goo blog サービス終了のお知らせ 

JOY OF LIFE ~ in MIAMI ~

SAN DIEGO → 西三河 → MIAMI・・・流れ流れて・・・?

命がけのアクティビティ@ザイオン(3)

2011-06-03 21:21:56 | 旅のはなし
Angels Landing。

なにやら乙女チックな名前がついているが、だまされてはいけない。

この頂を目指すトレイルは、ハイキングガイドによると「難易度:Strenuous」。
辞書で調べてみたら「かなりの努力を要する」という意味だそうだ。

かなりの努力・・・。

本来なら、一番元気な朝のうちにトライするべきであったろう。
それが本日3本目のトレイル、しかも最高に暑い時間帯の出発である。
・・・・大丈夫か?

「まあダメそうだったら引き返せばいいさ」

「そうだよね、ダメだと思ったらそこでやめよう」


歩き始めてしばらくは、緩やかな上り坂がだらだらと続く。
まだ体力もあるので快調に歩けるのだが、いかんせん日差しが暑くてたまらない。
時々木陰で小休止したりしつつ、ひたすら上を目指す。


こんなサボテンの花を撮影する余裕もまだあった。

30分も登った頃からだろうか。

登り坂の傾斜がどんどんキツくなってきて、完全に息があがってきた。
心臓もバクバクいっている。

数分ごとに「ちょっと休憩・・・」と木陰にヘタりこみ、水分補給をしないと
いられない状態である。
炎天下の中、テニスを1時間やり続けたくらいの疲労感。
水だけではヤバそうな気がしたので、休憩の際は持ってきていたプリングスを
2~3枚ずつ食べて塩分補給も心がけた。

今思えば、あのプリングルス補給がなかったら、最後まで頑張れなかったかも
しれない。

特に、Scout's Lookoutと呼ばれる中継地点(舗装された道はここまで)の直前
にある<心臓破りのつづら折り地獄>には参った。

ものすごく急な上り坂がジグザグジグザグと永遠に続くのだ。

正直、10回くらい「もうダメです」と座り込みそうになったが、夫の励ましと
プリングルスのおかげで何とか前に進み続け、それでも「いや今度こそダメ」と
思った瞬間にScout's Lookoutに到着。

やった・・・着いた~・・・。

思わずへたり込む私。

そこは涼しい風が吹き抜け、眼下には蛇行するVirgin Riverを望む絶景が広がる。


が、勘違いしてはいけない。

ここはまだ中継地点なのだ。

更に上を目指す人々が向かう先を見て「あたしゃ無理かも・・・」と思った私だが、
「せっかくだから行ってみよう」という夫の言葉に、覚悟を決めて立ち上がった。



そう、ここまでのトレイルはほんのお遊び。

ここから頂上までは、鎖を頼りに岩場をよじ登り、足をすべらせたら即お陀仏の
地獄の1時間となる。

確かに鎖はある。

しかし、恐ろしいことに、この鎖場は双方向通行なのだ。

つまり、私たちが下から登っていくと同時に、上からもどんどん人が下りてくる。

両側は崖で命綱は鎖のみ、という状況の中、どうしてもどちらかが道を譲らなくては
ならない。

一度など、上から来る人を通そうと、鎖を離して崖っぷちに待機してた私の足元に
下りてきたオッサンが足をすべらせてキックをかませてきやがった。

その時ほど他人に対して「殺す気かっっ!?」と本気で思った瞬間はあるまい。

夫もそうとう恐ろしい思いをしたようで、彼が撮影していたビデオカメラの映像を
今見ると、
「えー・・・ここは落ちたら絶対死にます」とか
「ほんとうに怖いです」とか
「なんなんでしょうこれは」とか
ヤバそうなコメントばかりが彼のか細い声で録音されており、夫の味わった恐怖が
ひしひしと伝わってくる。


確実に死と隣り合わせの鎖道。 高所恐怖症の方なら失神間違いなしでしょう。

そんな恐ろしい1時間を経て、ようやく頂上に辿り着いた時の嬉しさといったら・・・。

他に人がいなければ
「やってやったぞコンチクショー!かかってこいやーーっ!おりゃーーっ!」
くらいは叫んでいただろう。
そのくらいの喜び(?)と安堵感で胸がいっぱいであった。

