続・弓道の極意

私が一生をかけて極めようとしている弓道について、日々の気づきを積み重ねていくブログ

前につけて押すと開くことになる

2011年02月21日 | 積み重ね
先日質問を受けたのでここでも回答したい。質問は次のようなものである。

「伸び合いは、弓手を開くのが正しいのか?それとも的に向かって押すのが正しいのか?」

これは本質をついた大変よい質問であると感心したのだが、その理由はこのどちらも正しいからである。

つまり、伸び合いにおいて、弓手は開くのであり、的に向かって押すのである。言い方を変えれば、これらは同じことであると言ってもよい。

これは会の時の弓手の角度に関係する。

会の時、弓手は両肩のラインに対し、多少角度を持って前側(体の前面)に入っている。これは矢が番えてあることで、頭が邪魔(?)になり、肩のラインまで引いてくることができないからである。

これが離れを生じて残身になると、完全に両肩のラインの延長線上に弓手が伸びることになる。

これを頭(つまり自分の目線)から見てみるとどうなるだろうか?

会では自分より前に弓手の拳があり、したがって目線の先にある的に対しては弓手を開いてこなければならない。

一方、体の感覚としては、自分の前にある弓手の拳を、的に向かって押し込むという感覚によって、初めて圧を抜かずに開いていくことができる。

つまり、感覚としては的に向かって押すのであり、その結果、実際の動きとしては弓手が開かれていくのである。

これが理解できると、なぜ会において的を満月につけるのかがわかるだろう。