パンダとそらまめ

ヴァイオリン弾きのパンダと環境系法律屋さんのそらまめによる不思議なコラボブログです。
(「初めに」をご一読ください)

4年前・・・

2006-06-04 23:59:36 | 環境ネタ
 17年前の今日6月4日は天安門事件だったハズだけど、4年前の今日のことも結構よく覚えています。その日の夜は日本にとってのWC初戦のベルギー戦で、見事な2ゴールでグループ突破の予感が強まり、そのまた4年前のフランスでの悔しい思い(勝ち点ゼロ)を一掃してくれました・・・って確かに夜のサッカーもよく覚えているのですが、4年前の今日は、仕事で関わっていたとある国際条約を紆余曲折を経て締結したのでした。

 いろんなプロセスがあって、思ったことを形にするのは大変な職務、話が大きくなればなるほどプロセスも複雑になり、しかも短期間で異動を繰り返すので(よく2年って言われるけど私は特にひどくてNYに来る前の6年強で7つだから、1年もいない計算じゃん)、満足感を感じることはほとんどないのですが、あの日はその数少ない例外でした(比較になるのは2,3回しか思いつかない)。といっても10年来のプロセスのひとまずの区切りに私がいたわけで、それはラッキーだったというか、いろんな人の努力の系譜の列に加わっただけなのね、という思いを強く持ったものです。その中には激務のあまりか倒れ、帰らぬ人となった方も(しかも複数のハズ) 当時、その日に先立ちささやかな(本当にささやか)お祝いを職場のチームでしたのですが、これで墓前に報告ができるかなぁみたいな話も出たような・・・
 
 分野は違いますが、最近施行された道交法改正にご尽力なさるなどなさったこの世界の先輩が若くしてお亡くなりになったことを最近知りました。
 新しい駐車違反取り締まり制度のスタートを一週間後に控えた先月下旬、警察庁の若手キャリア官僚が帰らぬ人となった。制度の根幹である民間委託の枠組みを考え、「数十年に一度」の大改正に道筋をつけた後、病に倒れた。意識が朦朧とする中でもパソコンを打ち、考え込むしぐさをしていたという。
 ・・・
 「官」に多くの問題があることは間違いない。しかし、自らの生活を削るようにしながら職務を遂げ、社会を支えているたくさんの人たちを忘れてはならない。ブームに乗るような官僚叩きや批判のための批判は厳に慎み、建設的な議論をしたい。
(日経6/2夕、branchさん経由) ご本人のブログを拝見するとガン告知後の非日常的日常を綴っておられ、溢れる涙を堪えることなく読むことは到底不可能でした。生死を分かつものは多分に(いやほとんど全て)偶然の産物ではなかろうか、であれば奇跡的に生きている今を大事にしなければ、と強烈に感じたカミュの『ペスト』を読んだ後の記憶が甦る(読んだのは大学時代だからもう10年も前なんだけど)。
 
 ただ、こうも思うというか、私がこんなことを言うのも気が引けますが、若くして倒れられたその気高い「志」というものは、しっかりと引き継ぎ、受け継がれ、やがてある時は実を結び、そしてさらに引き継がれていくのではないかと。勿論諸々の事情でそうならない可能性もあり、イヤ、私自身があの時そうできたのかイマイチ自信がなく、留学中という身分をいかして反省することしきりですが。
 
 何の偶然か、今夕はたまたまNYを来訪された職場の方&NY在住の者でお酒を飲み、久闊を叙したのでした。毎年この日が来るとそんなこんなでいろんなことを考えるようになっていましたが、また違った、いい6月4日になった気がします