よしべや自然博物館

2022年11月の月蝕を契機に電視観望を始めました。
通信販売とSNS頼りに頑張ります。
天文初心者の悪戦苦闘の記録。

電視観望の記録108(へび座 M16わし星雲)

2023-07-14 05:00:00 | M天体

へび座 M16わし星雲(NGC 6611、IC 4703)

画像① 元画像を90°回転、UV IR-CUTフィルター使用、短辺640に縮小、

画像アップ時に縮小かからないように、上下若干のトリミング

へび座のM16わし星雲は、散開星団と散光星雲の複合天体。M16は散開星団につけられた名前。IC4703は散光星雲につけられた名前とのこと。中央に暗黒星雲があり、私の画像でも少し確認できる。この場所を1995年に、HSTが観測し、暗黒星雲の先端で星が誕生していることが確認された。暗黒星雲は「創造の柱」(Pillars of Creation )と名付けられ、超有名な天体となった。以上Wikipediaの要約。

私は、創造の柱の名前だけ知っていたが、ここにあるという認識は全くなかった。いつものように電視観望しながら、時間を無駄にしないように予定した天体が無くなったら、iステラHDで近場のメシエ天体を探し導入する日々。いつかは観望したいと思っていたので観望できてよかった。運が続いている(電視観望限定だけど)。創造の柱がFMA135でも写って良かった。

なお、中西さんの本と同じ星雲の赤が出したくて、画像いじくりまわしやっと少し赤くできた。アスタップで処理したディープスカイ・アノテーション画像は同じことをすると線や字がおかしくなるので、そのままとした。

※HST:ハッブル宇宙望遠鏡

画像② 元ファイル画像よりVGA切り出し

画像③  FITSをアスタップでプレートソルブ、回転処理、α,δ grid表示、ディープスカイ・アノテーション、色補正。JPEG保存。VGA切り出し。

参考資料

1)中西昭雄著「メシエ天体&NGC天体ビジュアルガイド」誠文堂新光社

2)浅田英夫著「エリア別ガイド 星雲星団ウォッチング」地人社館

3)早水 勉著「The Book of The Starry Sky 星空の教科書」技術評論社

4)渡邉耕平著「電視観望 実践ガイドブック Ver 1.1」株式会社サイトロンジャパン

5)JUNZO著「アンドロメダ銀河かんたん映像化マニュアル」日本実業出版社

6)Player One Neptune-C Ⅱ | 株式会社サイトロンジャパン

7)Askar 『FMA135』 口径30mmF4.5 EDアポクロマート鏡筒~シュミット

8)Sky Watcher AZ-GTiマウント+三脚~シュミット

9)Player One UV IR-CUT 1.25″フィルタ-~シュミット

10)へび座 - Wikipedia

11)わし星雲 - Wikipedia

12)X線天文衛星チャンドラ、わし星雲の「創造の柱」を透視~AstroArts


 
 
 

電視観望の機材05(AZ-GTi赤道儀化 その1)

2023-07-14 04:59:00 | 覚書・機材




北極星が見えないベランダで、自己責任改造の赤道儀化AZ-GTiで電視観望した天体が20あまりになったので、このあたりでこれまでの内容の覚書を作成しておく。

なお、極軸合わせはいまだできていない。

素人初心者、無我夢中・悪戦苦闘の日々。これも楽しいが。充分な整理も出来ていないが、今後の自分自身のSTEPUPの資料として作成した。

観望した20天体は、いずれもアンタレスに近いさそり座、いて座などの天体で、アンタレスを1スターアライメントし、自動導入後、SharpCapPro上でプレートソルビング(Astap連携)により、導入あるいは導入補正して電視観望している。他の条件で実行出来るかどうかは不明。

機材は、赤道儀化AZ-GTi、FMA135、Neptune-CⅡ、MacBookAir:Windows10 on BootCamp(AZ-GTiはDC電源で運用。パソコンとの接続は有線。)

使用ソフトは、SharpCapPro(Astap連携)、SynScanPro。(これまでに経緯台での運用でプレートソルブが可能になるよう設定済)

以下日記風に

7月1日

JUNZOさんの本(資料1・2)のとおり注文し、微動雲台、ウェイトシャフト、シャフトおもり1.9kg、ウェイトぬけ止めネジ、つまみネジが届く。

資料1に従って、有線接続でAZ-GTiのFirmware書き換え(1分以上かかる。%が1つづつ上がる)。無事完了。

組み立てに入る。無事完了と思いきやつまみネジの注文間違えた。AZ-GTiが動くと完全にネジのノブにぶつかる。



AMAZONで再注文するも、中国発送で届くまでに2週間以上かかるようだ。
どうするよしべや。

気を取り直して、運用のための情報を集める。これまでにネット検索で、北極星を使わない極軸合わせを「ドリフト法」と呼ぶことを知った。昔からある方法で、南と東or西の2つの天体の動きから極軸のズレを観測して、補正する方法のようだ。本の方法もASI AIRを使ったドリフト法ということになる。
Kさんの天体観測日記というブログで『北極星が見えないベランダでSynScanProアプリで極軸合せ』を発見(資料3)。ここで紹介されている内容を目標にすることに決める。概略は2スターアライメントを済せれば、SynScanProの極軸補正機能が使えるとのこと。

