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東京下町・新小岩駅の不動産屋二代目のつぶやき

東京の下町・葛飾区新小岩で今年創業50年を迎えました不動産屋の二代目が気ままに書き綴った独り言ブログです。ブツブツ・・・

東京の定席

2012年04月02日 09時58分46秒 | 落語と芝居の話

先日の朝日新聞の記事で、「今年東京の落語会が動きそうだ」「今のままじゃあ、寄席にお客来ない」のタイトルに惹かれて記事を読む。

東京の定席は「上野・鈴本演芸場」「浅草演芸ホール」「新宿末広亭」「池袋演芸場」の四つあり、このうち浅草・新宿・池袋には落語協会と落語芸術協会が10日ずつ交互に出演している。五代目円楽一門会と落語立川流は両協会に所属していないので、定席には出演出来ない。昨年末の芸術協会の納めの会で末広亭社長が、芸術協会が出演している時の客入りの悪さに言及し、「円楽一門会と立川流と一緒になって欲しい」と発言し、浅草演芸ホールと池袋演芸場も同調の姿勢を示した。一昨年、三遊亭楽太郎の六代目円楽襲名の際に、芸術協会の歌丸会長らが協力して定席でも披露興行を開けるように配慮し、この縁で円楽一門は昨春芸術協会に合流を申し入れたものの、同協会は昨年6月の総会で否決している。

簡単に言えば「大人の喧嘩」である。どこの世界にも派閥はあり、価値観や意見が異なることもある。昔から喧嘩を始めるのは簡単だが、仲直りするのは難しいもので、プロ野球の世界でもアマチュアとの断絶が長い間続いていたが、近年ようやく雪解けしたが非常に「遠回り」をした。確かに定席は魅力が無いラインナップが並ぶことが少なくないし、満席の寄席は余り見た事が無い。それはそれで私にとって快適な空間でもあるのだが・・・

そんな内輪の喧嘩より、大事なことはお客さんに来て貰う事であり、落語が出来る場所を提供することであるのは一目瞭然である。有名落語家が定席で10~15分ずつちょこちょこで出演したらそれは魅力的な空間だろうし、出演枠が狭まれば、互いに切磋琢磨するだろう。今年の東京の落語に注目したい・・・と思っていたら無性に行きたくなり、事前に出演者を調べた上で浅草演芸ホールへと向かった。この日は林家木久蔵、春風亭小朝、林家三平が登場する15時からの時間帯を目指してホールへと向かう。

浅草寺は春休みなのか?ツリーの営業開始のカウントダウンが始まったせいか、非常に多くの観光客で賑わっており、演芸ホールの前にも多くの観客が押し寄せていた。立ち見は御免とばかりに、予定より早めの13時半から中に入ると、一階席はすでに満員で二階席へと通された。古ぼけた階段を上り、館内には居ると舞台にはちょうど「昭和のいる・こいる」師匠の漫才が場内を沸かせていた。

席に着いた後も、続々と入場して来て、中入り前の林家うん平が終わる15時にはほぼ満席状態で、隣のおっちゃんが着ているダウンコートの袖が私の席まで侵入している中、二代目・木久蔵が登場する。若さ溢れんばかりの元気ハツラツの舞台で、新作落語を披露する。寄席は大抵ひとりの持ち時間は15分で、枕だけの場合やしっかり落語をやる場合まで様々である。私の好きなロケット団が休演したが、代わりに登場したホンキートンクの漫才も好きだ。そして小朝が登場する。寄席では大抵枕だけで終わることが多いのだが、今回は簡単でお気軽なダジャレ落語を披露する。程良く力の抜けた話し方と存在だけで笑わせる大御所ならではの舞台であった。そして三平が続いて登場する。体全体を使い、元気に父親譲りの「客いじり」で爆笑をとる。「元」義兄弟の共演はなかなか好対照の舞台であった。三平が終わると観客は蜘蛛の子を散らしたように出口へと向かう為、ざわついた館内で次に登場したマジシャンはとても気の毒だった。でも私もその蜘蛛の子のひとりではあったが・・・

久し振りにライブを観たがやはりいいものである。出演者によってはこんなにも盛況になるのである。そろそろ手打ちをしたらどうなのだろう・・・  

有限会社やな瀬不動産