問題は、この頂上にいること自体がものすごい怖いということだ。

目も眩むような高さにあるやたら狭い空間から望む360°のパノラマビュー。
しかも絶えず吹きすさぶ強風。

どう考えても長時間リラックスして余韻にひたれるものではない。

2時間もかけて登ってきたというのに勿体ないことだが、私たちもものの数分で
この頂上を後にした。


こんな写真を撮るのがせいいっぱい。 あー、今思い出してもゾッとする。。。

登っている時には
「こりゃー、もしかしたら下りのほうが怖いかも・・・」
と思っていた私たちだが、慣れというのはすごいもので、何故かさほど恐怖を
感じずに、かなりのスピードで鎖場を下ってこれた。

よくわからないが、恐怖を感じる神経がマヒしてしまったのかもしれない。

おかげであっというまに中継地点まで下山。
その後はただひたすら疲労でガクガクする膝をかばいながら<つづら折り地獄>を
耐え忍び、やっとこさっとこ下界に辿り着いた。


Angels Landingを下から見上げると「まあよくもてっぺんまで登ったもんだねしかし」
とつくづく思う。

下山後、夫と顔を見合わせ「お互い無事に生還できてよかったね・・・」としみじみ
生きていることの素晴らしさを感じた次第だ。


というわけで。

Zion National Parkは、本当に素晴らしかったですよ。
そして、確かにトレッキングをしてこそ真の醍醐味を味わえる国立公園だったと思う。
機会があれば、今度は紅葉の素晴らしい季節にもう一度訪れたい。

Angels Landingはさすがにもう登ることはないでしょうけどね。

ええ、絶対に。

命がけのアクティビティ@ザイオン(2)

2011-06-02 23:10:28 | 旅のはなし
というわけで、Zion National Parkにて私たちが歩いたトレイルについて語りたい。


まず初日。


<Emerald Pool Trails>

園内で唯一の宿泊施設である「Zion Lodge」でバスを降りると、ロッジをはさんで
道の反対側にトレイルヘッドがある。

キャニオンの奥にある小さな池を目指す簡単なトレイルで、Lower・Middle・Upperと
下から順に3つの池があるので、どこまで行くかは時間と体力次第。

最初は「とりあえずLowerまで行ってみようか」と言ってスタートした私たちだが、
そこまでが意外に近かったので、調子に乗ってUpper Poolまで行ってしまった。

この旅で初めて夫の口から「まあせっかくだから・・・」というセリフが出たのは、
Middle Poolに到達したあたりか。

このフレーズ、その後何度も聞くことになります。


Lower Poolそのものは大したことないが、池を囲むようにそびえる岩壁から流れ落ちる滝と
その滝の裏をくぐるように続く、びしょぬれ覚悟のトレイルが大変楽しい。


Upper Poolに到着するもそこは頂上ではなく、更に高い渓谷が池の周りにそびえていた。
真上を見上げるとこの景色!

名前からも容易に想像がつくが、Upper Poolまではずっと登りが続くので結構疲れた。
結局、往復で1時間半以上かかったし。

初日なのに頑張りすぎ!


さて、2日目です。


<Riverside Walk>

シーニックドライブの終着点からスタートするRiverside Walkは、ザイオンキャニオンを
南北に貫くVirgin Riverに沿って30分ほど続く、ごくごく簡単なトレイル。

ミュールディアやリスたちが愛らしい姿を見せてくれる大変ほのぼのとした散歩道である。

が、
私たちの本来の目的は、実はこのトレイルの先にある<The Narrows>と呼ばれる川登りの
アクティビティであった。

浅い川の中を上流に向かってジャブジャブ歩いてゆくと、川幅が狭くなってくるにつれて、
左右に垂直にそびえる岩壁がどんどん迫り、ついには巨大な渓谷の間で押しつぶされそうな
感覚が味わえるという<The Narrows>。

言ってみれば、Zion観光のハイライト中のハイライトである。

私らもこのアクティビティを楽しみに、はりきって短パンを着用し、川歩き用のサンダルも
準備してきた。

だのに・・・

「川の水量が多すぎて危険なため、Narrowsは6月中旬までクローズします。あしからず。」

だそうな(涙)

残念っ!!

