分け入っても分け入っても本の森

本読む日々のよしなしごとをそこはかとなく♪

●ちいさなヨンダくん23

2006年11月18日 23時23分00秒 | ちいさなヨンダくん
(おなかがいたくなったのは、)*1 あんなにたくさん、のいちごをたべすぎたりするからです。
「どうしよう、どうしたのかしら」
おかあさんパンダは、しんぱいそうにパンダのこどものせなかをさすります。
ヨンダくんも「おろおろ」して、すあなを、でたりはいったり。カヤの木のおじいさんなら、なんでもしっているのだけれど。こういうときは、どうしたらよいか、おしえてくれるのではないかしら。

「ぼうや、だいじょうぶ」
そのあいだにも、パンダのこどもは「うんうん」うなって、それいじょう、よくもわるくもなりません。
「いちどにたくさん、のいちごをたべたりするからだよ」
どうしたらよいのか、カヤの木のおじいさんにききにいくつもりで、ヨンダくんはそういいました。
おかあさんパンダのかおいろが、かわります。

「なんですって、なにをたべたの」
「のいちごをたくさん……」
ヨンダくんは、こういうときにうそをついたりするこどもではありませんでした。これいじょう、パンダのこどものぐあいがわるくなったりしたら、たいへんですもの。
しょうじきにこたえるヨンダくんに、おかあさんパンダは、つづけてなにかをきこうとします。
そこに、おかあさんパンダのこどもは、さっとわってはいりました。
「ぼくは、いやだっていったんだけど。はやくたべないなら、ひとつもわけてやらないぞ、って」
――じぶんのほうが、ヨンダくんよりよい子だと、おかあさんパンダにおもわれたかったのです。

あっ、とおもったのは、つぎのしゅんかん。
おかあさんパンダのおおきなてが、さっとふりあがって、ちいさなヨンダくんのほおを、ピシッとうちました。
あっけにとられるヨンダくんのめから、そうとしらぬまに、ポロポロとなみだがこぼれおちます。

ヨンダくんは、なにもいえませんでした。
ほんとうの「いきさつ」を、おかあさんパンダにはなしたらどうでしょうか。
いえいえ、そんなことをしたら、パンダのこどもは、おかあさんパンダにしかられてしまいます。
それに、「つげぐち」するみたいで、わるいですものね。

――でも、ほんとうにそうだったでしょうか。


*1 前の更新は7月30日です。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ううう (美香のヨンダです)
2006-11-19 00:48:37
けなげな小さなヨンダくんでR
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くいーん♪ (みか5さいのヨンダです)
2006-11-19 08:57:49
キミキミキミ♪
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