(韓国大手新聞、朝鮮日報 10.4.19記事抜粋)
4月16日早朝、済州島南部の西帰浦港にある西帰浦水産業協同組合(漁協に相当)委託販売場を訪れると、水揚げされたばかりの済州産生タチウオ(太刀魚)の周りに仲買人ら約30人が集まっていた。同日はタチウオ(10キロ入り)が176箱が競りにかけられた。1箱当たりの平均価格は25万ウォン(約2万1000円)だった。これは前日より1万ウォン(約830円)高、1年前に比べると2倍の高値だ。落札できなかった仲買人は「なぜそんなに高いのか」とつぶやきながら競り場を後にした。
■10年ぶりの高値
産地価格の上昇を受け、韓国人の食卓に欠かせないタチウオの価格が上昇している。大型スーパーで冷凍タチウオ1匹(300-330グラム)の価格は5500ウォン(約460円)前後で、過去10年で最高値を付けている。2000年当時の価格は3000ウォン(約250円)前後だった。農水産物流通公社によると、タチウオの価格は最近1カ月で10%上昇した。
タチウオの値上がりは、漁獲量の減少が主因だ。西帰浦水産業協同組合のヒョン常務は「気象条件が悪く、漁船の操業が減り、漁獲量が昨年の半分以下に落ち込んでいる」と話した。今月に入っても、済州島付近の海水温が17度前後と低く、暖流魚のタチウオが集まりにくい状況だという。
タチウオ漁船のユ船長(53)は「30年以上船に乗っているが、今年のようにタチウオが取れないのは初めてだ」と話した。タチウオの値上がりで、一部の食堂ではタチウオから別の食材に切り替えるところも増えている。
ほかの水産物も値上がり傾向だ。先週(12-16日)の気象条件悪化により、漁船が出漁できなかった影響で、釜山サバ市場には国産サバが1匹も持ち込まれなかった。大型スーパーのイーマートでは昨年、国産サバ(300グラム)が1800ウォン(約150円)だったが、現在は日本産サバ(500グラム)を3380ウォン(約280円)で売っている。
業界関係者は「天候が暖かくなる5月までは水産物価格が高止まりするとみられる」と話した。
■白菜価格の下落は1カ月後
4月17日未明、ソウル市可楽洞の農水産物卸売市場を訪れた。競り歴20年になるウシン営農組合のユ理事は「最近数年でこれほど野菜の値段が上がったのは初めてだ。白菜の代わりになるアルタリ大根、若大根、冬植え白菜などの価格も上昇しており、心配している」と語った。
白菜の価格は今年1月から16週間連続で上昇がつづいている。現在食卓に上るキムチの大半は越冬白菜で、キムチの漬け込み時期に使われる秋白菜よりも1カ月後の9-10月に植えられ、1-2月に収穫されたものだ。農水産物流通公社によると、白菜1個の小売価格は6095ウォン(約510円)で、昨年の3172ウォン(約260円)の約2倍に達している。
越冬白菜の主要産地は南部の全羅南道海南郡だ。農産物流通業者、海南緑色流通のキム代表は「農地約3.3平方メートルで普段は8個、豊作なら10個は収穫できるが、今年は6個ほどしか取れない」とため息をついた。
これは冬の大雪と寒波で白菜が正常に育たなかったためだ。最近の異常な寒波で、白菜を例年よりも早めに倉庫に入れなければならないことも問題だ。貯蔵過程の腐敗率が10-20%に達し、それは廃棄処分にするしかない。石油価格上昇で物流費用も車両1台(5トントラック)で15万ウォン(約1万2000円)増えた。
野菜流通業者「農夫の朝」のイ代表は「全羅南道の羅州、全羅北道の高敞などハウス栽培の春白菜の出荷開始は4月25日ごろになる。昨年よりも品質が悪い上、価格は50%ほど値上がりが見込まれる」と話した。
ロッテマート(大手スーパー)のイ野菜チーフ商品企画担当は「契約栽培のおかげで3380ウォン(約280円)という価格で販売できた。5月中旬からは白菜価格が多少は安定するとみられる」と話した。
大根やタマネギも上昇が続く見通しだ。可楽農水産物卸売市場の関係者は「昨年はハウス農家が大根ではなく、スイカなどほかの作物を植えたケースが多く、ハウス栽培面積の減少で価格が上昇を続けている。タマネギも冷害などで前年比1.5-2倍に値上がりしている」と説明した。
(投稿者注)太刀魚(タチウオ)は韓国では人気のある魚だ
