分け入っても分け入っても本の森

本読む日々のよしなしごとをそこはかとなく♪

●本棚をめぐるあれこれ:「タンタンの冒険旅行」

2009年02月23日 19時46分10秒 | 読書
ぼくら(ぼくと、ぼくのご主人:みか5さいちゃん)の暮らす小さな部屋の壁は本棚になっています。
壁=本棚の状態で、これはもう何年前でしょう、諸事情に鑑み、ご両親がリフォームしてくださいました。
それまでに何度、部屋中、家中の本棚を壊したことか、そのたびぼくら二人座らされて説教されるわ叱られるわ、「いい加減にしなさい」「ごめんなさい」でバトルな日々、日々本は増え続け、ついについに部屋の壁そのものを本棚にしてもらうことに。

リフォームは、そりゃあ一時的に本を動かすだけでも大変でしたけれど、最初は開いた口が塞がらないような顔をしていた大工さんもプロフェッショナルに黙々と工事してくださって、いよいよ完成した日。
ぼくら手を取り合って踊り喜びました。

「素晴らしい、素晴らしいですね、ヨンダくん」
「ええ。でも壁が本になったということはですね、(楽器の)音響的にはデッドです」
「かまわないのでR。近所に(楽器の音が)響かなくて、かえっていいじゃんか♪」
「そうですか。でもこの本棚(でも)いつまでもちますかねえ」
「この美しさを損ないたくない、もう本は増やさないのでR」
「なわけないでしょう」

リフォームしたての頃の本棚(=壁)の一部(今の状態は、とても公開できない)


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そして、いまや床から高く積み上げられたブックタワーの間をぬって歩く生活。
小さな部屋は、さながら迷路のありさま。

「いわんこっちゃないですね」
「さすがに、まずいのでR。どうしよう、ヨンダくん」
「こうなったらもう、おかあさまだって許してはくれません。背に腹は代えられませんよ」
「どうしよう、ヨンダくん」
「ぼくのいうことを聞きますね」

そうです、背に腹は代えられません。
本棚も部屋のキャパにも限界はあります。(四次元ポケットを欲しい)
すでに楽譜とCDと漫画の大部分は納戸へ移しているのですが、このたび完全移動、最後まで部屋に残ったパタリロ全既刊(今のところ81冊、続刊継続中)も納戸へ移します。
ぎゃんぎゃん泣かれましたが、ここで心を動かしては仕事になりません。ひつじ(執事)の辛いところです。
さて、これだけでも、けっこうなスペースが……(沈黙)。

まだまだですね。
こうなったら腹をくくって、池波正太郎、山本周五郎には出て行ってもらいます。
鬼平よ剣客よ、さらば♪(居間へ行ってください)
さらに激しく、ぎゃんぎゃん泣かれましたが耳を貸しません。ぼくだって辛いんだ♪

このさいハリー・ポッターも、皇室関係にも出て行ってもらおう。
さて。
……少し床が見えてきましたか。


それにしても、本棚はもとより納戸はおろか廊下の物入から、洋服ダンスの引き出しまで本で埋まっているのは、もうどうしたものでしょうかね。

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こんなことやってたら、土日はあっという間に過ぎてしまいました。
ずっと本を(紙を)触っているので、手指はガサガサに。
これはクリームやオイルで回復しません、時間だけが薬。
幾度も経験のあることながら、そのたび触れる一冊一冊の本が世に出るまでの産みの苦しみに思い及び(ぼくがこの本を手にするまでに、書いた人から編集装丁、カバーや帯をつけるような作業をした人、運搬搬入した人もろもろ、どれだけの人の労力によるものか)、胸が熱くなります。

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(memo)
本を整理する過程で出てきた郵便物。
「タンタンの冒険旅行」シリーズを(日本で)出している福音館書店からの案内。
シリーズ最終巻が出たのは、もう1年前になりますが、今年DVDが発売されたそうです。(2月4日)

これも、本の方は不定期刊行で予約制ではなかったので、なかなか大変でした。
例によって、刊行予定は遅延遅延で引っ張りましたし。
ただ、福音館書店は登録した読者に、刊行案内をずっと郵送してくれていました。
それでも、ぼくは19巻から後を買いそびれてしまっているので、これから最終の24巻まで揃えるつもり。

タンタンもスノーウィ(ミルウ)も大好きなのです。
「真の旅人とは異形の友を連れているものでRよ」
というのは、みか5さいちゃんの言です。
その通りだと思います、ぼく。
いうまでもなく、西遊記のメンバーからスノーウィもスヌーピーも、そしてドラえもんまで、ね♪
  

●アート・ライブラリー(西村書店)

2009年02月07日 21時04分12秒 | 美術
西村書店のアート・ライブラリー全43巻を揃えてみました。
第1期出版が始まったとき(1994年)から、ぽつぽつと購入していたのですが、不定期刊行でしたし全巻揃うまで長かったので、途中買い抜けたものを後から探し求めて揃えました。
けっこう大変でした。*1

今、西村書店のサイトを見ると、これは全43巻となっています。*2
でも、もはや知る人は少ないとは思いますが、そもそもは全120巻刊行予定だったはずなのですね。
英国ファイドン社との共同出版というか、原書はファイドン社刊で、その日本語版という位置付けなのかなと思いますが、それにしても120巻予定はどこで頓挫したやら。
……釈然としないこと、この上もなし。
ただ1巻1巻それぞれは、なかなかよい本です。

一人の時間に珈琲を入れて音楽もかけずに画集をめくる楽しみも、また何ものにも換え難いです。
画集から音楽と物語が立ち上ってきます♪

ぼくのご主人は芸大進学を勧められていたくらい、美術と数学は得意でしたし、文学を専門にすることになったのは不思議なような必然なような……今でも絵筆への衝動に忘我疾走しかねないところはありますが。(注:自覚はあるので、ちゃんと抑制の効いた常識人です)

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西村書店のアート・ライブラリーに先駆けて1990年、今はなき(名を変えた?)同朋舎出版から「週刊グレート・アーティスト」全100巻が刊行されていました。*3
内容は薄いけれど、それなりに見どころもあって、毎週500円という微妙な価格設定で、サラリーマンのお父さんたちにもファンは多かったみたい。

こういうラインナップ、流行っていたのでしょうかねえ。

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西村書店といえば、最近よく新聞に広告されている(少年少女)世界名作文学系の出版も読んでみました。
読んだことはある本ばかりですが、ぼくが小さな頃に読んだものと比べても訳はよいと思いますが、挿絵はちょっと(^^;
子ども向け名作文学の挿絵は物語からのインスピレーションにも少なからず影響するから、せっかくのよい訳が……(もごもご)。  


*1 現時点で、「ラファエル前派」「カンスタブル」「イタリア・ルネサンス絵画」「レンブラント」「フラ・アンジェリコ」「ドガ」「シーレ」「カラヴァッジョ」の8巻は品切れになっています。

*2 実際には日本では44巻刊行されました。今は、「マティス」は廃刊になっているもよう。(その辺りの説明はなく、出版サイトでは全43巻とだけ表記されています)英国版原書は、それに「ジャポニズム」を加えた45巻か?

*3 好評だったのか、その後1994年に再刊されました。