昨年の大晦日は久し振りに紅白歌合戦をじっくりと観た。ちゃんと観たのは2010年以来かも知れない。
序盤は相変わらず「今年初めて耳にした曲」がずらりと並び、子供たちに「流行ったの?」「ヒットしたの?」「誰なの?」の質問ばかりを繰り返す。後半になると逆に子供たちの知らない曲ばかりが続くが、私もよくは知らない曲が並んでいた。再結成したプリプリのダイアモンドを楽しみにしていたが、オリジナルと少し違う歌い方に違和感・・・どうして多くの歌手は代表曲の歌い方を変えるのだろう。新小岩が生んだスーパースター・松崎しげるの「愛のメモリー」はもはや原型すら留めていない・・・そんなことを考えながら、今回は2曲に心奪われた。
1曲目は美輪明宏の名曲『ヨイトマケの唄』には痺れた。そもそもこの曲は題名や歌詞に「ヨイトマケ」」「土方」といった差別用語とみなされる言葉が含まれており、かつては日本民間放送連盟によって「要注意歌謡曲(通称・放送禁止歌)」に指定されていた。私が初めて知ったのは2000年に桑田佳佑がテレビ番組でカバーを披露した時だったが、歌と言うよりもドラマのような曲だなと思ったものだが、今回初めてオリジナルを聴いた。
そして2曲目はアフリカ中継のMISIA。歌唱力は言うまでも無いが、まるでプロモーションビデオのような映像に目が釘付けになった。
そして番組が終わる頃には娘が、年が明ける頃には息子がそれぞれ外出し、元旦の朝は妻と二人で迎えた。
いよいよふたりだけの生活が現実味を帯びて来たことを実感する新年だった。