続・弓道の極意

私が一生をかけて極めようとしている弓道について、日々の気づきを積み重ねていくブログ

「伸合い」は弓道における奥義

2009年01月08日 | 極意探求
大三で詰合いを確認し、そこから下ろしてくることで会に入る。会に近くなればなるほど弓力は増すが、それにひるむことなく詰合いを維持する。

特に、肩をしっかりと落としつつ、縮まることなく矢束(やづか)を保つようにする。肩が落ちれば落ちるほどに、会は深まっていく。

これがこれまで説明した深い会への運行である。

このように最大限の詰合いを保ちながら、最深の会に入ると、ある不思議な感覚が初めて現れる。

それは「無限に伸びる感覚」である。

これは誠に不思議な感覚で、説明しようとするとどうしても矛盾しているように聞こえてしまう。なぜなら、「完全に伸びきったとき(深い詰合い)、初めて無限に伸びられる力を得る」からだ。

しかし、実は、ここにおいてこそ、日本武道の奥義とも呼べる技術が存在する。

昨今のスポーツ化した武道では重きを置かれていないが、古流ではこの「不思議な力」の養成にこそ、力を注いできた。

それを現代まで引継ぎ、特に重要視している武道の一つが合気道である。合気道では、この不思議な力を「呼吸力」と呼び珍重している。

また、誰もがよく知っている相撲にも、「相撲力」(すもうぢから)と呼ばれる技術(とあえて言ってしまう)が存在している。

既にお分かりであろう。弓道における「伸合い」こそ、実はこの不思議な力を操る技術に他ならないのだ。

次回、この「不思議な力」についてもう少し説明していこう。