7月3日
つまみネジのはしをノコギリで切り落とす。あとヤスリとカッターナイフで微調整。


試運転。
乾電池装填。iPhone7で接続。動作せず。やっちまった?顔から血の気が引く。
メダカ部屋で、ACアダプター接続。デスクトップパソコンに有線接続。動いた。ほっと一安心。
無線での接続が有効になっていない?無線接続を有効にする。スマホでも接続OK。
なお、この夜Virtuoso-GTiでの観測不安定。接続時にDATA RESTOREを選択したのが原因か?再度やり直しでDATA CLEARを選択。再度のアライメント。
AZ-GTiに接続したから?AZ-GTiの情報が使われた?
 
7月6日
赤道儀化AZ-GTiをベランダで初使用。
FMA135はシャフトだけでバランスが取れた。
子ども用磁石セットの方位磁針で北を設定。水平は、各機器の水準器。
アンタレスで1スターアライメント。
自動導入ずれる。ライブスタックずれる。しかし経緯台モードの視野回転より小さい?
再度アンタレスで1スターアライメント。より慎重に正確に。
アンタレスも含め7天体を電視観望。
ズレは生じるが1スターアライメントでも電視観望できることは確認できた。
SharpCapProでのプレートソルブ・DSIAそしてCenter In Viewで目標天体を中央に導入できる。また、導入を外してもObjects nearbyから導入できることもある。


パソコンCPU100°C貼り付き。ライブスタックでのアライメント計算の負担大?
最後に山から出る月を対象に、自動導入かけると月10個分以上ずれる。アライメント星(アンタレス)から離れると誤差が大きく役に立たないようだ。

7月10日
目標はブライトスターアライメント。2スターアライメントの1種だから、これで上手くいけば、SynScanProの極軸合わせの機能が使えるかもしれない。今までとあまり変わらない状況で、赤道儀の活用がはかれる。 2つ目のアライメント星に知った星がなかなか無い、スピカを見つけ、アンタレスとスピカで実行。テストでM8導入。FMA135が地面を向く??? 2時間ほどいろいろ試す。全部ダメ。しばらく休憩して、資料3をヒントにして『あと出しジャンケン作戦~本当は極軸あってたよ!』を思いつく。
極軸が合っていれば、きちんと導入できるはずだから、1スターアライメントをする時、SynScanProの操作でなく、微動雲台で調整する。AZ-GTiが動かずアライメントが終了すれば、もともと極軸あってたことになる。そして実行。問題発生、調節ネジ限界まで動かしてもアンタレスを中心に導入出来ず。ええい!と、三脚の足をずらす。アライメントO.K。ズレはあるが5天体の電視観望ができた。疲れきった。
導入天体により、ズレ方に違いあり。

7月11日
『あと出しジャンケン作戦~本当は極軸あってたよ!』PartⅡ。
三脚を動かすのは流石に乱暴。水平も狂う。重い天体望遠鏡では、転倒の危険もある。エクステンションピラーの3本のネジを緩め、AZ-GTi+微動雲台を動かす方式にする。FMA135は軽いから・・・130PDSでは出来ないな~と思いながら試す。ドンピシャ。
テストに導入したM8干潟星雲でライブスタック中のズレほぼなし。感動!(記録107)快適に運用できた。パソコンのCPU温度も低め、ただ自動導入は少しズレる。(130PDSではこの方法は無理。危険もある。)しかし視野回転のない電視観望なかなか良い。
また、プレートソルブと、DSIAのCenter In Viewで、導入のズレは修正できる。(修正できないときもある。)

導入には成功したが中心を外している。

対象天体を選択し黄色表示に変えてから、Center In Viewで画面中央へ

データクリアでライブスタック再スタート。中央に導入された。

天体写真では使えなくとも、電視観望ならこの程度でもなんとかなることはわかった。ただ130PDSでは無理そう。

しばらく、この方式で経験を積む予定。
赤道儀化AZ-GTiに130PDSを搭載できる日はまだまだ遠い。



参考資料
1)JUNZO著「アンドロメダ銀河かんたん映像化マニュアル」日本実業出版社