続・弓道の極意

私が一生をかけて極めようとしている弓道について、日々の気づきを積み重ねていくブログ

なぜ深い会になるのか?

2008年12月04日 | 極意探求
正しく詰合いを行い、下ろしてくる引分けによって会に入ることで、最高に深い会が得られる。

このことについて補足をしておこう。

おそらく一般的には、あるいは初心者の方の多くは、大三から会にかけて、引き分けていく間に、会は深まっていくものだと考えているのではなかろうか。

しかし、これは正しくない。正しくは、大三の時点で既に深く詰め合っていて、その深い詰合いを維持しながら会に入ることで、深い会が得られるのだ。

また、大三で深い詰合いを得るためには、打起しで既に深く詰め合っていなければならず、当然それは弓構えの段階まで遡(さかのぼ)る。

つまり、深い会を得られるかどうかは、弓構えの段階で既に決まっているということだ。

弓構えの段階で得られた深い詰合いを、ずっと保ちつつ会にまで運んでいく。これが、射の本質が詰合いにあるゆえんである。

よく言われる「弓は開くもの」という表現も、このようなところに端を発しているのだろう。

地球の力を使う

2008年12月01日 | 極意探求
下ろしてくる引分けを実践するためのコツをもう一つ紹介しよう。

それは地球の力「重力」を使うということである。

これは比喩でもなんでもない。なるべく力を抜いて、腕の重さで下ろしてくるということだ。

具体的に見ていこう。

まず打起しで馬手の詰合い(伸び切り)を確認したら、大三に移行しながら弓手の詰合いを確認していく。

このとき、馬手はなるべく弓手に引かれるままに動かさず、弓手の開きに合わせてただ身体に近づけるようにしていく。

感覚としては、大三の時点で身体の真上まで弓がくるようにすることがコツである。こうすることで、そこから自然に下ろしてくる感覚がつかみやすくなる。

逆に言えば、自然に落ちてくるようになる大三があり、それを見つけ出すことが稽古の眼目といえよう。

大三が正しく決まれば、あとは自然に落ちてくるままに任せ、開いていくに任せるように引き分けることができるようになる。

力を抜くほどに、重力による下げる力は増していく。それは屈筋による雑力が消えるからだ。

自分の力を捨て、自然の力を使うこと。これが弓と一体になる第一歩となる。