続・弓道の極意

私が一生をかけて極めようとしている弓道について、日々の気づきを積み重ねていくブログ

勘がよいとは何か?

2011年01月13日 | 積み重ね
どんな世界でも同じだが、勘のよい人もいれば、あまりよくない人もいる。私も含めて、あまりよくない人の方が圧倒的多数であろう。

しかし、中には少しの稽古量で、人の何倍も早く、コツをつかみ、一気にうまくなってしまう人がいる。

そういう人と我々とは何が違うのだろうか?

一般的には「素質が違う」ということになるのであろうが、私はこれには断固として反対する。勘のよくない(素質のない)人間代表として、勘とは何か?ということを武道を通じて探求しているのである。

今のところわかっていることとしては、勘がよいというのは、稽古の振り幅が大きいということだ。どういうことか?

たとえば、先生に「弓手で押していけ」といわれたとき、勘のよい人は、体が前に行ってしまおうが、妻手がおろそかになろうが、まずは言われたことを極端に行ってみる。

これによって、先生だけが知っているコツの味を知ることができるわけだ。

ところが、一般的にはこれは非常に難しいことである。なぜなら、これまで培ってきた自分の型というものがあるからだ。

なので、普通は自分の型を崩さない範囲で、少し先生に言われたことを意識して「弓手を押してみる」ということになってしまう。

しかし、それでは当然のごとく、先生の伝えたい、まだ見ぬ世界までは届かないのである。

この稽古の振り幅というか、コツを得るために今の型を大胆に崩そうとする勇気というものが勘のよい人の特徴と思う。