試しにトレイルの終点から川の様子を覗きこんでみたが、確かに「こりゃ危ねーな・・」と
思わずつぶやくほどの光景であった。

ダメなものは仕方がない、と気持ちを切り替えて散歩道を引き返す。

ちなみに、このトレイルを歩いている時、世にも珍しい<川を泳いで渡る鹿たち>を見た。
Narrowsは残念だったけど、いいもの見たな。


この川の中をジャブジャブ歩いてみたかったぜ!


<Weeping Rock Trail>

Narrowsがアカン、ということになり
「それじゃあ代わりに“かなり厳しい”という噂のAngels Landingに挑戦してみようかね」
という決定が私たちの間でなされた。

往復で4時間を要し、危険度もMAXという「地獄のトレイル」らしい。

それならさっさとそこへ向かえばよかったのだが、途中にあるWeeping Rock Trailとやらにも
「せっかくだから」ついでに行ってみよう、と夫が主張したため、無駄に体力を削るはめに。

往復でも30分足らずの簡単なトレイルだが、ゆる~いスロープがダラダラ~っと続き、
そこはかとなく疲れる。

“嘆きの岩”という名前の由来は、渓谷の上に降った雨水がこの岩の表面に滲み出てきて、
まるで嘆き悲しんでいるように常に水がしたたり落ちているため、だそうな。


滝のような派手さはないが、まあ面白いっちゃあ面白い、かもしれない。

それよりも圧巻なのが、この岩を背にして眺めるこの景色!

他に人がいなければ、確実に「ヤッホーー!」とか叫んでいたことでしょう。


さあ、次に目指すはいよいよ<Angels Landing>だ。

持参していたシリアルバーやバナナで簡単なランチをとってから、意気揚々とトレイルヘッドに
向かう私たちであった。

ようこそ、命がけのトレイルへ。。。


(まだつづく)

命がけのアクティビティ@ザイオン(1)

2011-06-01 10:03:40 | 旅のはなし
さてさて。

5月末といえばMemorial Dayの連休、連休といえば小旅行!

ということで、今回の4連休は「ザイオン国立公園&ラスベガス」です。

<大自然を満喫&最後にちょっとだけ都会>という、私がもっとも好きな旅のパターン、
しかも、ずーっと気になっていたZion NPである。

サンディエゴ時代にヨセミテもイエローストーンもグランドキャニオンも制覇したうえ、
ちょっとニッチなセコイア&キングスキャニオンやサワロにも手を出したことのある私たち。

もちろん、マイアミにおいてはEverglades NPを「うちの裏庭ですけどそれが何か?」
くらいに思っている。

そんな“かなりNPフリーク”の私らをもってして、意外にも未だ未体験ゾーンだったのが
何を隠そう「ユタ州」なのだ。

数多くの国立公園に恵まれたユタ州だが、中でもザイオン国立公園は、規模こそさほど
大きくはないが、知名度・人気度ともにトップクラス。
しかも、なにが素晴らしいってあなた、あのラスベガスから車で3時間で行けてしまうのだ。

マジで??

まったくもって、これまで行ったことないのが不思議なくらいだ。


連休初日、午前中にベガスに到着した私たちは、カジノの誘惑にも屈せず
レンタカーをぶっ飛ばして一路「Zion National Park」を目指します。

ベガスからZionへは、ネバダ州を出発して途中ほんのちょっとアリゾナ州をかすって
ユタ州に入るので、短い距離ながらも3つの州をまたぐことになる。

なんかちょっと嬉しい。

ベガスを出てから1時間半、平坦で何の面白味もない一本道をダラダラ走る。
予想どおり夫が眠気をこらえきれなくなったようなので、アリゾナ州に入ってすぐくらいに
私が運転を変わった。

その直後である。

平坦な一本道だったのが、なんだかいきなり風景が一変して、山岳地帯を縫うように走る
デスロードに変わったのは。

両側にそそり立つ山々は、明らかにキャニオン風の佇まいで迫力満点。

ゆっくりその景色を楽しみたくも、カーブに次ぐカーブ&アップダウンの連続で、
前方から目を離せず気を抜けない運転が続く。

助手席の眠り姫が恨めしい・・・。

まあいいさ。

Zionに着けば、さらに素晴らしい景色を思う存分楽しめるもんねっ。


緊張の山岳地帯を抜けてしばらく走ると、Zion National Parkのゲートシティである
Springdaleに到着。

これがまた、こんな辺鄙なド田舎(失礼)とは思えないほど洗練されてオシャレな町
だったのでビックリ仰天!

