分け入っても分け入っても本の森

本読む日々のよしなしごとをそこはかとなく♪

●「地球が静止する日」

2008年12月31日 21時31分09秒 | 映画
この大晦日に、ふと行方をくらまそうとする、ぼくのご主人=みか5さいちゃん。*1
こらこらこら~!
と追いかけたら、しばらくぶりに日本で会うご家族をお迎えに行くのですって。
その上、今日まで有効の映画チケットを持っているから、ついでに観て来ましょうという無茶ぶり(^^;

今のロードショーにあまり食指は動かないものの、ぼくは「ワールド・オブ・ライズ」を観たいと思ったのですが、ご家族の選択は「地球が静止する日」。
シネコンとはいえ別々に観るのも愛想が悪いので選択権は譲ります。

「なんだかんだいって、けっこう面白いのではないかしら」と頼む期待は見事に裏切られましたというか、なんというか、この映画。モー(丑)、でも、ある意味面白いかも。
リメイクなのですけどね。

地球が静止する日=マゾーン襲来(「キャプテン・ハーロック」松本零士)+「バビル2世」横山光輝+オバマ第44代米大統領当選者演説+自然環境問題

音響映像とも始まりから誤魔化し過ぎです。
平たくいうと安い、低コスト制作。お金をかければよいというものではありませんが、何か違う。
ストーリーも大風呂敷広げてる割には何か違う。
側線もご都合主義に過ぎる安っぽさ。亡き配偶者の連れ子と二人で暮らす若いステップマザー(ジェニファー・コネリー演じるところの宇宙生物学者)、そのファミリー再生修復劇。(「子どもを使いましたね」の線)

……うーん、これは駄作でしょう(^^;

ご家族(本物の生物学者)は途中で寝てらっしゃいました。
「バビル2世」を読みたくなりましたよ。

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東京湾クルージング。

海上から見るフジテレビ


松本零士デザイン船


白鳳丸

いちばん右は、東京大学海洋研の白鳳丸です。(海洋研究開発機構に移管されましたが)

海上から見る東京タワー


東京湾岸の景色




*1 「みか5さいちゃん」なんていうのは、いかにも変ですが「バビル2世」とか、そういう類いのインターネット上の呼称のひとつなのです。以前のホームページ(webサイト)では別のHNを使っていました。読みにくいから変えちゃおうかしら、と考えないでもないですが、ここではまあいいか。


●「幻影師アイゼンハイム」

2008年04月30日 23時19分05秒 | 映画
映画の試写会に行きました。
アメリカでロングラン、話題になった映画のようですが、どうなのかな。
ストーリーは、始まって程なく通しの予想はついてしまいます。

 幻影師アイゼンハイム=ロミオとジュリエット(身分格差アレンジ)+イリュージョン+サスペンス

要素点、ほぼ満点。作り込み、上等。
でも、大概成功している公式の運用に足りない何か。

ひとつには、縦の線になるロマンスと配役が爆発しません。
映画界のロマンス・ストーリーは、往年のハリウッド名画を超えることができないようです。
(だからストーリーで勝負できない分、今はアクションとスペクタクルのない映画はつまらないです)
メジャーでベタですが、たとえば「ローマの休日」(←書いてて嫌だな)、「慕情」、「風と共に去りぬ」etc,etc...

「サウンド・オブ・ミュージック」のような家族愛以外には、恋愛は成就しないことが鉄則です。*1
近年の「タイタニック」でさえ、それを踏襲したのに、あえての定石破りはなぜ。
<ラストの爽やかな余韻>――そう押しつけられても、何かちょっとちがうような。

「タイタニック」の配役は、なんといっても主演のディカプリオに力がありました。
側線のラブ・ストーリーも、変てこりんなテーマソング("My Heart Will Go On"ですっけ)も、ディカプリオのパワーで押しまくったことは否めず、あれが他の配役だったなら映画の評価も船と共に沈んでいたことでしょう、ブクブク。

「幻影師アイゼンハイム」はヒロインがそう美人ではない、のは「タイタニック」と同じ。
なら、引っ張り役のヒーローにパワーが足りないのです、やはり。
ちょっとエロティックな造作、フェロモン(これを「色気」というのかも)の男で「渋い演技」――だけじゃダメだあ、やはり。

話は飛んでしまいますが、ぼくは「タイタニック」のディカプリオは、「パワフルなヤングボーイ」としか思わなかったのですが、日本では去年公開された「ブラッド・ダイヤモンド」のときは、すごいなあ♪と思いました。
ダイヤモンド業界(だけじゃない)からの圧力なのか、上映期間は極端に短かかったのですが――「ブラッド・ダイヤモンド」――ここ数年でいちばん好きな映画かも♪ 


*1 「昼下がりの情事」のようにちょっと傾いたものはまた別ですが、これも名画。ということは、いちがいにひとくくりにはできないか。

●「散り行く花」

2005年12月07日 21時20分50秒 | 映画
今日は、お昼にみか5さいちゃんが帰ってきたので驚きました。
いつもは、そんなに早くは帰らないのです。
「いったい、どうしたのですか」
「これから、BSで放送する映画を観たいのでR。ヨンダくんも、いっしょにどう」
「はい♪」

■「散り行く花」1919年 監督:D・W・グリフィス 出演:リリアン・ギッシュ、リチャード・バーセルメス

みか5さいちゃんのmemo:
 シュールな青年、恋――より愛――より無垢への崇拝に近い憧れ、美の対極として描かれる暴力、珍妙なシノワズリ、あくまで受動的な女、純潔を疑われることは屈辱
(日本語のナレーション邪魔)
 

13歳の淀川長治少年を号泣させた映画だそうです。

みか5さいちゃんは、役のリチャード・バーセルメスをお気に召したみたい。