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玄冬時代

日常の中で思いつくことを気の向くままに書いてみました。

国民主権の根拠は「前文」にある

2025-07-18 10:14:02 | 憲法

第一条の天皇の象徴の地位は「主権の存する国民の総意に基く」とある。国民の主権を規定した条項はこの国の憲法の条文に一切無い。

憲法前文の最初の文章の結びに「ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する」と書かれている。つまり憲法前文の記載内容が国民主権の根拠となっている。

GHQから英文で書かれた憲法案を受け取った当時の政府は、前文はいらないから削除したい旨を申し出たが、憲法第一条の天皇象徴制を定める為には、前文は当然に必要と門前払いをされた。

この時、国民主権を避けようとしたのは誰であろうか?後年、安倍首相は「みっともない憲法」と評し、その例に「前文」をあげていた。その本意は何処にあるのか、…。

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九条より一条が怖い

2025-07-11 11:45:53 | 憲法

第一条の象徴天皇制は「主権の存する国民の総意に基く」とある。この憲法を議決したのは敗戦後の国会である。これを総意と言うには苦しい。

この条項は「ポツダム宣言」受諾の際、国体護持を米国に求めた旧政府に対するバーンズ回答の「日本の最終的な統治形態は日本国民の自由に表明する意思によって決定される」の文言により「国民主権を示唆した」に由来する。

仮に憲法改正した場合、第一条から天皇象徴制が抜け、主権が天皇や国家に戻れば、第九条があっても、戦争は国家意思として決定できる。

自民党の改正草案では、第一条に国民主権は残し、天皇を元首及び象徴と併記している。近頃、主権を国家や天皇に帰属させる憲法案を掲げる政党が出て来た。この怪を見抜けなければ、敗戦で獲た国民主権を失うだろう。

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九条はゆっくり残した方が良い

2025-07-04 10:12:38 | 憲法

戦前の荻外荘会談の時に、近衛首相は東条陸相に「米国要望の中国本土の日本軍撤退を形だけやった振りして、ゆっくりとやればイイじゃないか」と言ったが、東條は「血で贖った領土を撤退するなどは到底できない」と突っぱねた。

この時に東條は兵士の血を持ち出して、将校の矜持を貫いた。だが彼は敗戦時に自分の血を流し損なった将校だった。

憲法九条を失えば、過去にアジア侵略を繰り返し、「三光作戦」(奪い尽くし、殺しつくし、焼き尽くし:木坂順一郎『太平洋戦争』より)を平然と行ったこの國の加害の歴史が又アジアから問われることになる。

九条はこの国の近代化国家の基本条件として、平和の顔として残さざるを得ない。ただ、ゆっくり守ればいい、急ぐことはない。

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今は憲法改正はできない

2025-06-27 10:31:30 | 憲法

自民党の改正草案を読んだときに、憲法を作成できるだけの思想、哲学の力がないことに気が付く。

憲法作成の事務主導者に思考の偏りが見える。彼らは戦前に復古すれば良いという程度の志向性を持っているだけである。

現憲法が敗戦時に米国から押し付けられたのは事実である。従って、この国の国民の手による憲法の改正をする必要がある。

自民党は、55年結党前の日本民主党系(岸~安倍派系)の議員が力を待たなくなってから、憲法改正に取り組んだ方が良い憲法改正案ができるだろう。

 

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まやかしの改憲

2025-03-05 11:04:45 | 憲法

この国は、官僚体制から、世襲政治家から、地方首長体制から、変えて行かねば、現在の政治の腐敗と沈下は止まらない。いま兵庫県にその兆候がある。

戦後80年、この国は個人の尊重を根幹とし、その教育普及が必要だった。

改憲の動きがあるが、現憲法で一番尊重すべきは九条ではなく、実は十三条「すべての国民は個人として尊重される」であろう。

自民党案「すべて国民は人として尊重される」だった。これは犬猫野菜に等しい「ヒト」という動物・植物図鑑上の人民の育成を提案している。これは本音を隠した戦前回帰であり、まやかしの改憲である。

 

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