分け入っても分け入っても本の森

本読む日々のよしなしごとをそこはかとなく♪

●ちいさなヨンダくん22

2006年07月30日 23時29分41秒 | ちいさなヨンダくん
田中さんは、いちだいけっしんをしていました。
田中さんみずから、ヨンダくんのおかあさんに、ヨンダクラブ学校のはなしをしようとおもったのです。

それというのも、ちかごろのヨンダくんは、田中さんのめからみて、とてもあぶなっかしいのです。
「木のむろ」へ本をよみにかようのも「おざなり」に、パンダのこどもたちとのあそびにかけだしていきます。
そのりゆうを、うすうす田中さんはわかっていました。
ヨンダくんは田中さんに、「学校のことを、おかあさんにはなしてみる」といったのですが、うまくはなしだせなくて、むりをしていることはいちもくりょうぜんです。

「これはいけないぞ」
ヨンダくんのおかあさんというのはどういうものなのか――それは、おとなのヨンダなのかパンダなのか、けんとうもつきませんでしたが、こわがっているばあいではないと田中さんはかんがえました。
ちょっかんてきに、いまのじょうたいはヨンダくんにとってよいものではないと、田中さんはきづいていたのです。
できるだけはやく、ヨンダくんをヨンダクラブ学校へひきとらなければ。
ヨンダくんをこまらせないように、ヨンダくんのおかあさんとはなすきかいを、田中さんはうかがっていました。


さて、そのよるです。たいへんなことがおこったのは。
「おなかがいたいよう」
おかあさんパンダのこどもが、ねどこにはいるまえに、おなかをかかえてくるしみだしました。