分け入っても分け入っても本の森

本読む日々のよしなしごとをそこはかとなく♪

●「戦争レクイエム」ブリテン~スターバックス

2008年03月23日 23時31分08秒 | 音楽
東京の桜に開花宣言の出された翌日、群響の戦争レクイエムを聴いてきました。
なんだかマニアック、なわけではなく、チケットが回ってきたので義理です。
高関さん(指揮)長いなあ、でもマロさんがコンマスやってた頃とはすれ違いだっけ。
(いまや「マロ」が公式?通称になっているのにもビックリです。それから、この後、高関さんは群響音楽監督を辞任されました)

肝心のブリテン「戦争レクイエム」は個人的に苦手。
ラテン語の「ラークリモーサーラークリモーサーディーエスイレー♪(ここ、強烈なのに)」の後に英語で続ける合唱コラボレーションセンスがよくわからないです。
(その前に、だいたいイギリスのクラシック音楽は弦パートは面白くないのですが。エルガーとかも)
意図的に強いメッセージ性の押しつけがましさは苦手と、青臭いことも言ってみる。
ただ、初演のときのディースカウは、ぼくの今まででいちばん好きな声楽家なので、この曲に興味がないわけでもありませんでした。
でも、やはり今日のどんよりした空模様に影響されて嫌になってしまうくらい苦手なのは……何かと似ている、この感覚。


はっ!
これはスターバックスのいやらしさだあ。
あのイタリア語か英語かよくわからないコラボレーションに、バリスタと呼ばせる店員のおぼつかなさ頼りなさ。
何より美味しくない肝心の珈琲、しかもエスプレッソ。
あれを「美味しい」とするのが圧倒的な一般評価は捏造ではないかと思っているのです、ぼく。

美味しくないです、スターバックスの珈琲(なんて)。
インスタント珈琲もろくに淹れたことはないであろう「バリスタさん」(←「店員さん」と言えないのか)が、どうでもよさそうに「あ(間違えた)」と漏らしそうになりながら、へっぴり腰でくつり上げる珈琲(エスプレッソ)。


「行きつけの」という俗っぽさは下品だと思うので嫌ですが、いくつかこころあたりの喫茶店があって、そこでいただく珈琲の方がよほど美味しいけどなあ。
あのレベルであの値段と言いたくなるスターバックスの、どこがお洒落で支持されているというのかなあ。


で、まったく矛盾しているのですが、スターバックスの店頭に可愛いグッズが並んでいると、つい引き寄せられてしまったり。
今年の桜タンブラー、あまりにもキュートで買ってしまいました……後で使わないことはわかっているのに……。(ちょっと反省)
  

※ いちおう、お弁当といっしょにタンブラー持ち歩いています。(平日限定)

●ティファニーで朝食を

2008年03月07日 23時14分14秒 | 読書
■『ティファニーで朝食を』T・カポーティ/村上春樹訳(新潮社)H20.2.25を買いに行きました。

最近1~2年来のことですけれど、都内の大型書店には書見コーナーが整備されてきています。
よく行くブックセンターでも、いつの間にかほとんどのフロアの窓際にテーブルと椅子が並ぶようになって、喫茶コーナーかと間違えそうな雰囲気。(もちろん飲食は御法度です)

それより以前は、書架の角に1人掛けの木の椅子が置いてあるくらいで、足の悪い人に気を遣った程度にしか見えなかったのですけれど。

新刊については、ぼくはけっこう立ち読みをしてしまいます。1人だったら読みながら3~4時間立ちっぱなしでも平気。
もちろん周囲の人の動きや、本を汚さないように気を遣いながらなので、それ相当に疲れはするはずなのですが、読んでいる最中は自分ではその疲れに気付きません。
ですから書見コーナーはよいアイデアだな、と思います。
少なくとも人の流れを気にしないで本を選びチェックする(読む)ことができるからです。
発刊点数は増えているのに売り上げは伸びないというご時世。ゆっくり本を選ぶことができたら、結果、売り上げに貢献するのでは。
でも、動線の無駄を省きたいぼくは結局、書見コーナーに座ることはなさそうです。(あらら)

書見コーナーについては改造移転前の大丸6Fにあったブックカフェの思い出を書きたいところですが……略。

さて、平積みは前評判高い村上春樹訳2冊。
1階入口を入ってすぐの展開です。

すごいなあ!
ティファニーブルーの表紙が桜前線に先駆けて満開♪
思わず目を奪われました。

ここで、あらかじめ立ち読みを省いて買おうと思って行ったのに、なぜかいきなり買う気がなくなりました。
ティファニーブルーの山を見たとたん急速冷凍、醒めてしまったような感覚で……。
自分のことながら、いったいどうしちゃったのでしょう。
しかたなく、知ってはいるストーリーを確認するためにページをめくり、訳文を少しチェックしました。

収録最後の短編に目が留まります。
「クリスマスの思い出」
どこか遠いところで鈴の音が鳴ったような。
理由はわかりませんが、聴覚ではない感覚で音を聴きました。

しかたないような気分で『ティファニーで朝食を』を持ってレジへ。
もう1冊の『ペット・サウンズ』は今回は見送り。
ビーチ・ボーイズといえばPet Sounds。CDは持っているけれど……うーん。
この手の音楽は、CDはけっこう流したのですが、いわゆるクラシック音楽に較べてダイナミックレンジの幅が狭く平坦で短いので、ぼくは面白くないです。
唱歌でもありませんし。
まあ、この本はしばらくは品切れにならないでしょう。(この時点でなぜか疲れている、ぼく)

