随分前から、自民党寄りのマスコミは「野党は批判ばかりで政策を提案しない!」とよく批判していた。当時は「野党は政権を批判することが仕事だ」と擁護するマスコミや世論もあった。
現在は違うようだ。「野党は批判ばかり」がバカに大きな声になった。多分、アベが主導してきたマスコミの情報操作が隅々まで行き届いた結果だろう。
では、野党が政策つくれるのか?選挙前に、江田憲司が横浜市長選の勝利の余勢をかって、マスコミの前に出てきた。その時、「消費税を下げたい」と言った。記者に突っ込まれ、江田は「税の財源構成が解らないから、明確には言えない」と彼は情けない顔で言った。彼は一応キャリアの官僚だったはずだ。その彼が国家財政の中身が解らないようにしているのが、この国の財政の仕組みだと思う。
嘗て2000年に石井紘基が100兆円の一般会計だが、実際は特別会計と合わせれば予算規模は250兆円だと解き明かした。【石井紘基『日本が自滅する日』PHP出版2001(平成13)年】
それから財源の情報公開は一歩も進んでいない。この国の財政は一般会計の円グラフに、歳入は約3割の公債金、歳出の2割の国債費で、借金まみれと脅かして済ましてしまい、特別会計は全くわからないようになっている。この国の所有する財産評価もよくわからない。ともかくこの国は国家財政の隠蔽を前提として成り立っている。
結局、元官僚の江田ですら踏み込ませないという絶対官僚制度がこの国の根幹にあって、自民党と結託して情報を独占しているのが実態である。
そもそも野党には情報が与えられていない。これが野党の政策能力の足枷になっている。これが実情であろう。
こんなグラフで予算が判る筈がない。元々解らせる気が無いのだろう。