パンダとそらまめ

ヴァイオリン弾きのパンダと環境系法律屋さんのそらまめによる不思議なコラボブログです。
(「初めに」をご一読ください)

秋学期授業の感想

2005-12-27 23:55:19 | ロースクール
秋学期の記憶がそろそろ薄れそうなので、感想をまとめておきます。

◆Environmental Law (Dean R. Revesz)
 ちょくちょく書いていますが、現Deanの環境法の授業。前半1/3はやや抽象的な政策論、後半2/3は米国の主要な法律(Clean Air Act, Clean Water Act, NEPA, CERCLA, ESA etc.)を扱いました。一応「講義」扱いだったのですが、少人数(30人弱)で、雰囲気はゼミそのものでしたね。4回に1回当てられる(Call on)のも結構緊張もので、皆そうなのかクラスルームは常にピリっとしていました。ディスカッションも「答え」があることはむしろマレで、個人々々の考えを深めることに重きが置かれていて、非常に歯応えがありました。

◆International Environmental Law (Prof. J. Werksman)
 週一のゼミ。結局オゾン層と温暖化がメインだったかな。後半は各々ペーパーの内容を発表するという形式になりました(行ったら突然発表しろと言われて戸惑いましたが)。学期中は一番楽な授業でしたが、Exam periodで一番ストレスだったのはこれのペーパーを仕上げることでした

◆The Administrative and Regulatory State (Prof. M. Herz)
 近くにあるCardozoロースクールの先生が客員教授に。行政法です。唯一の大人数、「講義」っぽい講義だった授業で、行政手続法(APA)を中心に判例をレビューしました。大統領制だからって意思決定が迅速になるっていうのは幻想だったのねぇ~。教授はユーモア大好きでよく笑わせてもらいました

◆Global Public Service Lawyering(Prof. Holly and Frank)
 私のコース(LLM in Public Service Law)の必修ゼミで、Holly とFrank2人が指導教官(ラストネーム忘れてしまった)。秋学期はLLM-PSの生徒以外も受講でき、20人ぐらいいたかな。いろんな国のPublic Service Lawyerの活動をレビューして、方法論・理念などについて議論しました。もう、この授業ですよ、授業開始前の7月・8月からペーパーを提出させられたのは。その分普段考えることもない視点を与えてくれる稀有な授業です。春学期も続くので楽しみです。

 総じて。解釈論だけにとどまらずに、立法政策(とその背景理論)にまで踏み込んだ議論が多かったように思います。そして、その議論は、単に「こうすべき」という言いっ放しの議論に留まらず、「条文の○○という規定が△△という結論を招くから□□という変更が必要では?」「いやいや□□は××と整合しないでしょう」というような感じで非常に実践的で地に足の着いた議論な訳です(霞が関と一緒)。これを米国のロースクールに一般化していいのか、プラクティカルなNYUの特徴かは分かりませんが、解釈論から外に出てこなかった大学時代の不満が解消されつつあります