コード進行が途中でおかしくなる展開の特徴的なビートルズ、といえばAbby Road (かなあ)。
It's Only Rock'n Rollなストーンズといえば、だからIt's Only Rock'n Roll(かなあ)。
というくらいには聴いているのですが、まあこれらは英語圏とはいえ「イギリスもの」ですが聴いてはいても、やはり……傾倒できない。


「村上春樹的アメリカ」なのか「アメリカ的村上春樹」なのか。
自分の肌に合わないな、と思いながらチェックしてしまう気弱さは何なのでしょう。(自問)

話を戻して、カポーティの「クリスマスの思い出」は鬼才山岸涼子の漫画が美しく素晴らしく、早くから心に刻印された作品です。
これは春樹訳より優れています。テキストと漫画を比較するのは不当でしょうけど。
山岸涼子作品の初出はなんとS51.1、漫画のタイトルは「クリスマス」でした。(もちろんリアルタイムで読んだわけではありません)

カポーティはいつだったか、ユリイカの1989.4特集をガイドに集中して読みましたが、ぼくにとっては心が「帰っていかない」世界です。知識として骨肉になってはいますが。
(でも、「叶えられた祈り」は面白かったです)

『ティファニーで朝食を』については、もはや新潮文庫版の訳(瀧口直太郎)と比較するのはナンセンスです。
訳文テキストにしろ装訂にしろです。
春樹訳はストレスなく読めますし、巻末の(春樹による)作品解説も一読の価値があるので、買って読んでよかったです。

どうも脈絡のない展開――今日は、他にも何冊か買って帰って即日読みましたが、なかなか読書記録としてつける気になれない……。

※ティファニーについて
銀座路面店が開店してしばらくは店の前に路駐する車もないくらい恐れ入った雰囲気でしたが、映画のようにカジュアルではないものの、今ではまったくふつうに銀座にとけ込んでいます。
――まあ、価格設定がおかしい世界です。
うっかり「見てるだけ」でも店員から名刺とカタログCDを渡されてしまうので恐縮してしまいます。(まるでティファニーで買い物をしたかのような紙袋を抱えて帰る羽目に)
 

●東京ラスク

2008年03月05日 21時50分23秒 | お菓子
ここ20年でいちばん寒かったといわれる冬が終わる頃、嵐のような春一番が吹いて(2月23日)、あっという間に花粉の飛ぶ季節。
この時期、花粉症のぼくは外出するのがほんとうに辛いのですが、本郷方面へ出向いたついでに思いついて、「東京ラスク」へはじめて寄ってみました。

「東京の洋菓子あれこれ」(2007年8月26日)を書いた頃、「東京ラスク」の名を耳にしてはいました。
でも、頭に「東京」とつけているところが「わざわざ」らしくて、ぼくはあまり関心を強くできずにいたのです。

「東京ばな奈」(の二番煎じ)みたいなネーミングだな、なんて。

それに、ラスクって豆腐屋さんのおからみたいなものだという認識で。
豆腐を作った残りみたいにパンを作った残りというわけではありませんが、残って固くなったパンを食べる知恵でしょう。

お菓子はお菓子かもしれませんが、なんだかな、なんて。

さて。ぶらぶら歩いて発見したお店(「東京ラスク」本郷店)は、いかにもおしゃれなこぢんまりした洋菓子屋(路面店)です。
気軽に入れる雰囲気。可愛く個別包装されたラスクが並んでいます。

実物を見ると美味しそうなものですね♪

どれにしようかな、基本は押さえなきゃ、でプレーンなシュガーラスクと季節限定のショコラスク、甘くないのもいいかな、と思ってガーリックをまずは選びました。
包装、見栄えはなかなかですから、それに流行っているみたいですし、これが美味しかったらお遣い物リストに入れることも考えて、と。
結局、メープルとプレミアム・アマンド(美味しそう♪)とチーズチリも買ってしまいました。
家でお紅茶を入れて食べようと持ち帰る道のり。はじめて食べるお菓子って、食べる前に考えただけでわくわくします。

結果、味についてですが。
うーん、普通……に美味しい。
美味しい、でも普通。
パン屋さんの片隅に安い値段で積み上げられているラスクと較べて……普通。
だとしたら?
(お値段の違いが割に合わない!)

カリッ、サクサク。この1枚の幅を測ったら9ミリです。
9ミリが2枚入って1袋の小包装。これが種類によって5~6袋でまとめられて420円。
ということはパン9センチ~10.8センチで420円。*1
甘く塗って加工されているとはいえ……そんなあ。
(花粉症と雰囲気でぼんやりしていたとはいえ、先に気付かないのはいけなかったです)

「東京ラスク」のホームページはこちら。
 http://www.tokyorusk.net/
好みだと思いますけれど、ぼくとしては甘いラスクの方がよかったです。

「東京ラスク」を作っているのはどういう会社かと探したら、こういページがありました。
 http://www.nextone.jp/no051201/hi/hi10.html


*1 東京ラスクの生地は、いわゆるパン(の残りなど)ではなくてラスク専用に配合して焼き上げたものだそうです。