先日坂本龍一が死んだ。彼が新宿高校出身だったことを知った。彼は芸大に行ったが、普通の公立高校生だったのか!
あの時代は私立高校の存在は薄かった。良い教育が都立高校にあるのではなく、公立に行くことは親に負担を掛けず、夢を追う機会を持てたことだった。
公立高校には、芸術に進む者も、文学に進む者も、映画に進む者も、普通に同居していた。高校生にとって、自分の将来を遠慮なく自由に決められるのが有難かった。
公立は授業料が安かったが、受験教育が無いので浪人すればマアマアの大学に行けたり、自由なのでいろんな世界へ飛べる機会もあった。当時は生まれや家柄に関係なく、公立校という公平な機会が与えられる点で、戦後的でかつ民主的であったと思う。
音楽関係では、確か山下達郎も忌野清志郎も都立高校だった。当然、他の分野でも多種多才な士を輩出した。
麻布や開成に行かなくても、何とかなるという幻想が「夢」に置き換えられて、この国の未来が明るかった時代のことである。
斯く云うワタシは恥ずかしながら都立校出身なのです、…。