キレイに舗装された道(しかもアスファルトが落ち着いたアズキ色よ)の両側に、
感じのいいカフェやギャラリー、小洒落たギフトショップなどが立ち並んでおり、
とってもいい雰囲気。

しかも、店やロッジの外観がアースカラーに統一されているので、
町全体が背後に見えるZionの景観に見事にマッチしているのである。

これにはちょっと感動。

日本の観光地にもぜひともマネしてもらいたいもんだ。


私たちが初日に泊まった「Cable Mountain Lodge」も例にもれず。
“パークエントランスにもっとも近いロッジ”という謳い文句のとおり、ロケーション抜群で
ありながら、景色の邪魔にならないよう配慮された素敵なロッジだった。

ちなみに、夫は部屋のトイレに「リモコン式の」ウォシュレット機能がついていることに
えらく感動してました。


夕方早くに宿に到着してひと息ついた私たちは、暗くなるまでの数時間を無駄にするまじと、
早速Zionの散策に出発。


宿から歩いて1分くらいのところにエントランスがあるので、超ラクチ~ン!

ここZionは、観光客の多いハイシーズンにかぎり、公園内の中央を南北に走るシーニック
ドライブが<マイカー乗り入れ禁止>になるという。

そのかわりにゲストを運ぶのが、環境に配慮したプロパンガス使用のシャトルバス。
かなりたくさん走っているので、停留所で長く待たされたり満員で乗れなかったりという
ことがなく、とっても便利なシステムなのだ。


とりあえず乗ってみたシャトルバスからは、息を飲むような素晴らしい眺めが次から次へと!
中央にそびえるのが、Zionのシンボル的な大岩壁「The Watchman」です。
かっこえ~~~!!


こうしてバスに乗っているだけでも十分に景色を堪能できるわけだが、そんなことで
満足してはいられない。
私が集めた情報によると「Zion観光の真の醍醐味はトレッキング」らしいのだ。

なるほど。

それならば、せっかくだからたくさん歩こうじゃありませんか。

初日はわりかし軽く考えていた私たちだが、実はこの翌日、“せっかくだから精神”を
発揮しすぎたばかりに「命がけのトレッキング」までをも経験することになるのである。


(つづく)

至福のホームベーカリー体験

2011-05-23 19:03:48 | 飲み食いのはなし
およそ常識では考えられないような衝撃の「レーズンパン」体験をしてからというもの、
これまでにも増して
「アメリカのパン屋はほんっとぉーーにダメだ」
という認識を深めた私。

こうなったら、やっぱりあれだろうか。

美味いパンを食べるために、いよいよホームベーカリーの世界に飛び込むべきだろうか。

あ、

ホームベーカリーつってもあれですよ、いわゆる<パン焼き器>なるものに手を出す
ってことですよ。

自分の手で生地をこねたり発酵させたり成形したり焼いたりなんてぇこと、
このウルトラ面倒くさがりの私がやるわけがありません。
無理無理、ぜったい無理。


てことで「楽ちんホームベーカリーが欲しいなあー・・・」と漠然と思っていた矢先、
帰任が決まった友人とムービングセールの話をしていたら
「あら、それならうちで使ってたやつを売りに出すわよ、私」
なんておっしゃるじゃないですか!

これってまさに天の思し召しってやつ?

かなりフライング気味に
「買います買います!」
と手を挙げて、彼女のホームベーカリーは見事私のものとなった。


こうして我が家にやってきたホームベーカリー「パン君」(←勝手に命名)。

ドキドキしながら材料を投入して焼いた初作品がかなりの失敗作だったので
(誰でも簡単に焼けるはずじゃなかったのかよ・・・ダマされたぜちくしょうっ)
と意気消沈したものの、よくよく確認すると計量を大幅に間違えていたことが判明。

つまり、1000%自分のせいであった。

猿でもわかるように説明してある絵本のような取説なのに間違えるとは・・・。
我ながらどんだけ読解力が低下してるのかと不安になる。


さて、気を取り直して二度目の挑戦。

「できあがり」のチャイムが鳴り、確実に初回よりもいい香りの漂うキッチンで
パン君を開けてみると・・・。



おおおーーーーっ!

