続・弓道の極意

私が一生をかけて極めようとしている弓道について、日々の気づきを積み重ねていくブログ

合わせ離れは百害あって一利なし

2010年01月09日 | 積み重ね
早気の一つの原因に合わせ離れがある。

合わせ離れとは、会で的についたら伸合うのをやめ、ねらいだけで離す離れである。

初心から3年くらい稽古を続けると突然中りだす時期が来るが、合わせて中っているというケースが少なくない。

会に入ってから的にイメージをつなげ、離れが出るのを待つようにすると、自然に弦が抜けて、容易に中る。離れも鋭くでることが多いので、感覚的には自然に離れが出ているように感じてしまう。

しかし、これが大きな落とし穴である。

まず第一に、合わせ離れで中りが出るということは、本来の的より後ろをねらっているということになる。

合わせ離れの人の後方(本座側)から矢筋を見てみると、会では的を外れて後方をねらっている。

それは当然で、ただ弦を離しただけでは、矢は前に出る性質を持っているからである(これについては後日詳説)。

本来であれば、ねらいどおりに中てるというのが本道であるのだが、それを感覚的に(イメージで)修正して、的より後ろをねらうことで中てているのである。

第二に、早気になりやすいということである。

これも当然で、的にイメージがついてさえいれば、それ以上持っている必要はないからである。したがって、自然に的についた瞬間に離れが出るようになる。

そして、それを意図的に制御しようとすればするほどに手先に力が入り、余計に離れを誘発してしまうのである。

これを防ぐには、ねらいを正しくすることである。

会での矢筋がきちんと的に向かっているかどうかを誰かに確認してもらい、そこから伸びあって離れを出す稽古をする。

したがって、初めのうちは、必ず前に抜けるはずである。しかし、それをねらいによって中てようとせず、胸を開いていく(つまり伸び合う)ことで中てられるように稽古を積むことである。

この過程を経ずして、本当の離れを習得する道はない。