動が大切~
- SEOシーパス
http://www.ash-co.com/seo/marketing/rumor/


この記事によると、風評被害は主に「噂」によって引き起こされるそうです。この噂について、アメリカの心理学者オルポートとポストマンが下記の公式を発表しているそうです。

 噂の総量=あいまいさ×重要性

なお、噂の総量は、「あいまいさ」と「重要性」のかけ算で表されており、あることについて情報が「あいまい」であるほど、またそのことが「重要」であるほど、社会に流れる噂の量が増える、ということになります。

 風評被害の総量=「あいまいさ」×「重要さ」

今回の福島第一原発事故について分析すると、この2つの要素がどちらも最大級であることがわかります。

なお、一般市民にとって、安全か危険かについて理解し難い、直接観察できないことがら(原子力、ダイオキシン、環境中の水銀、0-157など病原菌、噴火の可能性)の事故・汚染・災害に関して、「風評被害」が多く生じます。

また、「忌避される地域」は実際に基準値以上の放射線が観測されている地域だけでなく、その周辺地域にも及びます。こういった現象は「恐怖の同心円」と呼ばれています。福島県ならどの市町村が原発に近いか、原発の風上に位置しているか、一般市民はよく分からないためです。

なお、もう一つ、風評被害の大きさを表す式として以下もありました。

 風評被害=重要性×曖昧さ/適確な判断能力

このことから、風評被害を避けるためには、専門家の意見や信頼のおけるメディアからの情報を入手し”判断能力”を高めることの必要性を感じます。


《補足1》風評鎮圧のための施策

風評鎮圧のための施策が詳しく提案されています。

 2011年4月13日 緊急提言! 日本を襲う「原発風評被害」を食い止めよ!
 |DOL特別レポート|ダイヤモンド・オンライン
 http://goo.gl/n3WNl

①直接的効果―政府・企業による購買
②直接的効果―危機管理態勢の見直し
③直接的効果―リスク情報の発表、リスク軽減策の提示、専門家の積極登用
④間接的効果―誤情報・風評の否定
⑤間接的効果―流通における安全証明を確立
⑥間接的効果―直接的な対面議論で正面突破


《補足2》チェルノブイリ原発事故の専門家による福島第一原発の事故解説

1986年のチェルノブイリ原発事故でソ連政府(当時)に依頼されて現地で救命活動に従事した放射線被曝治療の専門家、ロバート・ゲイル博士による、福島第一原発の事故を分かりやすく分析・説明しています。


 2011年4月6日 放射能汚染を巡る日本人の誤解と政府の説明責任
 ――チェルノブイリの惨状を知る被曝治療の権威 ロバート・ゲイル博士に聞く
 http://goo.gl/bTAaY



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