焼けてます!

しかも美味そう!

粗熱を取るために型から出してみると、ふくらみも十分な立派な食パンが登場。




大ハシャギで夫を呼びつけて成功を祝うも、私の100分の1くらいしかパン好き
ではない彼にとっては、さほどめでたい出来事ではなかったに違いない。

それなのに、スーパーハイテンションな私にあわせて
「あー、ほんとだ、すごいね!」
と手を叩いて喜んでくれた我が夫・・・本当にいい人だ。


スライスして食べてみた食パンは十分すぎるほど美味しかった。
もちろん、「アンデ〇セン」とか「ポン〇ドール」とかの高級食パンには負けるだろう。
が、こんな美味い食パンはマイアミでは絶対に買えないのだ。
そこが一番のポイントなのだ。


こうして、我が家は好きな時に好きなだけ焼きたての食パンが食べれる家になった。

ホームベーカリーってすごい!

今朝もまた、感動に打ち震えながら食パンをハムハムしていた私です。

ダラスの空港で大ピーンチ!

2011-05-13 11:12:32 | あれやこれや
一時帰国からの帰路、ダラスの空港でほとんど人のいないガラガラの入国審査を
通過した後の出来事である。

いつものように紙ッペラを渡すだけでしれっと通過できると思っていたカスタムで
ものすごくにこやかな税関職員に
「ほん5分だけこっちで荷物を見せてもらおうかな♪」
と別室に連れて行かれた時、正直「終わった・・・」と思った。

いや、「ルルド様」は取られまい。

電源コードがついてて怪しいブツではあるが、きちんと説明すれば何の問題も
ないはずだ。

問題なのは大量の食料のほうだ。

調べられたらアウトなものが山ほど詰まっている。
しかも別室。
これは「徹底的に調べる」ということである。


笑顔がナイスなその職員さんは、必死に動揺を押し隠している私に向かって
気軽な世間話をしながらも、順調にスーツケースの中身を取り出してゆく。

彼の手が止まって「・・・これはなに?」と聞いてくるたびに、私は答えを
ひねりださなくてはならない。

「それは梅を干したやつ。ピクルスみたいなもんです」
「かつお節・・ドライドフィッシュっていうのかな。それでブロスを作るんです」
「さんまの佃煮・・・クックドフィッシュですよ」
「にしんの昆布巻き・・・クックドフィッシュですかね」
「鮭のほぐし煮・・・クックドフィッシュですよねそれも」

お前どんだけ魚詰めてんだよ、とややあきれ顔な彼だったが、底のほうから
<とろけるカレー>や<クックドゥー>が現れると、その目がキランと光った。

万事休すか・・・。

しかし、そこで負けるわけにはいかなかった。

「単なる調味料です」

「でも、肉の写真がついてるけど・・・肉が使われてるんじゃないの?」

「いやいやいや、その写真はこの調味料を使ってそんなの作れるよってだけ」

「でもねえ・・・」

「これはまったくノーミート!何故なら単なる調味料だから!」

大嘘である。

本来なら、原材料名の欄に<チキンエキス>と書いてあるだけでも、確実に
ボッシュート。(by 世界ふしぎ発見)

それなのに、私のスーツケースには原材料欄の筆頭にモロ「牛肉」と書いてある
キューピーの<ミートソース>までもが詰まっているのだ。


一瞬だが、うすら笑顔の彼の目を、私は笑顔で睨みつけた。

(没収したら恨んでやる、死んだ後化けてでてやる、末代まで祟ってやる・・・)

そんな殺気を感じたのか、ただ単にさほど仕事熱心な人じゃなかったのか。

「オーケー、もうしまっていいよ。でも次からはもっと細かく申請しないとね」

彼はそういって、ひとつたりとも没収することなく私を無罪放免にしてくれた。


(た、助かった・・・・)

完全な負け戦だったのに、何故か生き残った。
そんな気分であった。


やっぱりガラガラにすいた税関を通る時は危ないな。

次回の戦いも気合いで勝てますように。。。