4月16日早朝、済州島南部の西帰浦港にある西帰浦水産業協同組合(漁協に相当)委託販売場を訪れると、水揚げされたばかりの済州産生タチウオ(太刀魚)の周りに仲買人ら約30人が集まっていた。同日はタチウオ(10キロ入り)が176箱が競りにかけられた。1箱当たりの平均価格は25万ウォン(約2万1000円)だった。これは前日より1万ウォン(約830円)高、1年前に比べると2倍の高値だ。落札できなかった仲買人は「なぜそんなに高いのか」とつぶやきながら競り場を後にした。
■10年ぶりの高値
産地価格の上昇を受け、韓国人の食卓に欠かせないタチウオの価格が上昇している。大型スーパーで冷凍タチウオ1匹(300-330グラム)の価格は5500ウォン(約460円)前後で、過去10年で最高値を付けている。2000年当時の価格は3000ウォン(約250円)前後だった。農水産物流通公社によると、タチウオの価格は最近1カ月で10%上昇した。
タチウオの値上がりは、漁獲量の減少が主因だ。西帰浦水産業協同組合のヒョン常務は「気象条件が悪く、漁船の操業が減り、漁獲量が昨年の半分以下に落ち込んでいる」と話した。今月に入っても、済州島付近の海水温が17度前後と低く、暖流魚のタチウオが集まりにくい状況だという。
タチウオ漁船のユ船長(53)は「30年以上船に乗っているが、今年のようにタチウオが取れないのは初めてだ」と話した。タチウオの値上がりで、一部の食堂ではタチウオから別の食材に切り替えるところも増えている。
ほかの水産物も値上がり傾向だ。先週(12-16日)の気象条件悪化により、漁船が出漁できなかった影響で、釜山サバ市場には国産サバが1匹も持ち込まれなかった。大型スーパーのイーマートでは昨年、国産サバ(300グラム)が1800ウォン(約150円)だったが、現在は日本産サバ(500グラム)を3380ウォン(約280円)で売っている。
業界関係者は「天候が暖かくなる5月までは水産物価格が高止まりするとみられる」と話した。
■白菜価格の下落は1カ月後
4月17日未明、ソウル市可楽洞の農水産物卸売市場を訪れた。競り歴20年になるウシン営農組合のユ理事は「最近数年でこれほど野菜の値段が上がったのは初めてだ。白菜の代わりになるアルタリ大根、若大根、冬植え白菜などの価格も上昇しており、心配している」と語った。
白菜の価格は今年1月から16週間連続で上昇がつづいている。現在食卓に上るキムチの大半は越冬白菜で、キムチの漬け込み時期に使われる秋白菜よりも1カ月後の9-10月に植えられ、1-2月に収穫されたものだ。農水産物流通公社によると、白菜1個の小売価格は6095ウォン(約510円)で、昨年の3172ウォン(約260円)の約2倍に達している。
越冬白菜の主要産地は南部の全羅南道海南郡だ。農産物流通業者、海南緑色流通のキム代表は「農地約3.3平方メートルで普段は8個、豊作なら10個は収穫できるが、今年は6個ほどしか取れない」とため息をついた。
これは冬の大雪と寒波で白菜が正常に育たなかったためだ。最近の異常な寒波で、白菜を例年よりも早めに倉庫に入れなければならないことも問題だ。貯蔵過程の腐敗率が10-20%に達し、それは廃棄処分にするしかない。石油価格上昇で物流費用も車両1台(5トントラック)で15万ウォン(約1万2000円)増えた。
野菜流通業者「農夫の朝」のイ代表は「全羅南道の羅州、全羅北道の高敞などハウス栽培の春白菜の出荷開始は4月25日ごろになる。昨年よりも品質が悪い上、価格は50%ほど値上がりが見込まれる」と話した。
ロッテマート(大手スーパー)のイ野菜チーフ商品企画担当は「契約栽培のおかげで3380ウォン(約280円)という価格で販売できた。5月中旬からは白菜価格が多少は安定するとみられる」と話した。
大根やタマネギも上昇が続く見通しだ。可楽農水産物卸売市場の関係者は「昨年はハウス農家が大根ではなく、スイカなどほかの作物を植えたケースが多く、ハウス栽培面積の減少で価格が上昇を続けている。タマネギも冷害などで前年比1.5-2倍に値上がりしている」と説明した。
(投稿者注)太刀魚(タチウオ)は韓国では人気のある魚だ