続・弓道の極意

私が一生をかけて極めようとしている弓道について、日々の気づきを積み重ねていくブログ

力の拮抗

2011年02月15日 | 積み重ね
身体で引いている人の特徴の一つに、引分けの際に身体の力が拮抗しているということがある。

具体的には、両肩根をつなぐ横のラインと胴造りと首根をつなぐ縦のラインが、背中を通じて拮抗する。

これを外から見ると、まさに弓に身体を入れるように見え、結果として両腕が開いていく格好となる。

ところが、身体で引けていない場合は、この身体の拮抗が見られない。

左右の腕は当然拮抗しているわけだが、それが身体を通していないために、身体を入れて押し開くというよりは、単純に横のラインだけで押し引きしているように見えてしまう。

当然、離れに重厚感は感じられず、タイミングのみの軽い射に感じられてしまうのである。

こうならないためにも、今一度、身体で引くポイントをいくつか挙げておきたい。

一. 胴造りにおいて、肩根を落とし、顎を引き、背中の筋を首で持ち上げる心持で縦線を延ばすこと。

一. 大三において、縦線が延びていることを今一度確認するとともに、弓手張り伸ばし、角見を利かせ、妻手十分に送り込み、肘を上げ、弓手の角見と妻手の肘より下、二の腕、肩とを拮抗させること。また、このとき弓を身体に近づけることで縦線と横線が身体(背中)で交わり拮抗する。

一. 引分けは、身体(背中)の拮抗を維持するように顎を十分に引きながら、弓手角見を利かせつつ、妻手首の後ろを回すように首根、肩根を開いていくこと。

一. 会においては、弓手満月につけ、妻手頬付け口割りまで十分に引き込み、縦線を利かせることで、身体で力を拮抗させること。

一. そこから縦線をさらに張り伸ばすとともに、弓手かすかに開いていくと、身体の拮抗が弾けるように離れが生じ、弓手拳一つ分開き残身となる。